備忘録:〇〇エピソード

先日、双極性障害などの〇〇エピソードがわからないと書いた。孫引きになってしまうが、通信講座テキストを参照して、躁病エピソード・軽躁病エピソード・抑うつエピソードについて以下に記す。

2020/09/25 持続性抑うつ障害の主な診断基準について加筆 

躁病エピソード

基準A~Dを全て満たす。

【基準A】
状態:気分が異常かつ持続的に高揚
→開放的・易怒的
→行動も異常かつ持続的な活動状態を呈す
状態出現時間:ほぼ毎日1日の大半にわたる
持続期間:1週間以上
※入院措置が必要なほど重篤な時、持続期間は不問

【基準B】
以下の症状のうち3つ以上(易怒性のみが認められるときは4つ以上)が示され、心身両面に著しい変化が起きている。
(1) 自尊心の肥大・誇大
(2) 睡眠欲求の低下
(3) 多弁
(4) 観念放逸
(5) 注意散漫
(6) 精神運動焦燥
(7) 事後に問題が発生する可能性が高い活動への異常な熱中
※クライアントの普段の状態と著しくかけ離れていること

【基準C】
以下のいずれかが存在する。
・各種症状による苦痛
・日常生活や社会的活動への著しい支障
・自他へ害を及ぼしうることを防ぐための入院の必要性
・精神病性の特徴

【基準D】
各種症状は薬物などの外的要因によるものでない

軽躁病エピソード

基準A~Fを全て満たす。

【基準A】
状態:気分が異常かつ持続的に高揚
→開放的・易怒的
→行動も異常かつ持続的な活動状態を呈す
状態出現時間:ほぼ毎日1日の大半にわたる
持続期間:4日間以上

【基準B】
以下の症状のうち3つ以上(易怒性のみが認められるときは4つ以上)が示され、心身両面に著しい変化が起きている。
(1) 自尊心の肥大・誇大
(2) 睡眠欲求の低下
(3) 多弁
(4) 観念放逸
(5) 注意散漫
(6) 精神運動焦燥
(7) 事後に問題が発生する可能性が高い活動への異常な熱中
※クライアントの普段の状態と著しくかけ離れていること

【基準C】
"軽躁病エピソードの時は、普段のクライアント固有の状態とは明らかに機能的な変化が認められる。"

【基準D】
”各種症状によるクライアントの変化は客観的に観察可能である。”

【基準E】
以下の両者に該当すること!
・日常生活や社会的活動に著しい支障をきたさない
・入院措置を必要としない

【基準F】
各種症状は薬物などの外的要因によるものでない

躁病エピソード・軽躁病エピソードの違い

【両者の基準A】
躁病エピソードの成立には、1週間以上の気分及び行動の変化または入院を必要とするのに対して、軽躁病エピソードは4日以上の気分及び行動の変化でエピソードが成立する。

【躁病エピソード基準C・軽躁病エピソードの基準E】
躁病エピソードは生活に支障をきたし、時には入院措置もとられるものであるが、軽躁病エピソードは生活に支障をきたさないし入院措置も必要としない。

【軽躁病エピソードの基準C~D】
基準Bで普段と異なる状態であることの要求がされているが、軽躁病エピソードでは基準C~Dもクライアント固有の状態との差に焦点をあてたものになっている。

抑うつエピソード

基準A~Cを全て満たす。

【基準A】
持続期間:2週間以上
以下の症状のうち、同時に(1)または(2)を含む5つ以上が存在し、心身に変化が生じている。
状態出現時間:(1)~(8)は、ほぼ毎日
(1) ほぼ1日中、抑うつ状態
※主観的または客観的に
(2) ほぼ1日中、ほぼ全ての心身の活動への興味の減退
→ポジティブな感情(喜・楽・快)が起こらない
(3) 大幅な体重の増減または食欲の増減
※医学的理由や健康維持などの制限無しに
(4) 不眠や過眠
(5) 精神運動焦燥または制止
※客観的に観察可能
(6) 疲労感や気力の減退
(7) 無価値感や過剰または不適切な罪責感
(8) 思考力・集中力の減退・意思決定の困難さ
※主観的または客観的に
(9) 死について繰り返し考える。自殺に関する計画の立案。
※明確なときも曖昧なときも含む

【基準B】
以下のいずれかが存在する。
・各種症状による苦痛
・日常生活や社会的活動への支障

【基準C】
各種症状は薬物などの外的要因によるものでない

持続性抑うつ障害の主な診断基準

【基準A】
状態出現時間:ほぼ一日中、ほぼ毎日
持続期間:2年以上(未成年者は1年以上)
主観的または客観的にわかる抑うつ状態

【基準B】
抑うつ状態の期間、以下の症状のうち2つ以上がある。
(1) 食欲の増減
(2) 不眠または過眠
(3) 気力の減退または疲労感
(4) 自尊心低下
(5) 集中力の低下や意思決定の困難
(6) 絶望感

【基準C】
【基準A】および【基準B】を満たさない期間が2か月以上続くことなく、二年以上経過している。

【基準D】
症状が起きている2年間はうつ病の基準も満たしている可能性が有る。

【基準E】
×躁病エピソード
×軽躁病エピソード
×気分循環性障害

【基準F】
発症原因は他の心身の疾患でないこと

【基準G】
各種症状は薬物などの外的要因によるものでない

【基準H】
以下のいずれかが存在する。
・各種症状による苦痛
・日常生活や社会的活動への支障

個人的な感想など

 軽躁病エピソードはクライアント固有の状態の見定めも必要だから、わかりにくそうですね。一時期やたら双極性障害(ⅱ型)の診断をつけるのが流行っていたような気がしますが(Twitterのメンヘラを観察していて感じたこと)、今のトレンドはどうなのでしょうか。なんなら、自信満々で、ショートスリーパーで、よく喋る活発な人というのは、それが素なら社会適応が良さそうで、普段から意識的にこう振る舞っている人も少なくない気がするんですよね。

 元来の性格的に社会とのすり合わせができなくなるのを怖がる気持ちが強くて、なんやかんや予定を入れて気合を入れてタスクとして余暇を楽しそうに過ごす、という一緒にいる人には非常に申し訳ない状態が、底を抜けて直ぐくらいの時期に有りましたね(遠い目)。あの遊ぶことすら満足にできないかったるさは、(2)の意欲の減退・正の感情が起きないこと、のせいだったのかもしれないなあ。症状と感情の違いはよくわからないものです。

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