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私の考えるブラインドサッカーの撮り方①

写真についてのお話をしようと思いますが、あくまでも私見です。
人によって十人十色の撮影の考え方があります。

これまでは様々なスポーツを撮影してまいりました。本当に恵まれて、オリンピックにも行かせていただきました。自分がどれほど恵まれていたのか、今になってヒシヒシと感じます。
現在はパラスポーツを中心に撮影しております。東京パラリンピックが延期になってしまったので、これまでの自分の経験の整理を兼ねて書いていこうと思います。

最初に選んだ題材は「ブラインドサッカー」。パラリンピック的には「5人制サッカー」と表記されます。ルール詳細はこちらに。まずは大枠のところをお話ししようと思います。
サッカーのルールは恐らく多くの方がご存知かと思いますが、それを目隠しして全く見えない状態で行う競技ということでご理解いただければいいかと思います。動画で見ていただくと結構圧倒されます。
基本的に外で行われることが多いですが、大会によっては体育館内でも開催される競技です。

コートはフットサルと同じ広さ、しかし横はフェンスに覆われています。メディアに与えられる撮影ポジションは、エンドライン後方とベンチと反対側のサイドフェンス裏です。
レンズは70-200mmを多く使用します。APS-Cのカメラでは、エンドラインにいると70mmでも引き切れないかもしれません。100-400mmや120-300mmなんかでもいいんじゃないでしょうか(もちろん何が撮りたいかにもよりますが)。

報道メディアとしては横位置で体のサイズに合わせてズームしながら、シュートシーンに合わせてシャッターを切る。そんな追い方になるかと思います。ゴール前では選手がゴチャっとしやすいので、フォーカスエリアは小さめにしぼって撮った方がいいと思います。当然ながらアイシェードをしているので瞳AFは検知しません。顔認証くらいは効きます。

シャッタースピードは大抵のカメラなら1/1000ほど確保できれば止まると思います。ブラすとか流すなら、少し極端目にやってもいいかもしれません。プレースピードはそれほど速くないので、しっかり追えば止めるべきところは止まります。激しいプレーを狙わないと1/200ほどではそこまでブレないです。しっかり狙いどころ決めていく必要があります。

絞りは基本的には開放付近。サイドフェンスは広告ボードになっているので、背景スッキリとはなかなか行きません。なので被写体のピントが怖いと思って絞ると、背景がかなり主張してくる写真になってしまいます。それも踏まえてマニュアル露出、もしくは絞り優先で余裕のあるISO感度設定をするという撮り方がベターかと思います。135mm F1.8とかなら背景もボケていい感じになるかもしれませんけどね。

と、ここまでは普通にサッカー・フットサルを撮るのとそんなに変わらないと思います。しかしパラスポーツならばパラスポーツらしさを撮らなければいけないと思います。それがパラスポーツを面白いと思った私が、それをどう伝えていけばいいかを日々格闘しているところでもあります。
例えばこの競技ではディフェンスの選手は近づいてきた相手に「ボイ!」と声を出さなければいけません。しかしその声を写真にするのは不可能です。そういった要素を考えながら写真としてどう表現するのかが大切です。また先ほどは単純に「シュートシーンに合わせて・・・」と述べましたが、通常のサッカーと違ってキックで振りかぶることもほとんどないので、いきなりシュートが飛んできます。それをわかってないと合わせることもできません。それを考えるとシャッターラグの小さいカメラの方が撮りやすいという面もあります。

その辺りのこの競技らしさをどう考えて撮っているかを次回書いてみようかと思います。

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