見出し画像

まごころを、君に。

この記事はM&Aクラウドアドベントカレンダー2022の19日目の記事です。

初めまして、M&Aクラウドの西川と申します。
時が経つのは早いもので、2021年の4月に私が第二新卒でM&Aクラウドに入社してから、もうすぐ丸2年が経ちます。いま私は社会人4年目ですので、社会人生活の半分をM&Aクラウドで過ごした、という計算になります。
私が入社した時は30名少ししか社員がいなかったのが、いまや倍以上の社員が在籍していてビックリです。

折角機会をいただいたので、この1年間の振り返りにとどまらず自分のルーツから、それが今にどう繋がっているのかなどを振り返ってみたいと思います。

プラットフォームアドバイザーとして

私は昨年春にM&Aクラウドへ入社してから一貫して、「プラットフォームアドバイザー」としてM&Aクラウドへ、「会社を売却したい」「事業を売却したい」「資金を調達したい」といったお悩みを持ち寄られる経営者さまのアドバイザーとして、2年弱で400社以上のスタートアップ企業の経営者さまと面談し、サポートしてきました。
※「プラットフォームアドバイザー」がどのようなことをやっているかについては、私の上長の滝口のアドベントカレンダーを是非ご覧ください!

■滝口のアドベントカレンダー

新卒で入社した前職は人材紹介のゴリゴリの営業会社で、M&Aの業界には縁もゆかりも無いような業界にいたのですが、今年は特に自分のサポートしたお客様でエポックメイキングなご縁組みが何件も生まれるなど、プラットフォームアドバイザーとしての成長を実感できた1年でした。

■成約インタビュー

お客様からお褒めの言葉を頂くと、めちゃくちゃ嬉しいですね…!

M&A業界未経験からスタートした中でもこのように段々と実績が付いてきて、いくらかでも、「自信」めいたものを自覚するようになると、特にお客様の側からは常に自分が、「その道のプロフェッショナル」として見られている(いた)ことに気付くようになりました。そこでハタと、「プロフェッショナル」という志向性が、実は今までの自分自身の志向性から何ら逸脱したものでないことに気付きました。

プロフェッショナルとしての「応援部」と「アドバイザー」との相似性

最近までSlackのアイコンを当時の写真にしていたので、社内でご存知の方も多いかとは思うのですが、大学時代私は応援部で活動していました。

東京六大学野球などの応援をする団体です(筆者右)

応援部と言えば、誤解を恐れずに書くと旧態依然とした、そしてある種常軌を逸したような活動を行うことで知られています(今がどうなのかは知りません)。

・例えば厳格な上下関係。上級生への挨拶は常に絶叫を義務付けられていたり、礼儀作法・口上などにも事細かな取り決めがあったりしました。
・あるいは、「団旗」に対する神聖視。部員は毎回の応援の前後に1時間ずつかけて団旗を磨き、その間口を開くことは一切許されず、また団旗を素手で触ること、地面につけてしまうことなどはご法度中のご法度でした。
・あるいは苛烈な鍛錬。春・夏の合宿では丸1日かけて約50㎞というフルマラソン以上の距離を、拍手の練習や馬飛び、ダッシュなどを交えながら走り切りました。 また、応援に伺った試合の結果が芳しくなかった場合には、「罰練」と称する最も厳しい練習を課すことで、自らを省みました。

しかし、私は一見極めて理不尽に見えるこれらのような活動、それこそが応援部のプロフェッショナリズムを担保していると考えています(後述)。


話が変わるのですが、私は高校生の頃、医師を目指して受験勉強していた時期がありました。医師を志す多くの方は恐らくご存知かと思うのですが、医師のモラルを示すべく語り継がれてきた指針として、「ヒポクラテスの誓い」というものがあります。
「医の神アポロン、アスクレーピオス、ヒギエイア、パナケイア、及び全ての神々よ。私自身の能力と判断に従って、この誓約を守ることを誓う…」から始まる文言は、医師としての能力を患者へ第一に注ぎこむ精神、我欲を排した利他的な精神を謳っています。
インフォームドコンセントが重視される現代においても、その精神は普遍的に重要なものだと思います。
この、「ヒポクラテスの誓い」は今もなお、多くのアメリカの医学生は卒業までに暗唱できるようになるまで何度も諳んじるそうで、高度な専門性が求められるプロフェッショナルだからこそ、その責任と名誉を、「誓い」として各自の胸に刻んでいるものだと理解しています。

閑話休題、応援部員にとっての、「誓い」とは何か。
それはまさに先ほど挙げたような、自らを強固に律するような日々の活動そのもの、そしてその結果培われた「まごころ」であると私は考えています。
実際のところ、試合に集中している選手たちにとって、応援の声や太鼓、楽器の音などはほとんど耳に入ってこないそうです。
あれだけ一生懸命応援していても、なんとそもそも「物理的には」、応援部員の応援・声援は全く選手に届いていないわけです。
しかし、選手は応援によって明確にエンカレッジされており、応援は有効に作用している(選手談)。これはいったいどういうことなのでしょうか。

私は、応援部員それぞれが日々の活動でその胸に刻んでいる「誓い」、それ自体が選手を力づけているものだと結論付けています。
応援部員は、骨の髄にまで染みついたその行動指針により、たとえ野球で20点差をつけられて劣勢であっても、誰1人として勝利を諦める者はいません。拍手で手の皮から血が噴き出そうと、脱水でフラフラになろうと、試合が終わる瞬間まで死力を尽くして応援します。
そして選手たちはどのような劣勢であろうと、このような人間たちが我欲を排して、「まごころをもって」最後の瞬間まで大きな声を出して自らを力づけようとしてくれているに違いないことを、「知っている」。
だからこそ、声援が耳に入らなくとも彼らは、「力づけられている」と感じることができるのだと理解しています。

このような、「誓い」による信頼関係は、当然プロフェッショナルとしてのM&Aアドバイザーとお客様との間でも同様に成立するものだと考えています。
M&A業界における利益相反の議論や、悪質な業者に関する議論は、あえて本稿で述べる必要もないと思います。
マックス・ヴェーバーが著書、「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」の最終章で、資本主義社会における、「精神なき専門人」の無価値さを喝破していますが、とどのつまり、アドバイザーにとっても、「誓い」たりうるものは、「まごころ」でしかないのではと思います。
そして、「まごころ」を培うための十分条件となるのは、例えば日々の絶え間ない研鑽であったり、あるいはまさに応援部にとっての「団旗」のようによすがとなるもの、弊社であればバリュー項目のひとつである「2nd Priority」のような存在であったりするのでしょう。

■M&Aクラウドのバリューに関するnoteはこちら。

2023年へ向けて

私の今までを振り返ると、意図的なものにせよ、創発的なものにせよ、常に「プロフェッショナルたりえたい」のは、一つのキーワードのように感じます。
M&Aクラウドの面白いところは、アドバイザーに限らずあらゆる分野で、「プロフェッショナル」が本当にたくさん在籍していることだと思っています。
私個人としては、もちろん今までやってきた方向性でプロフェッショナリティを深めていくのも一つですし、色々なところにチャンスが転がっていると思うので、楽しんでいきたいなと思います。

ちょっと気が早いですが、皆さまよいお年を!


この記事が参加している募集

#振り返りnote

85,138件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?