1日2杯の珈琲と山水
珈琲を飲む人たちに囲まれて育ったけれど、私が珈琲を飲むようになったのは20歳を超えてから。
その頃、製靴の勉強をしていて材料とか授業料にお金がかかるので、まかない目的で飲食店でのアルバイトをいくつか掛け持ちしている時期で、そのうちの1つが夕方から入っていたフレンチのお店でした。
ランチタイムの仕事後に着くと、シェフやソムリエたちがお昼のまかないを食べた後くらいに到着し、私は皆の珈琲をマシーンで入れて一緒に飲みながらディナーの打ち合わせをする流れでした。
あんまり珈琲が美味しいとも思っていなかったけど、皆にならって珈琲を飲んでいた方が楽だったのでそうしていました。
だから飲んでいるうちに飲めるようになっただけで、好きなわけではなく「飲める」という程度でした。
実家でも実家を出てからもマシーンで珈琲を淹れて飲むことはあったけど、珈琲が好きになったのは徳島に越してきてからです。
働いていたCAFEでハンドドリップの珈琲を淹れる為に習いに行ったのも大きかったと思うけど、こちらは水が美味しいというのも影響があったと思います。
私達が住んでいる集落には水道が通っていないので、各家だったり数件が協力して水を引いて管理をしています。
なので、蛇口をひねると山水が出ます。
都市生活時代は水道水とは別に、飲み水はペットボトルに入った水を購入する生活をしていたので、蛇口から美味しい水が出てくるのは嬉しい事です。
山水は雨がある程度降ると濁るので、天気予報を見て事前に数日分の飲み水を溜めておいたり、自分たちで水源の掃除をしたりパイプの修繕も必要です。
途中でパイプが裂けている所があってエアーが入ったり、台風の後には葉っぱなどのゴミで水の出が悪かったり、パイプが抜けていて朝起きたらいきなり水が出ない事もあります。
そういう時は水を共用している人たちで連絡を取り合って何時に修理をしようとかいう話をして自分たちでどうにかしたり、重機が必要なくらいな時は集落内の土建屋さんに出動してもらったりして生活水を得ています。
水道のありがたさもあるけど、山水の美味しさもあります。
一応「1日2杯まで」と決めている珈琲は、家の山水も相まって好物となりました。
手ごろに買える普段の珈琲豆
香りが良くて、高価だけどやっぱり美味しい珈琲豆
たまに県外の焙煎所の豆をネットで買ったり、出かけた先で購入したり
今は豆は購入しているけれど、いつか焙煎もオリジナルで出来たらいいなと思っています。
好みのものができるまでは道のりが険しそうだけど、オリジナルの焙煎した豆を山水で飲みたいです。
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我が家の水に関しては主人が管理をしてくれています。
修繕の仕方も、パイプの別れ方も、水源地の事もさっぱり分かっていない私は1人でここで生きることが出来ないかも。
水の管理ができないと山水生活は出来ないですね。
それに、共用している人たちも年が大きくなってきているので積極的に修繕に参加して知恵を貰ったり身体を動かしてくれることに感謝しつつ、私も学ばないといけないと思っています。