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断酒

 アルコールを本格的に飲み始めたのは、大学生になってから。当時はコンパが盛んで、いわゆる「一気飲み」が流行った時代。2次会3次会と朝まで飲むのが慣例化していた。

 私って、もしかしたらお酒に強い?と感じ始めた。友達が酔いつぶれて眠ってしまっても、私はそれほど酔うこともなく、最後まで飲み続けた。翌日は当然二日酔いするけど、それほど酷くなく、アルコールを分解するには強い身体のようであった。

 コンパで飲むお酒は、美味しいと言うよりもコミュニケーションのツール。酔って饒舌になって盛り上がる、そのための道具であった。

 お酒の美味しさに目覚めたのは、労働の疲労やストレスを感じた時であった。アルバイトで疲れて帰宅して、「ホワイト」の水割りを飲んだ時、心の底から「美味しい」と感じたのである。

 疲労や緊張がゆっくりと解れ、心が解放されていく。まさに薬物反応。今でもはっきりと記憶している。経験はないが、麻薬と同じなんだろうか。

 それから延々とアルコールとの付き合いは始まる。それは、天使だったり、性悪オンナだったり、様々な側面で人生に光と影を反映させていく。

 「ソバーキュリアス」なんて生き方が提唱される以前から、偶然始まった断酒について、思うがままに書いていこうと思う。

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