「わが投資術」を読んで

はじめに

 バリュー投資家はるかみさんが清原達郎さんの「わが投資術」を絶賛してたので積読してましたが、投資一区切り中なので、投資手法の改善のヒントにならないか検討しました。※リンクは顔を見せたいために貼ってます。

タイトルが刺激的

 わが・・・と来て、なにを思い出すかというとアドルフ・ヒトラーの自叙伝「わが闘争」(禁書から復刊されてたんだ)。wikiを見ると気になるキーワードが書かれていて、「反ユダヤ主義」、「プロパガンダ」。有名ですもんね。
 グローバル資本(ユダヤ系)、プロパガンダ=メディア(ユダヤ系)に対する戦いの日々だったんじゃないかと妄想しました。表紙の顔、パットみると戦い疲れましたという印象です。引退理由が「年を取り過ぎて戦えなくなった」と書かれてます。なんとなくチェ・ゲバラが思い浮かびました。広島の原爆資料館を見学して言った言葉、「きみたち日本人は、アメリカにこれほど残虐な目にあわされて、腹が立たないのか」が思い起こされます。教育の刷り込み力は偉大ですね。
 ジョージ・ソロスからのオファーの話、さりげなく描いているけど、わざわざ書いたということは思うことあったんだだろうなー。

副題「市場は誰に微笑むか」

 答えを探したら、やはり一丁目一番地に書いてあって、

市場はあなたの意見が少数意見である限りあなたの見方です。
「大勢と同じ考えやポジションを持っていると間違ったときに大損しやすく、少数派の考えやポジションを持っていると間違っても損失が少ない」

わが投資術 P18

 投資の第一歩は「常識を疑う」こと、少数意見「投資のアイデア=株価に織り込まれてないアイデア」を見つけるために、世の中のすべての常識(教科書に書かれていることも)を疑ってかかる。これをやると疲れまくるのではと思いました。

「嘘か本当か知らんが、とりあえずそういうことにしてやろかという態度で生きていくしかありません。」

わが投資術 P22

だよね~。このバイアスを利用して儲けるのがヘッジファンドのやり方だそうです。確かに疲れ切るわ。
 私はこの年になって初めて「歴史は勝者によって作られる」という意味に気づきました。維新は明治政府に、第二次大戦後はGHQに脚色されているのは当たり前だよね。ばかだよね。
 本書の根幹部分として書かれている3章の「割安小型成長株投資」は、だれも成長すると思ってないという意味で、少数意見であり、損をする可能性が低いということです。

そういえば多数意見かも

 最近、「米国株の超長期積み立て投資でほっときゃいい」は(みんながやっているからやってみた)=多数意見ではないかと最近怪しんでます。図1は過去野村證券が矢印➡で買わせて売買手数料稼ぎしていたときの説明図ですが、米国株は矢印➡の時点の感触がします。しかも、極端なドル高、円安です。日本円で見たらさらにピークが尖っています。
 まだ1~2年上昇し続けてめっちゃ喜んだとして、その後暴落したらショックでかいと思います。それでもITバブルの時はバブルの頂点を今の株価は軽く超えているので、同じであれば、超長期に持ってれば報われる可能性もあります。
 しかし、「定年退職後の投資で5年ー10年のスパンで考えている人は米国株インデックスの積み立て投資」をやってはいけないと思います。

図1 わが投資術 P58 損する個人投資家より

米国株の超長期積み立て投資の前提条件は、以下の通りだと思います。

  1.  米株は100年間上下動はあるが右肩上がりであり、先進国で唯一高成長を達成している国である

  2.  米国は覇権国であり、米ドルは基軸通貨である

  3.  ビックテックの成長は留まるところを知らない

  4.  超長期で見るとドル円の影響は緩和される

 レイ・ダリオの地政学的見解から考えると(記事:新NISAの検討参照)
1-4の項目はかなり怪しくなっています。3項だけは違うと思うかもしれませんが、中国はビックテック製品を締め出してます。覇権国としてのパワーがビックテック企業を後押ししていると思います。

大損を回避するには

 米国株インデックスの一本足打法はやらないほうがいいと思います。オルカンと金の50:50のポートフォリオにするとかみんなと同時期に始めないとか、回避策はいろいろあると思います。
 けだし、大損を回避するための基本は、

投資の第一歩は「常識を疑う」こと
「これってホントなの? みんなそうだと言っているけど怪しいなあ」

わが投資術 P22

じゃないでしょうか。

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