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大学生時代の自分に”今”を見せたい

 きゅうり君は、俗にいうFランクと言われる大学出身である。もちろん小学校・中学校不登校経験者で、自分なりに過去の自分に戻りたくなくて、高校大学ともに皆勤賞を取れたことはきゅうり君の唯一の自慢だ。人間関係も自由に選択できたし、友人やゲイ友に、高校大学で頑張ったことはと聞かれた時自信をもって、「過去の自分に決別するために皆勤賞を取った・少しでも興味のある事は挑戦した・恋愛」この3つを挙げるだろう。とても面接などのフォーマルな場所では話せないが(笑)
 22歳、きゅうり君は就職活動を何とか終えた。婦人服アパレルのお店の総合職として内定を貰っていた。(まぁその会社も半年で退職するのだが)
大学の卒業も、後は担当教授と共に卒業論文を遂行することがメインで卒業単位も足りている。内定も何とか貰えた。となると、後は「めざせお婿」への相手探しということで、ゲイ向けの恋活パーティに行ってみることをするのである。当時22歳。

右も左もわからない恋活市場

 きゅうり君は、高校大学ともにそれなりに恋愛をしてきた方だと思う。もちろん男運が良いかと言われると、今このようなnoteを書いている訳なので、良い訳ではない。
 今までの恋愛はアプリや掲示板を使って、連絡を取り合って仲良くなったら出会ってという、1体1の出会いであった。しかし恋活パーティとなれば、当然ながら、きゅうり君も含めて約20人ほどいる場所である。自己紹介シートやマッチングシートなど色々書き素敵な恋人を探すのである。
 恋活パーティ自体は楽しものであった。22歳のきゅうり君は最年少であった為、黙っていても声をかけてくれる人がいたし、主催者の方もきゅうり君に声をかけて来てくれた。もちろん後に社会人となり、アパレルのお店で働くようになってから、主催者は最年少のきゅうり君が恋活パーティで笑顔でいることで、事実上のサクラとなり、おじ様たちが飽きないようにするために声をかけて来てくれたのだと痛感するが、当時のきゅうり君は居心地の悪さは感じたものの、「恋活・目指せお婿余裕かもー」と思うのである

セカンド候補生になる

 その日の恋活パーティでは、22歳きゅうり君と、社会人1年目の方が、若い分類に所属していたと思う。それ以外は20代後半から40代。ふけ専のきゅうり君からは物足りないが、ある意味選びたい放題であった。就職活動ように整えた短めの髪も、少し挙動不審なHSP傾向のあるきゅうり君をかわいいと言ってくれるおじさんもいた。
 その恋活パーティでは、マッチング発表の前に、アプローチシートという(自分の個別の自己紹介や、メールアドレスを書ける紙)を係りの人を通し、事前に渡すことが出来た。きゅうり君はどうしていいかわからず、渡すことはなかったが、数枚頂くことはできた。きゅうり君にアプローチしてきた人「院卒先生」と「達筆さん」。
 アプローチシートの配布が終わった後に、フリータイムが再度あり、マッチングシートの記入という流れであった。きゅうり君はマッチングシートに見た目タイプで大学院卒の英語の先生の名前を書いた。第5希望までかける欄があったが乙女なきゅうり君。運命の人は一人と「院卒先生」のみ記入する。マッチングできるという妙な自信があった当時の自分を殴りたい気持ちはもちろんあるが、院卒先生とマッチングしたのは社会人1年目の方。そのパーティーではきゅうり君は収穫なく終わってしまったのである。
 しかし諦め悪さと妄想力、そして「院卒先生」の連絡先は知っているきゅうり君。ダメもとで院卒先生にメールをするのである。嬉しいことに会ってくれデートもしてくれた。当時のきゅうり君は、恋活パーティから2週間たっていたし、「もしかしたら破局になっている可能性もあるな」と都合よく解釈した。
 院卒先生曰く「俺はもしも同性婚が認められていたらしたいと考えている」と素敵な言葉を残して。幾度かデートをしていく中でふっと頭をよぎった人物がいる。顔も覚えてもいないが、院卒先生はとマッチングした社会人1年目の方である。その方の事を聞いてみたきゅうり君。もしかすると2股をかけられているかも知れないし、相手にも迷惑をかけていた事になる。院卒先生からの返事は意外なものであった。

セカンド候補生にも、なれなかったきゅうり君

 院卒先生と社会人1年目の方の方はお付き合いはしていないそうだが、まだ連絡を取り合ったり、デートはしていたそうである。院卒先生曰く「学生さん違って、社会人は大人だから付き合うなら自分を持っている若い子がいい」との事。きゅうり君は「では自分は何のためにデートをしていたのだろうか」と考えた。確かに「つきあおう」とか言われた事も無いのに体の関係を持ってしまった自分にも非がある。しかしながら、冷静に考えたら、ラブホテルの料金を1円単位で割り勘で、千円札が足りないときは舌打ちをされて、100円多く払ってもらった時などドヤ顔をする40歳男性は元々相手にしない方が良かったのである。
 ここからは想像であるが、院卒先生と社会1年目の方が付き合うという次のステップに進んでいなかったのには、そのような事を社会人1年目の方にもしていたのではないだろうか。
 きゅうり君は院卒先生のセカンドになっていないかの心配をしていたが、そもそもセカンド候補生にもなれていなかった事に気が付く。
 後にタンポポ君には、「ラブホテル割り勘で舌打ちの段階でないわー、年下だから払って貰えて当たり前のはダメだけど、100円でドヤ顔をする四十路ってどうなのよ」どばっさり切られるのである。

スペックで選んでいた自分を殴りたいbyきゅうり君

 「院卒先生」との恋人ごっこに別れを告げたきゅうり君。きゅうり君の手元には「達筆さん」からいただいた連絡先があった。非常に失礼な話ではあるが、第二希望の「達筆さん」に連絡をしてみるのである。メールは宛先不明で返ってきた。
 なぜ、達筆さんというあだ名を付けさせていただいたかというと、彼の字は、恋活パーティで配布されていた同じボールペンを使ったとは思えないほど筆圧は強く、達筆過ぎてアドレスが読めないという問題があったのだ。
 そして、恋活パーティに慣れていないきゅうり君は、自分が相手の事をタイプであるかに重点を置き、相手が自分をタイプと思っているかに重点を置いていなかった。
 そして、何よりも迷った時の「年収」「学歴」で判断してしまったのである。「院卒先生」大学院卒、英語の先生、見た目タイプ、年収800万円の公務員(きゅうり君が院卒先生の事がタイプ)。「達筆さん」30代後半実年齢よりも老けて見える。高校卒、横浜の工場勤務、年収400万円、見た目は普通のおじさん(達筆さんがきゅうり君の事がタイプ)。スペックで選ぶよりも、しっかりと自分の事を好きでいてくれる人を選ぶことの重要さを痛感した。タラレバ話になってしまうが、もし「達筆さん」を選んでいたら、どうなっていたのか気になるところである。
 実を言うと「達筆さん」とは一度だけ横浜駅で見かけたことがある。あんだけ大きな駅で会える偶然など、なかなか無い中見かけられたのだから、今だったら声をかけれるが、当時は「院卒先生」とデートに向かう途中だったので、見て見ぬふりをした。そういう所できゅうり君はチャンスを捨てているのかもしてない。

大学4年生、大学生ブランドの終わりかけと理解する

 男子大学生というだけで、年下好きのおじさまは食らいついて来てくれた。同じ大学生でも、1,2年生と4年生では価値というものが違うのである。もちろんその人を愛していれば、いくつになっても恋は続くと思うのだが、若い彼が好きな人や若い子をブランド品のバックのように見せびらかす人にとっては、新作と旧作ほど価値の違いがあるのだと感じた。きゅうり君はレンタルビデオ店に行っても、見たい映画が新作なら、もう少し待てば安く借りれるから旧作を選ぶ性格であった。DVDのようにおじさまに旧作扱いをされて初めて、若い中にも学生と社会人のランクがあり、学生の中にも、未成年と成人組、などのランクがある事に気が付いた。

noteでは僕「きゅうり君」の17歳からの27歳までの恋愛と、
27歳から29歳までのリアルな恋愛は諦めて腐男子として生きている等身大の自分を日記を公開しようと思っております

ゲイ・お見合い・HSP・ダブルワークなど社会的に見た時にマイノリティーな自分ですが、自分の日記を公開するイメージでnoteを書いております。 寂しい事や不安な事があっても、noteで誰かの心が笑ってくれると嬉しいです(*´ω`*)