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自分の子ども何人いるか覚えていない

娘が2回目のケーキを持ってきた。この日は孫の21歳の誕生日。「ケーキ代くらい払おうか」「そんなに貧乏ではありません」。今月はまだ誕生日がある。「また持ってきますから」と言った。

妻は2年前の3月、孫の高校の卒業式当日に亡くなった。もう21歳か、早いものだ。今年3月の3回忌以来顔を見ていない。「暇を持て余している。たまには遊びにくるように」と娘に伝える。

夕方、田舎の友人から電話があった。「〇〇君が行方不明」という。彼は3度も4度も結婚し、姓が変わったりしている。8年前会ったとき「子どもが何人いるか覚えていない」とうそぶいた。

孫やひ孫のことならともかく、自分の子どもが何人かという話である。にわかには信じがたいがこの調子では誕生日どころではない。彼の発言を聞いていた5、6人の同級生もあきれ顔だった。

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