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私と息子で建てたお墓ここですと笑顔

お墓参りは二人以上で行くのが望ましい。作法、マナー紹介本にそう書いてあった。ほとんど一人で行っている。連れがいないときはどうすると聞きたいが、この手のものは参考程度でいい。

この日、一人で来ていた女性を見かけた。手桶に水を汲み墓地内を歩き、立ち止まってはメモを見る。そしてまた歩き始めた。お目当てのお墓が見つからない。近くの人に聞けばいいのにね。

暑い中、1街区から3街区に行き、2街区で再びメモを見た。もう40分は経っている。可哀そうになり声をかけた。「お墓見つかりましたか?」と言いメモを見る。2街区で間違いなかった。

あとは列と番を調べるだけ。お墓はすぐ分かった。「ここで間違いないですか」と確認する。女性は「私と息子で建てたお墓。ここです。芝生も刈っており気持ちいいですね」と汗を拭った。

女性はいまだに「第〇区〇街区〇列〇番」というメモを持ち歩いていた。覚えているのは「第〇区」だけ。あまりお墓参りしていないのか。「熱中症に気を付けてください」と言って別れた。

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