神仏習合の痕跡が残る『木(気)の神を祀る』稲佐神社 【国史見在社】佐賀県杵島郡白石町の神社

稲佐神社(いなさじんじゃ)

創祀年代は不詳ですが、
『日本三代實録』に記された国史見在社に充てられている
杵島郡の東部・白石諸郷の総鎮守です。

社伝によると天地開闢の頃に五十猛命を祀ったといわれています。

推古天皇の御代、百済の阿佐太子が来朝し、
この地に留まり居を定め、父聖明王並びに同妃の廟を建て、
稲佐の神とともに尊崇されました。
阿佐太子が亡くなった後は、里人が太子の霊も合祀したといいます。

また一説に、推古天皇15年聖徳太子の命により、
大連秦河勝(はたのかわかつ)は当国を巡察し、田畑を開拓すること、
十萬、大いに稲佐神社を尊崇されたといいます。

また聖徳太子は聖明王の佛教伝来の功を追誉され、
河勝に命じて同父子の霊を稲佐神社に合祀され、
大明神の尊号を授けられたとも伝わります。

御祭神
天神(あまつかみ)
女神(めがみ)
五十猛命(いたけるのかみ)

配祀神
大屋津姫命(おほやつひめのかみ)
聖明王(せいめいおう)
聖明王后(せいめいおうごう)
阿佐太子(あさたいし)
を合祀しています。

平安時代に入り、空海により稲佐泰平寺が開かれ、
その鎮守神として稲佐大明神が位置づけられ、
真言寺十六坊と呼ばれる一大霊所となりました。

現在では、稲佐神社と十六坊のうち、
座主坊・観音院・玉泉坊の三つを残す以外は
なくなってしまいました。

旧社格は県社。

ご利益
家内安全、安産、縁結び、病気平癒
災難除け、厄除け、航海安全、建築工事安全など

鎮座地
佐賀県杵島郡白石町辺田2925

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?