2023年度下期・電験3種[理論]問1  平行平板コンデンサ

電験1種とってからしばらくたってしまいましたが、解きたいように電験3種の問題を解いて記憶の復活に努めます。

問題
解答群

さて、試験の最初からコンデンサで、定性的な問題でちょっとめんどくさいな、なんてことを思いながら取り掛かります。

直流電圧$${V}$$が加えられているコンデンサなので、コンデンサに蓄えられる電荷$${Q}$$は$${Q=CV}$$ですね。
$${C}$$の式はなんとなく忘れてしまうので、ガウスの法則から導いています。

$$
\oint \boldsymbol{E}\cdot \textrm{d}\boldsymbol{S}=\frac{1}{\epsilon} \int qdV 
$$

定義としては電束密度$${\boldsymbol{D}}$$が出てくるみたいですが、私が使ってきた中だとほぼ$${\boldsymbol{D} = \epsilon \boldsymbol{E}}$$でしか使わなかったので、電界$${\boldsymbol{E}}$$で記憶しています。

記憶というと暗記っぽくなりますが、これもある種の保存則と見てます。
発生している電気力線の量を決めるのは何なのか、、、ということをイメージすると、自ずと式の形が見えてくるのかな。。。

端効果無視なので、コンデンサ平板面積を$${S}$$、極板間距離を$${d}$$と置けば、ガウスの法則から$${①ES=Q/\epsilon}$$が導かれます。

コンデンサ内部の電界は一様であるから、極板間の電位差$${V}$$と電界$${E}$$の関係は、極板間距離$${d}$$を用いて$${②V=Ed}$$となりますね
($${|V|=\int \boldsymbol{E} \cdot d\boldsymbol{l}}$$より)

式①②から$${V=\frac{Qd}{\epsilon S}}$$となるため、$${Q=CV}$$に突っ込んで$${C}$$について整理すれば、$${C=Q/V=\epsilon \frac{S}{d}}$$となります。

ということで、c.は正ですね。静電容量は誘電率依存です。
(まぁそりゃあ、コンデンサ容量稼ぐために絶縁体で満たして、、、とかやってるんだし誘電率依存ですよね)
途中、$${V=Ed}$$および$${E=\frac{Q}{\epsilon S}}$$が出てきましたが、なんだか$${E}$$の式だけ見ると$${E}$$は誘電率依存だ!って思いたくなるけど、間違いです。$${V}$$が$${Const.}$$で与えられているため、$${E=V/d=Const.}$$です。また、$${Q=CV=\epsilon \frac{S}{d} V}$$を$${E}$$に代入すれば、$${\epsilon}$$等々が消えて$${E=V/d}$$となります。よって、a.およびb.は誤りです。

静電エネルギーの式は$${\frac{1}{2}CV^2=\frac{Q}{2C}=\frac{1}{2}QV}$$であるが、$${V=Const.}$$から$${\frac{1}{2}CV^2}$$を見ると、$${C}$$は$${\epsilon}$$依存のためd.は正
最後に、$${Q=CV}$$のため、$${Q}$$は$${C}$$、すなわち$${\epsilon}$$に依存するため、e.は正

よって、選ぶべき選択肢は(1)

問題を適当に解いているだけなので、添字:例えば誘電率などがおかしくなっているのは悪しからず。。。

出展:令和5年度下期 第三種電気主任技術者試験理論科目

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