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4月3日欲望の焼肉カラオケの土曜日

4月3日土曜日も濃くて楽しかったので、日記を書く。今日は4月7日。先日日曜日の日記を、本当に自由に書いた!これまでわたしがいかに多くのものにこだわって、というより正確には、縛られていたの方がしっくりくるが、それがよくわかった。日記はその日に書かなくてもいい。日を遡ってもいい。正しくなくてもいい。面白くなくてもいい。いい人じゃなくてもいい。続けなくてもいい。届けようとしなくてもいい。どんどん壊れていこうと思う。少しずつ自分を自由に動かせるようにしていこう。土曜日、目覚めると8時か9時あたり。こっちに来てから、ますます良く眠れる。幸せなことだ。桂思郎の怒涛の会社勤務開始1週間にようやく一旦のキリだ。朝ごはんを準備して、さあ大切な休日の過ごし方から話そう。とそこに通りがかるマサミさん。マサミさんとはシェアハウスのメンバーの毎食ごはんを作ってくれる方で、内見時から「息をするように料理する」と説明付けられていた、すこぶるパワフルなおばあさん。おばあさんとこんなところで一方的に言うのは忍びないが、実際に孫がいらっしゃるからという客観的な意味でなのだ。そのマサミさんが今日はごはんを家で食べるのかときく。おっと、まさにいま自由帳のような休日の予定を決めようとしていたのだ、少々お待ちを、といってもそうはいかない。その日1日家で食事をとる人のぶんの食材を買出しに行くマサミさんの足は誰にも止められない。じゃあ食べたいです!と、こんな場面では決まって平和主義の桂思郎に対し、少々の犠牲を伴っても休日の自由を手に入れたいわたしが揉めるが、その前に食事の有無について白黒つけてほしいマサミさんの声に圧倒され、勢いでごはんを断念してしまった。あれ、違う、これは日曜日の話か。土曜日の朝はうまく思い出せないぞ。10時からYeLLの予定が入ってた。本来30分という時間設定があるが、30分で終わった試しはなく、とうとう2時間になる。楽しいし学びになるが、やはり電磁波がすごく気になる。ヘトヘト。終わった時点でもう昼だ。2階のワーキングスペースで大声でやっていたので、終わった瞬間桂思郎が様子見に上がってくる。吹き抜けというか、古民家の便利なところ。ありがたいことに用意してもらっているお昼ごはんをみんなで食べる。いつの間にかわからないが、今日はごはんは家で食べるかどうするかマサミさんに聞かれ、食べます!と元気に桂思郎は応えたそうで、それがのちのちにいろんなことにつながっていくこととなる。ともあれお昼ごはんを食べ少しゆっくりする中で、今日は鎌倉をぶらぶらぶしようということになる。新しい土地を知ることは大事だ。金曜日には、すぐ近所に見つけた大仏さんのもとにひとりでふらっと立ち寄った。電動自転車含めこのシェアハウスはシェア自転車が3台あるので、それで今日はふたりで街を廻ろう。訳あって4月半ばまでの仮住まいとなっている居間から見える庭の景色は、電気屋さんに立ち並ぶ大型テレビの液晶ディスプレイのように、青々とした景色に桜が一瞬一瞬舞い続けているのだ。あはれ。嗚呼今年もそんなに早く行ってしまうのか。諸行無常を思い知らずにはいられず、われわれは春の鎌倉を一刻も早く目に焼き付けなきゃいけない。そうと決まればひとまず家から出よう。少々初動は遅かったが、電動自転車用の充電済みバッテリーと鍵を持ってきたのはわたしだ。さあ、自転車に乗ろう。3台の自転車は、駐車場の隅に、奥から電動自転車(敏子号)と手前のふたつは普通の自転車という感じで置かれている。普通の自転車は錆びてもはや鍵が取れない。わたしは持ってきた電動自転車のバッテリーと鍵を持ち出し電動自転車に手を伸ばす。とそこで桂思郎が電動自転車に乗りたいと言い出し、10分ほど本気で揉める。ようやく桂思郎が諦める。ここは粘った方がかわいいと思ったための行動なのだというよくわからない思考回路を桂思郎が打ち明けながら、ようやく家から出発する。まったく、行動と思考の結びつきは人によって本当にさまざまなのだと思い知らされ、伝え合うことの大切さを学ぶ日々である。早速鎌倉の大仏さんに到着、と思ったらやっぱりそのすぐ先の長谷寺へ。観光客らしき人々としらすのお店がやけにたくさんの観光地だ。長谷寺は全然知らないけど行ってみる。自転車を置いてGO。とその前に、夕方からのオンラインの予定で座れるカフェも探しつつ、たくさんあるから大丈夫、安心。そしてなぜか街ブラ開始早々15時くらいになっているので、夜ごはんを外食にしてゆっくり家に帰るプランに変更しようという話になる。メッセンジャーでマサミさんに連絡する桂思郎。ともあれ長谷寺に入ると、植物たくさんのきれいな庭だ。ふむふむこれは広大だ、夕方の約束に間に合うかなと、少々早歩き。階段を上り、見晴らしの良い場所に来たところで、桂思郎が顔色を変えている。下準備したのに、変更を伝えるのが遅いぞという旨の連絡。あはれ、せっかく朝確認したのにと怒られる桂思郎。ものすごく丁重に返信している。横に座るわたし。桂思郎は何回も音読を繰り返しながら短文を作成していく。丁重すぎる。スマホに向かって頭を下げ始めないかと心配になるくらいだ。長谷寺の美しい庭の隅、10分くらい静かにスマホに向き合い座り込む桂思郎。連絡を任せている身であれだが、長谷寺を楽しみつくしていない現状になんだかムカついてきて、桂思郎に怒る。微妙な空気のまま、2人静かにきれいな庭を回る。長谷寺を出ると、急いで夕方の予定のためにチェックしていたカフェへ。と思ったらもう閉まるらしい。5時までなのに、なぜか30分早く締めるという。よくわからないが、自由なのはいい。ということで、周辺のほかのカフェへ。1つは閉まっていたし、思ったより全然なかった。なぜだ。タイムオーバー、予定の時間が来て、もうその辺の道端で電話を始める。YeLLの話し役。とても安らぐ。相手の声が自分の声のように感じられてくる。これが自分も目指したいものだと感じたりする。話している中で勝手に、自分の中のアナライザーが顔を出してきた。おお!そこにずっといたのか。そうかそうか。苦しかったようだな。君は自分の心に実に忠実なんだな。ほとんど何に関しても、それっぽいを許さない。プロモーターの陰に隠れていて、ちゃんと存在を認識してなかったよ。プロモーターが話したいこと、書き残したいこと、形にしたいことを全部ちゃんと整理しようとしてた。君が安心して君らしく、いきいきとそこにいてくれるために、わたしにはどんな工夫ができるのかしら。どんな制度を。どんな福利厚生を。そんな感覚になって、時間が終わった。静かな駐車場の隅に移動して電話していたわたしは、電話を切ると桂思郎のもとに戻る。何を食べるか。肉が食べたいという桂思郎。先ほど怒られた心の負荷を食で埋めようとしているのではないかという疑問をぼんやりと浮かべつつ、たしかに、古民家のあのつつましい食卓に肉を見つけたとき「肉だ!」と叫んでしまい、マサミさんに笑われるわたしたちには、少々豪快な肉補給が必要なのかもしれないとも思う。みんなで食べるごはん。玄米を始め、保存料、人工着色料などもってのほかのマジで身体にいい感じの食材から作られるおいしいごはん。身体は間違いなく喜んでいる。しかし肉が食べたい。一方では動物さんたちの大切な命を簡単に奪ってしまう行為に対しChange Actionのときであるような気もしていつつ、まだよくわからないのだ。ええい、ネットで見つけた2000円食べ放題の焼肉屋さんに、自転車を走り出した。お店は大船。家周辺で、安いお店が多いと評判のエリアだ。夕方の街はよくわからない懐かしさと若々しさを醸し出していた。調べていた焼肉屋さんに到着。そのブロックだけで、みっつほど焼肉屋さんが連立しているよくわからない通りだったが、2000円で食べ放題なのはここだけだったし、セールで生ビールが160円で飲めるのもここだけだった。いざお店に入る。これは全然おいしくない。食べているときにそういうことを言うのは、おいしく食べている人を嫌な気持ちにさせてしまうかもしれないので、普段は言わないが、なぜか確信をもってこれは言ってもいいレベルだなと思った。第六感で通じ合ったのかもしれない。「これはおいしくないね!」思いのほか元気に出てきた。自分で言って、清々しささえ覚えた。桂思郎も「すごいなぁ」とか感心していた気がする。早々に隣の焼肉屋さんにはしごするかも検討したが、どうにか食べている中でおなかは膨れて来たので、お店を出て、得体の知れぬ満たされない欲望を埋めるため、わかりやすく目に入ったカラオケに入る。学生証の提示が安い。その場で桂思郎は財布に入っていた学生証を出した。わたしは学生証が出てこず、余っていたコピーカードを出してそれっぽいことを言う。学生料金で1時間。成功。ドリンクバーで梅昆布茶を入れ、さっそく部屋へ。しばらく桂思郎の選曲の癖の強さや大胆な振りに圧倒されながら、いつぶりかわからないカラオケの仕様を思い出す。桂思郎はしかし、本当に大胆に空間を使うのだ。LDSのフォーラムのときだって、ひとりステージの後ろから現れるし、ホワイトボードやらスライドやらでステージを縦横無尽していた。カラオケでも、前にいたと思ったら後ろにいるし、よくわからない振りを常にしている。カラオケを出て、さすがにもう帰ろう。22時過ぎだったと思うが、ガヤガヤした繁華街は、一気に静かになっていた。ヤンキーだけど早く寝るやつみたいな町だねとか言いながら自転車に乗って帰る。

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