見出し画像

踊れないことが辛い自分だったから、yurinasiaがまぶしくて、嬉しくて。

Youtube でたまたまおすすめに出てきた、このダンス動画。

この動画が、「踊れないこと」がずっとコンプレックスだった自分の魂を癒してくれた。



自分の身体をうまく扱えない、という不完全さ

ずっと、うまく踊れないことがいやだった。

ふだんはその不器用さに直面することはないけれど、今でも、高校の文化祭の時のダンス練習を覚えている。

クラス全員が、ひとつのダンスを踊る。決して高度なものが求められているわけではないはずなのに、僕はそれすらも上手にこなせなかった。

実際は、クラス単体ではなく、兄弟関係にあたる上下の学年のクラスと合同で踊るものだった。だから、あまりに下手くそな自分を、放課後にダンス部の先輩が指導してくれた。

先輩は優しく、根気強く教えてくれるのだけど、それだけに踊れないままの自分がみじめだった。「右手を挙げたら、左はこうして」という一連の流れが、僕には魔法に見えてしょうがない。


別に、踊り以外にも、僕にはできないことがたくさんある。プログラミングでも覚えてみるか、と手を出してみて挫折したことは数知れず、絵心だってない。

でも、「踊れない」のはそうしたスキルの話ではなく、もっと根本の「自分は自分の身体をうまく扱えない」ということに直面させられるもので、とても悲しかった。

それは、極端な物言いをすれば、「自分は不完全な人間だ」という意識にまで及んだ。(今は、そこまでネガティブな思考は払拭されているけれど)


ダンスフロアは脳内に

なぜかはわからないけれど、スポーツ自体はそこまで苦手ではなかった。でも、アメトークで時々特集される「運動神経悪い芸人」を見ると、たしかに笑ってしまう自分もいるのだけど、同時に「あなたもなんですね」と思う自分がいる。

うまく走れない、うまく跳べない、うまく投げられない。
自分の意思に反して、その身体をコントロールできていない姿は、他人事じゃなかった。

そのコンプレックスというか、負い目から、クラブにだって行ったことがない。(どれだけの人が行ったことがあるのかは、知らないけれど)

でも、クラブミュージック自体は好きなので、一度も訪れたことのないフロアの様子を想像しながら、パソコンから流れる音楽にひっそりと体を揺らしている。


そのまま30年近くの月日が経ち、たまたま出会った冒頭の動画。目が離せず、そのままほかの動画もクリックする自分がいた。

理由のひとつは、BGMに使われている曲が、バチコン!と自分の好みにハマったのもあるんだろう。



思い出野郎Aチーム、cero、鈴木真海子、さとうもか、んoon……

はい、はい、いいですよねー!と首を縦にブンブンと振ってしまった。


となりで踊ってくれる yurinasia

jABBKLAB というダンススクールがあり、その生徒さんと、yurinasia さんというインストラクターの方によって収録されている動画のようだ。

これまでも、ダンス動画を「あこがれのまなざし」で見ることはよくあった。この yurinasia のダンスにもその「あこがれのまなざし」はそそがれているのだけど、それだけじゃない。

なんというか、もうちょっとこう、「こっちがわにいる」と思ってしまった。

踊っている場所なのか、踊り手の雰囲気なのか、その理由はまだうまく掴めていないけれど、その実感を覚えてしまったのはたしかで。

yurinasia は、見上げた遠い遠いステージの上ではなく、自分のとなりで踊ってくれているような、そんな近さを感じ取った。それは、ダンスのクオリティが高くない、という意味じゃない。(だって、僕からしたら動画に登場するみなさん全員が魔法使いです)


勝手に覚えた親近感を加速させる、こんなコメントも見つけてしまって。


スクリーンショット 2020-06-12 20.13.08


近所に住んでんだけど公民館なんだよなー、、超田舎の。多分買い物とか知り合いも被ってる。嬉しい。こんな田舎で。博多まで最寄駅から電車で1時間強、小倉まで45分。車があればリサイクルショップはいっぱいあるよ。
頑張ってください〜


僕は、東京で働いたのち、今は長野県上田市で暮らしている。このダンススクールがどういった土地にあるのか、イメージするしかないけれど、東京にいた頃よりもより鮮明に想像できる(気がする)。

山々に囲まれ、美しい自然がすぐそこにある上田を、「田舎だー」と卑下する気持ちは自分には全くないけれど、同じように田舎だと言われているその場所から、これだけの作品が生み出されていることは僕の心をより一層ぎゅっと掴んだ。



踊るのって、楽しいことなんだ!

きっと、ダンス経験者にとっては当たり前すぎるであろうその事実を、今さら僕はじんわり噛み締めている。

もしかすると、僕も、踊ったっていいのかも知れない。

パソコン画面に向き合ってダンスを空想する。
自分の姿はこれまでと一見変わらないけれど、体が火照っていくのを感じる。

yurinasia さん、ありがとう。
カッコよくて、嬉しくて、大好きです!



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?