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『首都高レポート』首都高大改造の行方Vol.1


「首都高名物・宝町クランク」より

東京駅八重洲口を出て、八重洲通りを佃方面へと進む。東京駅から千葉や茨城へ向うバスは通りを第一京浜、昭和通りと過ぎてすぐの「宝町」入口から首都高へ乗る。

宝町入口
(東京都中央区 2024年7月13日撮影)

河川を削って道路になった都心環状線(以下、C1)東側の謂わば北端で、神田川上に建設された江戸橋・箱崎JCTへ一気に高度を上げる登り勾配の中に宝町ランプがある
通常時の渋滞情報は「三郷JCTまで25分」。京葉道路方面へも行けるため、東京駅から一番アクセス性の良い高速の玄関口になる。

だが、大きな悩みは渋滞。
分岐先にある箱崎JCTやその先の両国JCTの渋滞が、長い時は江戸橋JCTを越えて池袋線は飯田橋、C1は芝浦JCTまで延びるのだ。

サンシャイン60駐車場は東池袋入口直結
(東京都豊島区 2024年3月30日撮影)
通常時は20分ほど
(東京都豊島区 2024年3月30日撮影)

八重洲口=首都高の真上

八重洲口から宝町方面を眺める
(東京都中央区 2024年7月13日撮影)

都心環状線も中央環状線や外環道と同じく、外環状線なのだ。圏央道のC4から都心へ近付いていくと、C3→C2→C1となる。
それを実感出来る場所がある。

東京駅八重洲口の玄関を出てすぐの「八重洲中央口前」交差点に立ち、東側を眺める
近いといっても信号に引っかかりながら徒歩5分以上はかかるが、眺めている視線の先には宝町入口がある。

宝町入口前のオブジェ
(東京都中央区 2024年7月13日撮影)

都心環状線の内側の路線=八重洲線

東京の中心からそんな近い場所に一本目の環状線があるわけだが、実は八重洲口前の外堀通りの下に首都高が延びているのだ。

ヤエチカの駐車場は首都高直結
東駐車場は湾岸線方面
(東京都中央区 2024年6月24日撮影)
ヤエチカから西駐車場への階段
西駐車場は池袋線方面
(東京都中央区 2024年6月24日撮影)

八重洲口地下に広がる「ヤエチカ」は、飲食店や販売店が入るショッピングストリート。
地上には殆ど顔を出さない短い地下路線は、ヤエチカ駐車場と一体の出入口がある事で有名になった。

東駐車場の首都高入口
「昭和島JCTまで20分」
(東京都中央区 2024年6月24日撮影)
西駐車場の首都高入口方向
「板橋JCTまで15分」
(東京都中央区 2024年3月3日撮影)
西駐車場の首都高入口
(東京都中央区 2024年3月3日撮影)

ナンバリングは「Y」。
湾岸線の「B」(Bay Shore Route)と同じく、英語表記の頭文字を冠している。首都高八重洲線は、C1神田橋JCTと汐留JCTを結ぶ2kmに満たない短い路線

神田橋JCT

実は、JR山手線内回りの左側車窓からは神田橋JCTへのランプが見える。外堀通りの地下を通り、神田川にぶつかった所で地上に出てC1と合流するが、そのJCTが結構曲者

竹橋JCT直前の為車線変更禁止となっているが、合流車線が短い上に交通量の多いS字カーブに突っ込んでいく構造。
首都高の中でも指折りの危険箇所で、路線を把握することと譲り合いの精神の両方が試される場所だ。

八重洲線南側は首都高とはつながらない

八重洲トンネル・新橋側出口
(東京都中央区 2024年3月3日撮影)
トンネル出口先には料金所がある
(東京都中央区 2024年3月3日撮影)

外堀通りを南に歩いていくと、八重洲線の短い地上部が顔を出している。金網に囲まれているが、「八重洲トンネル」と書かれた緑看板とカーブの注意喚起が見える。

汐留JCTの左分岐の看板には「Y」の文字があり、大型車と危険物積載車通行禁止の看板がある。しかし、芝浦PAにある注意書きには「危険物積載車両の通行禁止区間」として八重洲トンネルが挙がっているが、大型車についての表記はない。

芝浦PAの注意看板
大型車通行禁止は表記なし
(東京都港区 2024年7月27日撮影)

八重洲トンネル=八重洲線だし、首都高は大型車の規制を受ける区間は無いと言うことになる。
しかし、トンネル区間を終えた八重洲線を辿っていくと、料金所手前でもう一本の高架道路と交わっている。

西銀座入口に答えがあった

西銀座入口は外堀通りを左折
(東京都中央区 2024年3月3日撮影)

メイン通りから極力逸れたくないと言うのが、地元から離れた道を走るドライバーの気持ちである。況してや大都会・東京だ。
西銀座入口」は信号のない交差点を左折するように案内されていて、曲った先はメイン街道の盛況ぶりには劣るものの交通量は多い。

西銀座入口
(東京都中央区 2024年7月27日撮影)
“首都”高速道路ではなく“東京”高速道路
(東京都中央区 2024年7月27日撮影)

首都高の出入口とは違い、若干近寄り易さはあるが自動車専用道路の入口だ。恐る恐る「はいっちゃだめ」の境界線の手前にある「自動車道事業供用約款」を読んでみると、汐留JCTにある「大型車通行禁止」の答えが記されていた。

通行を禁止する車両=大型車

八重洲トンネルの先でつながっていたのは、首都高では無かったのだ。
   
                 つづく






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