アガサ・クリスティの『そして誰もいなくなった』を今読むと…
今古典を読むとどうなる!?
こんばんは。
カーボです。
今日はアガサ・クリスティの
『そして誰もいなくなった』を
久しぶりに読み返したので
感想です。
今これを改めて読み返すといったい
どういう感想になるのか!?
ちなみに読んだのはこちらのジュニア版です。
子どもに買ってあげたので自分も
ついでに読んでみました。
「デスゲーム」って言う帯の煽りが
今っぽいですね。
◯今読むとわかることわからないこと
たぶん、これを読んだのは中学生くらいの
時ですが、その当時読んでも「古いし外国だな」
と思ったことが今読むとさらに古い話なので
果たして子どもにはわかるだろうか
(わからんだろうな)と思いました。
具体的には退役軍人とか、
世界中に植民地を持っている国の人の
感覚とか普通に書かれても
現代の日本人ではイメージを
掴みにくいですよね。
南アフリカ共和国から来た人だから
素性を誤魔化せるとか、いかにも大英帝国
の発想だなと思いました。
(書かれたのは1940年代のイギリス)
それと典型的に書かれてる
狂信的キリスト教信者の独身女性の方ですね。
当時は全くピンと来なかったですが、
一つの人間の型として実に上手に
書けているなあと今なら思えます。
退役軍人、植民地育ち、狂信的信者…
ここら辺はアガサ・クリスティの推理小説の
便利な登場人物ですね。
改めてそこらへんの時代を
感じさせてくれました。
◯トリックは今読むと地味の部類
読んだ子どもに言わせると
「みんなが死ぬと煽っておいて、
本当に全員死ぬオチが弱い本」
という感想でしたw
今読むと確かに捻りが弱い感じは
しますが、古典の本当の凄さは
その当時読んだ人にしかわからない
のかもしれないですね。
登場人物もお約束的に間抜けな人が
多いし、けっこう運任せだった部分も
あるしでツッコミどころは割とありますね。
それでも今読んでも十分面白い
クオリティは流石だなと思いました。
・童謡のなぞらえ殺人
・一人一人本当に死んでいく
・絶海の孤島のシチュエーション
・不気味な主催者
などなど後世に残した大きすぎる影響を
思うと、改めてこの本は本当に凄いなと
思いました。
まさに天才のなせる所業では
ないでしょうか。
◯後世のためにも今読むべき
改めて読んでみて個人的に学びが
多い本でした。
登場人物がいずれもクセがあって
訳ありな感じがとても良かったです。
このちょうど良い人物配置って
なかなかできるものではないですね。
たとえ、推理小説のアイディアや
設計図を書ける人が
いてもここまでの肉付けをできる人は
稀代の天才ならではの筆致だなと思います。
後世のためにも今読んでおくべき
本かもしれません。
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