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仕事と育児の両立のコツ:家事の質を下げ、"マムスプレイニング"をやめよう

多くの女性が仕事と育児の両立を望みながら、それを諦めている。近年、その原因として指摘されるのが、自ら家事・育児のハードルを上げすぎてしまい、リソース配分が偏ってしまうことである。これについて、簡単にメモ書きをしていく。

家事・育児のハードルを上げない

私が女性の社会進出について書き始めて以降、多くの女性に話を伺う中で、仕事と育児の両立に成功している人の少なからずが、ある程度質が下がる覚悟で家事の省力化をしている、ということが挙げられる。省力化については、食事は中食を積極活用する、食洗器などを積極導入する、掃除の相当分はルンバに任せてしまうなどしているし、部屋が雑然として生活のクオリティが下がるのもやむを得ないということを(夫婦で)受け入れている方も少なくない。主婦・主夫がこれをやるとパートナーからやっかみを言われがちだが、共働きならやむを得ないものと納得されるだろう。

育児方面では、教育ママ化によって育児負担を自ら背負い込んでしまう傾向が見られる。育児は2歳時ころまではマンツーマンに近いものを求められ大変だが、小学校まで上がれば相当量を先生に任せることが可能になり、親の負担はかなり減るはずである。しかし、下手にお受験などに熱を上げるようになると、小学校入学以前~以降の教育負担が激増する。教育ママの罠を避けるには、子供についてはある程度子供本人を信じて任せるしかなかろうし、そうでないなら夫に家に入ってもらい「教育パパ」化してもらうしかない。

夫のやり方に任せよう

仕事と育児の両立には夫の家事・育児への参加も重要だが、ここで罠になるのは、「男は家事・育児の仕方をしらないはずだ」という偏見と、それに基づく過剰な夫への統制である。これは結果的に夫の家事・育児参加をdiscourageするため、共働き女性へは「家事・育児は分担を分けたら互いの分担に口出ししないか、担当側が主導することをルール化するべき」とアドバイスされることが多い。一昔前の主婦全盛期は姑が口出ししてくる嫌味な人物という扱われ方が多くされていたが、今は同じことを妻が夫にやるケースが増えてきているので、これは良くないということになってきているわけである。

女性の「男は家事・育児の仕方をしらないはずだ」という偏見は根強いようで、この項を書くきっかけも、シングルファザーとしてワンオペ育児をしてきた男性に「育児の何たるかも知らないくせにしたり顔で意見を言うな」と罵る女性を見てしまったから、というのがある。フェミニズム用語で「マンスプレイニング」という語があり、「男性が女性を無知と決めつけて説明したがる」という定義がされているが、こと家事育児に関しては「女性が男性を無知と決めつけて説明したがる」傾向があり、これは「マムスプレイニング」とでも呼ぶべきだろう。これはあてこすりではなく、これによって男性の育児参加を自ら妨害し、結果的に家事と育児の両立ができなくなって女性自らの社会進出を阻害してしまうので、名付けておくのはフェミニズム的にも悪くないように思う。

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