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自分の人生の一番の観客は自分自身

TYPE-MOONのノベルゲーム、『魔法使いの夜』に下記のようなセリフがある。

「生きていく上で一番の観客っていうのはね、他ならぬ自分自身なのよ。だから人生ってのは油断ならないんじゃない。」

このセリフは蒼崎青子という人物の芯を表す言葉であり、生き方を示すものだ。

まほよをプレイしたのもだいぶ前なので、どんなシチュエーションでのセリフだったかも曖昧なのだが、この言葉だけは妙に頭に残っていた。

もし「まほよ」をプレイしたのがマジの中二ぐらいだったら、影響されすぎて人生観変わりそうだし、youtubeに「アニメ・ゲームの名言集」とかいう動画作って勝手に挙げてたかもしれない。

だが今になって考えると、誰もが彼女のようには生きられないなと思う。

上のセリフは誰にどう思われようと、自分が誇れる自分であれ。誰に評価されなくても自分を貫け、という意味であるが、それは強い人間の考えだ。

殆どの人間は自分がどう思うかよりも周りがどう思うかを気にするし、他人に評価もされないことを進んでやろうとは思えない。

例えばあなたが少数派の嗜好を持っていたとしよう。世間では頭のおかしな趣味・嗜好として、それを叩くことがさぞ当然のように扱われている。そんな中であなたは「自分の好きなものを好きだと言って何がおかしいんだ!」と主張できるだろうか? ヘラヘラ愛想笑いを浮かべて同調するだけじゃないだろうか?

例えばあなたが仕事場のごみ捨てや給湯室の掃除を自主的にやっていたとしよう。最初は「自分が使う場所なんだからキレイにしたい」という理由だったとしても、その行為が誰にも見られず、評価もされなければイヤになるだろう。

人のあり方は常に他人ありきで成り立っている。

例え自分の中に譲れない信条や矜持があったとしても、仕事や規則、周りとの調和を考えて押し殺す。

なぜならそれが安全で安寧で楽だからだ。
自分の信条や矜持を捨てる辛さと、周りから疎外される恐怖。
2つを天秤にかけ、僕たちは前者を選ぶ。
自分の意見を押し通しても、大抵はいい結果にならないと経験的に知っているからだ。賢い選択といえる。

だが同時に、そんな選択をしてしまう自分に嫌気が差す。自分が自分に下す評価が段々低くなり、自分という存在が無価値に思える。

そんな中で“自分らしさ”を貫く青子のセリフは、どこまでも眩しく強い。
だからこそ、人間社会に生きる僕たちには鮮烈に映り、憧憬を抱くものになるのだろう。



※ほんとは当該シーンのスクショ撮りたかったんだけど、態々新しいPCにディスク読み込ませてインストールし、当該シーンまで進めるのが面倒くさかった。

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