合格祈願💮のお詣りはどこへ行く？

学業、受験などのご利益といえば、北野天満宮が有名だが、ここでは奈みこ的オススメを…。

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藤森神社の東殿に藤尾社があり、そこに舎人親王(とねりしんのう)が祀られている。
藤森神社が十二柱もあるのは、近辺の三つの神社をまとめたため、中央、東、西に各神社の祭神を置いたので多いのだが、この舎人親王は、日本書紀の編集をした学者ということで、日本最古の学者とも言われ、学業に霊験あらたか。
藤森神社の学業御守は、奈みこオススメ！

この藤尾社だが、もともとは稲荷の地にあり、それを藤森神社に遷座させたもので、これは稲荷山の麓に稲荷社を置くために移動させたとのこと。
これも諸説あり、稲荷の辺りは昔、藤尾という土地でそこに鎮座されていた藤尾社を、奈良〜平安時代に将軍が、または空海が稲荷社を山頂から麓に移設するために、藤尾社を遷座させたといういくつかの説がある。
この話、今は割愛する…。

藤尾社の名残として、稲荷にも祠がある。
表参道の大鳥居から楼門までの間、二の鳥居と手水舎手前辺りに三つの祠が並んでる一画。
わたしは必ず藤尾社に御詣りしてから稲荷社に向かう。
ここにお参りされる方はあまり多く見かけない。
混雑してることはまずない笑。
稲荷の勢力台頭前に、藤尾社という神社があったという土地への敬意みたいなものなのか…
歴史ロマン的な意味合いで慈しみたい、わたし個人の見解。

言われている歴史では、藤森神社は稲荷よりも三百年以上前からあるので(日本の神社の中でも指折りに古い神社)、藤森の地に稲荷山があり、やがて稲荷社を作り祀るようになった経緯の中で、藤森神社とのさまざまな関わりがあった、という事柄の中の一つが藤尾社なわけである。

さて、楼門から入って拝殿横に「東丸(あずままろ)神社」がある。

稲荷の境内からしか入れないが、稲荷とは別の神社。
ここの学業御守は、超オススメである。
ここは荷田春満(かだのあずままろ)という学者が祭神で、この方は、まぁひと言で言うと…超天才！
文学や語学、歴史分野ではあらゆる学問に精通していた天才学者で、偉大な国学者、歌人。
荷田家は稲荷の神職を世襲をしていた一族で、そこの生まれだが、彼は神職は継いでいない。
東丸神社横辺りに、生家が残されていて遺産になっている。

学問の神といえば、北野天満宮が一番有名だが、天満宮は菅原道真を祀った宮の総本宮。
受験といえば北野天満宮！という認識が世の中にはあると思うが、天満宮は全国に多数あり、いわゆる天神さんなので、近い天神さんに御詣りすることで菅原道真の御神徳は頂けるかと。

わたし個人としては、学問関係は、東丸神社が一番オススメで、藤森神社(舎人親王)の御守も次いでオススメする。

さきほどの藤尾社遷座の経緯は諸説ある、という話だが、空海が関わっている説だと、稲荷山に住む龍頭太という翁(山神)から、空海が稲荷山を譲り受けた(そのとき稲荷の藤尾社を藤森神社へ遷座させたという説)という話に出てくるこの翁が、荷田春満の祖先といわれている。

元はこの荷田が神職で、稲荷には神仏分離以前は、愛染寺という寺もあった。
簡潔に言うと、仏道としての稲荷を荷田氏が、神道としてを秦氏が担ったのだが、今、「稲荷は秦氏」という認知であるのは、神道を秦氏が担い、仏道としての稲荷は廃れてしまったからである。
神仏分離の際に、愛染寺は廃寺になった。
稲荷には伊奈利伝承(秦氏)と稲荷伝承(荷田氏)の二つがあり、それぞれ稲荷の発端の伝承も異なる。
伝承の確証はどちらも不明だが、どちらも実在した氏なので、事実と架空の危ういところで存在しあっている歴史ミステリーである…
(伝承については、それぞれネット検索で出てくる。)

稲荷境内には荷田氏の東丸神社があるし、稲荷山の中には、荷田を祀った荷田社もある。
鳥居の扁額に荷田社と書かれてあるので、稲荷詣りの際は、是非探してみてほしい。

荷田の祖神である龍頭太だが、名の通り、龍の頭をした翁であったとのことで(山神やし…)、こちらも稲荷の中に祀られている。
「大八嶋社」として、お産場池のほとりにある。
ここもあまり人がおらず、スルーされる場所だが、奈みこ的オススメスポット。
すごく氣の良い場所(わたしの主観)。
“禁足地”とされている一画で、それがまた萌えポイントなのだ。
荷田氏の伝承では、龍頭太に関わりのあるところとされているとのことである。

余談…。
東寺は稲荷山の木を使って建立されている。
時の天皇(淳和天皇)が病に伏したのは、当時造営に稲荷山の神木を使った祟りといわれ、鎮めるために稲荷大明神に位を授けたとされる(この時は五位くらいだったかと)。
そののち稲荷は正一位まで位が上がっていくのである。
これを機に、東寺と稲荷の関係が深まったとされている。
仏道的稲荷というのは、十一面観音などだが、江戸時代以降は、インドの荼枳尼天(空海が勧請したと言われている)を祀るようになり、神仏分離後も豊川稲荷が仏道稲荷で有名。
荼枳尼天は狐に跨った女神だが、祟ると恐ろしい面があるという…
これも興味があったらネット検索で簡単に調べられる。

そんなこんなで、神仏分離という無茶でバカなことをしたもんだと思うが、人が線引きできるような次元ではないはず…

こういう負の歴史によって、無意味な分かれ方をして、本来の姿が見失われてしまったことも多々あるのが寺社の歴史だが、どう感じるかが一番重要であり、わたしが話したこともただの一例に過ぎず、各々が感じるものがその全てである。
共感できる、できないがあってもいい。

ややマニアックな目線で話した内容もあるが、伏見稲荷の御詣りの際は、少しそんなアンテナも張りつつ巡ると面白いのではないかと…。