【元公立教員秘伝】面接官が不合格にするNG回答と軌道修正方法〈教員採用試験面接対策〉
<この記事を読むとわかること>
教員採用試験のリアルな面接対策と攻略法がわかります。
面接で避けるべきNG回答を知る
NGである理由を知る (面接官が何を思うかを判断基準を知る)
NG回答を軌道修正する方法やポイントがわかり、合格回答を知る
<筆者の紹介>
経歴
首都圏の公立学校で臨採1年→教採合格し約15年公務員教員
→現在は主婦8割・教採応援2割、子羊達の育児に邁進中特徴
公立学校時代はいわゆる中堅教員。管理職とざっくばらんに話せるポジションだったため学校内部事情にちょっと詳しい。教員採用試験の応援実績
20人以上の教育実習生や同僚講師の応援経験あり。
筆者が応援して2年以内で全員が合格(8割以上が一発合格)!
学校現場の裏側を知る元公務員教員、羊のメーと申します。
今の私ができることはリアルな教採対策情報をお伝えし、教員をめざす方を全力で応援すること。その一心で、2記事目を書きました。
教員採用試験の勉強、今日もお疲れ様です!応援させてくださいね。
それではさっそく本題へ。
1 面接官はこのNGワードを言う人を不合格にする
①児童生徒や保護者から好かれる教員になりたいです
面接官:あなたはどんな教員になりたいですか?
受験者:児童生徒や保護者から好かれる教員になりたいです
面接官:いい教師とはどんな人だと考えますか?
受験者:児童生徒や保護者から好かれる教師だと考えます。
「生徒や保護者に好かれる教員=めざすべき教員・よい教員」
という考え方は、決して間違ってはいませんが、
ちょっと危険な考え方です。
現場で多様なケース対応をしてきた面接官は、下記のように思います。
「あなたにとっての教育の軸は、好かれることなの?」
「もし児童生徒や保護者に嫌われたら…?もしよかれと行った指導にご意見やクレームがあったら…?あなたの心を保てる?」
「あなたは、好かれる方向に指導を変えてしまうの?」
もし面接官にこのように深堀りをされたら、根拠をもって答えを返すことができますか…?
迷わず答えられる場合は、大丈夫です。ぜひ信念を貫いてほしいなと思います。
但し、答えに詰まってしまう場合は、NG回答となります。
教員は様々な人と関わりがあります。
相手によかれと思ってしたことに対して、期待する反応が得られないことが現場ではあるものです。
一般社会でも同じですが、皆に好かれることはとても難しいです。
好かれることにベクトルを向けていると、万が一うまくいかない時に心に負担がかかります。
それに何よりも危険なのは、
好かれることにベクトルを向けると教員の在り方や発言にブレが生じやすくなり、結果的に児童生徒や保護者から信頼を得られなくなるということです。
(児童生徒や保護者は、ブレをよく見抜きます)
軌道修正の方法は、次章で一緒に考えてみましょう。
②「誰にも言わないでほしい」と生徒から言われた秘密の相談は、信頼関係を壊さないよう一旦はここだけの話に留めて、説得し続けます
面接官:生徒から「先生にだけ話すけれど、親にも他の先生にも絶対に誰にも言わないでほしい」と、妊娠の可能性について相談を受けた場合、あなたはどう対応しますか?
受験者:打ち明けてくれた生徒との信頼関係を崩さないよう、一旦はここだけの話に留めて、保護者に正直に話をして病院へ行くよう説得し続けます。
生徒から秘密の相談を打ち明けられた場合のケース対応、定番の質問ですね。
どこがNG回答であるかを述べます。
「ここだけの話にする」というのは、「一旦(一時的)」であっても絶対にNGです。
早急な対応が必要なケースでは、児童生徒からどんなに懇願されたとしても、教員一人きりで情報を抱えてはいけません。
その理由は、対応の遅れにより、児童生徒に大きな不利益が生じる可能性があるからです。学校の責任問題にもなりかねません。
最初に相談を受けた教員の初動は、とても重要なのです。
軌道修正のポイントは、次章で一緒に考えてみましょう。
③保護者から温度感高く指導に関するクレームがあったら、まず謝罪してお気持ちに寄り添います
面接官:保護者から温度感高く「先生に授業中の態度を強く怒られたせいで学校に行きたくないと子供が言っている」と、担任の指導に関するクレームの電話があったらどのように対応しますか?
受験者:まず保護者に謝罪し、お気持ちを受け止めて寄り添います。そのうえでお子さんにも直接謝罪したいことを伝えます。登校を促し、顔を合わせて生徒と面談できるようにします。
クレーム対応に関する質問も、教員採用試験の定番ですね。
モンスターペアレントという言葉にすっかり耳慣れてしまうほどの時代、対応の心構えができているかを面接官は見極めたいと思っています。
どこがNG回答なのかを述べます。
状況を確認することなく、全面謝罪で対応を済ませようとしてしまったことです。
謝罪をするということは、自分の指導の非を認めたことになります。
きっと指導に至った背景や、指導の意図があったはずです。
今後も関係の続く児童生徒や保護者です、もし強めのご意見やクレームがあっても、初動対応でおさえるべきポイントがあります。
軌道修正のポイントは、次章で一緒に考えてみましょう。
2 <合格回答に蘇る!>NG回答を軌道修正する方法
①「好かれる教員になりたい」の変換の仕方
「あなたにとっての教育の軸は、児童生徒に好かれることなの?」
「もし児童生徒や保護者に嫌われたら…?もしよかれと行った指導にご意見やクレームがあったら…?あなたの心を保てる?」
「あなたは、好かれる方向に自分を変えてしまうの?」
面接官からこんな風に深堀りされたら、圧迫面接のように感じて焦ってしまいますよね。
でも動揺せず、根拠をもって返答できれば、面接官は納得してくれます。
<返答例>
「先ほどの言葉を少し訂正させてください。児童生徒に好かれるというのは、“信頼してもらう“という意味です。」
「学校では様々な価値観や考え方の児童生徒や保護者と関わります。全員に好かれるのは難しいことは理解しています。」
「もし自分の指導に理解が得られなかった場合でも、教員として常に軸をもって関係構築に努めます。結果、児童生徒や保護者から信頼を得られる教員でありたいと思っています。信頼を得られる教員が、いい教師だと考えています。」
「在学中は好かれなくても、卒業後いつか「あの先生は自分のことを考えてくれていたな。好きだったな」と思ってくれたら教員冥利に尽きるなと思います。」
いかがでしょうか?
「好かれる教員になりたい」を、合格回答へ軌道修正できましたね。
あとは、自分なりの信頼関係を築くためのアプローチ方法を具体的に説明できるようにしましょう。説得力のある回答となります。
②秘密の相談を打ち明けられた場合 対応でおさえるべきポイント4つ
児童生徒から、「先生にだけ話すけれど他の誰にも言わないでね。絶対約束だからね。実は…」と念を押されたうえで、心配な相談があった場合。
このケース対応でおさえるべき要点をお伝えします。
いじめ・虐待・妊娠の相談などは、緊急性があり、早急な対応が必要なケースです。
対応の遅れは、児童生徒に大きな不利益が生じるおそれがあります。
教員一人で抱えるべき話ではありません。
「先生が知っていてなぜ黙っていたのか」と、学校の責任問題にもなりかねません。
面接では、下記のポイントをおさえて実践的に回答しましょう。
<秘密の相談を受けた教員の初動で重要なポイント4つ>
打ち明けてくれた児童生徒の気持ちを受け止める声掛けをする
・児童生徒と信頼関係を構築するうえで、最初に掛ける言葉が大切
「話すのに勇気を出してくれたよね、打ち明けてくれてありがとう」
「一人で悩んでいたんだね、すごく不安だったよね」児童生徒から事情を詳しく聞き取り、事実確認を行う
・丁寧にヒアリングし、事実確認をする
・気持ちを受け止めながら、5W1Hで時系列や登場人物を明確にして状況整理をする「誰にも言わない」と児童生徒と約束をしない
・もし約束してしまったら「先生は約束を破った」と一度で信頼関係が崩れてしまう可能性あり
・命や安全に関わることなので、解決のためには保護者や他の先生の協力が必要なことを伝える
・このまま黙っていることのリスクを伝え、今後どうすればよいかを児童生徒自身が想像して気付けるように促す
・保健室の先生(養護教諭)など、専門知識のある先生への相談をまず促すのも方法速やかに上司である学年主任や管理職へ報告し、学校としての対応を協議する
・報告、相談、連携し、組織で対応する
※児童生徒への対応案がどんなによくても、上司への報告が欠けていたら、ケース対応としては不合格回答になってしまいます
③面接頻出!クレーム対応で絶対におさえるべきポイント4つ
保護者からご意見やクレームがあった時、何とか相手の温度感を下げたいと動揺して、つい謝罪の言葉が出てしまう気持ちはよくわかります。
しかし、教員として経緯や意図、思いがあって対応していたのです。
それにも関わらずとにかく謝罪、全面謝罪というスタンスは不合格回答です。
謝罪は事実に対してのみ、限定謝罪とするべきです。
(但し、教員側に明らかなミスや落ち度があった場合は、別です。誠心誠意謝罪し、管理職と一緒に組織で対応しましょう。)
<限定謝罪の例>
「この度はお子さんや保護者様をご不安な気持ちにさせてしまい、大変申し訳ございません」
※不安な気持ちにさせたことは、「事実」ですね。その気持ちに寄り添いつつ、部分的に謝罪しましょう。
この限定謝罪のように、クレーム対応では理解しておくべきノウハウがあります。
まず、教員採用試験において絶対におさえてほしいポイントは大きく4つです。
<保護者からのクレーム対応でおさえるべきポイント4つ>
温度感の高い保護者を受け止め、円滑に対話を進められること
教員側の思いや考えを毅然と伝えられること
児童生徒にとって最善の方法を保護者と一緒に考えられること
速やかに上司へ相談報告し、組織で対応すること
この4つをあなたなりにどう工夫して対応するか、実践的に答えられるよう準備しておきましょう。
面接官はクレーム対応の問いにおいて、受験者の人間性や組織連携力、柔軟性や対応力、ストレス耐性などを総合的に見極めようとしています。
ここをしっかり答えられると、ぐっと評価が高まります。
もしクレーム対応に自信が無い場合は、別記事にて筆者が現職時代に体得した対応マニュアルをご紹介しています。
管理職から他教員へも共有してほしいと、校内初任者研修や校内全体研修で活用した実績があるものです。
もし学校でのクレーム対応フローやノウハウについて詳しく学びたい方は、こちらの記事をご覧ください ↓
(実践的ゆえ少し生々しい内容になっているので、必要な方だけに情報が届くようランチ1回分程の有料記事としています。ご理解いただけたら幸いです。)
教員採用試験ではもちろん、採用後にも活きる内容ですので、ちらりと覗いてみてください。
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