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ロスコ

何もない
青の地平に向かって
うるさいほどの沈黙を叫んでいる

ものも言わない暗幕が
ゆらゆらとうずくまっているのを
落っこちそうな距離から眺めている

シンとしている、
もしくは
頭の後ろの見えない地平に開かれた
あちらの世界の聞こえない音に囲まれている。

自我の淵に足をかけ、対面している完全な闇、音も光も吸収する完全な黒、ここでは誰も私を見ていない。頭の中の妄想ですら吸い込まれていく無を前にした私は今、

何にも知覚されていない私を私は嫌悪しており

何にも知覚されていない間は脳内の妄想が私を見てくれており

私はそうすることで、常に頭の中の誰かから認識される人生を送っていたと言うのに。

黒に黒を塗り重ねて

うるさいほどの沈黙、

眩しいほどの闇夜、

姦しい唯我、

そのいくつもの草の根を掻き分けて見つけた私は、浅ましい白骨死体であった。

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