見出し画像

「Lies of P」プレイの感想 (クリア後)

 SEKIROやBloodborneなどのフロムソフトウェア作品に多大な影響をうけて「僕の考えた○○ソウル」を地で行った作品「Lies of P」。クリアしたのでその感想など書いて行きたいと思います。他作品とのシステムの比較もありますが項目を分けます。

始めに言ってしまうと加点方式なら80点、減点方式なら40点みたいな感じです。良いところやオリジナルからのブラッシュアップしている部分も在るけど、噛み合ってなかったりイマイチな部分もけっこうある。

特に「なぜオリジナルのシステムがそうなのか」を汲み取れずにアレンジをしていて失敗している所が多くあります。アップデートで改善して欲しいなと思う。


嘘は無しの感想始まるよ

•ざっくり感想

 ソウルライクを掲げるゲームとしては一番出来が良いのではないか。類似性と独自性をしっかり兼ね備えていて人気だから模倣しましたで終わっていない。敵味方共に豊富なモーションとこちらが選べる戦術の幅も広い。ピノキオ(ディズニーじゃなく原作)を下敷きにしたストーリーもしっかりとしてして本筋に関してはわかりやすいものとなっている。ボリュームに関しても満足感があり、露骨な水増しは感じない

いささか説明不足、一部の戦闘システムの不協和音と昨今のフロム作品をクリアしていることを前提としているような難易度など、気になる部分も多かった。

 個人的にはDLCや続編が出て欲しいと思うくらいには面白い作品で、アップデートが重なればより多くの人におすすめできそうだなと感じる。

大事な部分ですがキャラクリエイトはありません。イケオジと美男美女はいます。そして武器と戦闘はガッション、ギュイーン、火花バチィ、血とオイルブシャーです。これが刺さるなら買い

映像クオリティも高い

•良いところ

《リカバリが効く回復システム》

ソウルライクお約束「復活地点で定量補充」の回復アイテムのシステムに、全部使いきっても1個だけ回収できる要素を追加。具体的には回復アイテム「パルス電池」を使いきると「パルス放電」という状態になり、この状態で敵を攻撃等すると「パルス充電」が進みパルス細胞が補充される。

回復アイテムを使いきっても諦めずに攻撃すると回復チャンスが得られるので、道中攻略やボス戦でもリカバリが効きやすい。

そしてパルス放電状態で能力上昇できるスキルなども存在するため、残り1個の回復アイテムは躊躇わずに使った方が結果的に有利に進んだりするのが新しい


《緊張感のある戦闘システム》

 回避、ガード、ジャストガードの全てに弱点が存在している。その見極めや使い分けが必要なのでそれを探す面白さがある。

・回避は無敵時間が長いがフューリーアタックの前では無敵時間が無効。
・ガードは確実にダメージを軽減できるがフューリーアタックと一部の攻撃防げない。
・ジャストガードはダメージこそ無いが強いノックバックが発生する。

狭い足場でジャストガードすると落ちてしまったり、重い攻撃をガードしすぎてHPを想像以上に削られる時には回避が有効。速すぎる連撃はガードで様子見して途中でジャストガードを狙って回復したり、回避で抜けて攻撃に繋げる。のようにメリットとデメリットを踏まえて行動を選択する必要がある。もちろん全無視して投擲アイテム頼みや全力ヒット&アウェイも可能

……が悪い部分も多い(後述)


《ガードリゲイン》

敵の攻撃をガードした際にはダメージを受けるのだがその一部が「ガードリゲイン」として残留する。リゲインの消失前に敵を攻撃したりジャストガードをすることでその部分を回復できる。

モブの攻撃の場合はダメージの7~10割ほどリゲインが発生するので、ガードさえすれば意外と小ダメージですむことが多い。ボスの連続攻撃なども最初はジャスト判定にならなかったが途中でタイミング掴めると、前半部分のダメージを取り戻せたりする

ただし、リゲイン値は被弾で上書きされるので囲まれたときや多段ヒット系は油断禁物。回避とガードの判断が重要になってくる。


《武器の調合》

 このゲームの最大の特徴。武器は攻撃力やガード性能等を決める「刃」と能力値補正とモーションを決める「柄」で構成されていて、その2つを好きに組み合わせることが出来る。更に刃と柄にはそれぞれフェーブルアーツ(必殺技)が設定されているので、その組み合わせも大事。大剣の刃を槍やレイピアの柄をつけて突きモーションにしたり、回転ノコギリの刃にブースト機能付きの柄をつけてロマンブースト斬りをやったり出来る。

柄の補正内容もアイテムを消費することで変更できるので「ビルドによって採用しにくい」は多少解消されている。伸びる、回転するなどと云ったギミックも柄に依存するので面白武器を作る楽しみもある。

 刃ごとに得意なモーションが設定されているため、そのモーションが出来る柄を組み合わせるとダメージが上がる仕様もある。ボス武器は分解不可。刃によって微妙にモーションの速度も変わるので、先の仕様と合わせて単純に強い刃を降りが早い武器の柄にするだけでは強くならない。が、使い勝手は別の話で状態異常狙いでは問題ない場合もある。

組み合わせイロイロ


《ボス部屋までのレベルデザイン》

 全体的に入り組んでいるように見えて迷いにくいマップ。次は何処に行くべきか教えてくれるNPCの配置もされている。敵の配置も基本的に数の暴力は少なく強モブや中ボス以外は単発で仰け反る、動きが遅いなどいい具合に「俺強い」感を感じながら攻略できる。トラップや待ち伏せもお約束配置がほとんど。また集団と強敵の組み合わせの配置では裏道などが用意されてることも多い。

 その分、強モブや中ボスが強いうえ撃破が進行条件になっていたりする。ただし進行条件になっている敵はアクセスが容易でリポップはしない。スターゲイザー(アクセスポイント)間も極端に長い場所はなく、リトライは挑みやすいが親切すぎると感じる人もいそう。

《スターゲイザー(アクセスポイント)》

 本作のリスポーン兼ファストトラベル地点のスターゲイザー。移動先を選ぶ項目で重要なアイテムの取り忘れ、新しい会話が可能なNPCやサブクエの位置を表示する機能が親切。クエストログが残らないゲームでありがちな「アイテム取ったけど誰からの依頼だっけ」となりにくい。プレイごとの期間が空いてしまう人にはありがたい機能。

強化関係以外の要素にもアクセスできるのもポイント。武器の調合はここからでも出来る。


《わかりやすいメインストーリー》

 メインのストーリーは目的が常に明示されていくので「何の為に戦っているのか」と「なぜそこに行くのか」がわかりやすい。徐々に規模が大きくなっていくのはお約束。謎に関しても大部分が台詞によって語られるので人々の行動の動機も理解しやすい。しかし、細かい部分に関してはテキストを追っても謎が残るようになっているのでそのバランスがちょうどいい。また続編に向けての伏線なのかジミニー関係の疑問はそのまま。

 キャラの見た目や登場する小物に関しては元ネタを知っていると面白いものが多い。とあるシーンで潜水艦が出てくるがクジラでは無くサメだったり、ストーカーズの被り物で人物像がネタバレしてる。金貨を欲しがる姉弟も原作を踏まえると何処まで真実なのか。兎が棺をもって主人公をつれていこうとする部分は今の絵本ではないみたいですね。

クリア後のムービーがかなりワクワクする内容になっていて、もしかしたらパブリックドメインになった童話世界が共存しているのでは?と思わせる。

赤い靴といえば…(銀じゃないのはわざと?)


•悪いところ

《探索の余地が少ないマップ》

 迷いにくいレベルデザインを上で書いたがその反面、驚きや発見に繋がるような部分は少ない。ジャンプで行けそう、降りて乗れそうな地形もあるが見た目だけで特になにもなく大抵は落下死するだけ。ショートカット(梯子等)の同様に「ここに繋がるのか」といった驚きは少ない。また、イマイチ恩恵を感じない距離や位置のショートカットも多々ある。

基本的に1本道


《敵の攻撃パターン》

 敵の攻撃パターンは結構多いです。そこはとても良いところなのだが、パターンの内容がコンボ終了のタイミングの違い。コンボが続く場合とそこで終了する場合のモーションが同じなので最大4連続の攻撃がいつ止まるかわからないと云った具合なのだ。2回止め→2回止め→3回止め→4回と立て続けに行って来ることも多く防御に回る時間が多くなることも多い。特に人型NPCで顕著。

後述のガード等の仕様も重なって単純に行動出来ないし反撃する時間がないのでスタッガーも狙えない。武器破壊できる敵であれば幾分有利なのだがそうでない敵は気が済むまでサンドバックタイム。回避もあるけど気力の兼ね合いもあるのでタイミング(運)次第。

初動が似たものが多かったり、所謂「ボタン読み」でコンボの継続が決まる敵が存在するのも個人的には気になった。敵Aの突進は移動中と追撃ずっと当たり判定、敵Bは突進には当たり判定なしでその後の追撃のみ判定などパッと見と経験で当たり判定の有無の判断が付きにくいなどもあった。


《ジャストガードの仕様》

 このゲームの重要な要素であるジャストガードなのだが、全体的にプレイヤーにジャストガードを成功して欲しくないのでは?と感じる部分が多い。ダメージ無効で敵の武器を破壊できスタミナが無くても発動できると文字でみると強そうなのだが……

・シビアな入力(いわゆる「置く」が出来ない)
・強すぎるノックバック
・即座に反撃できない(カウンター要素なし)
・独特な敵の攻撃テンポとパターン
ザコであっても敵のモーションは中断されない(スキルで解決可能、ただし遠い)

というようにデメリットも多い。ボス戦ではマップ中央を背にしてジャストガード決めないと連続攻撃で壁際に追い詰められる。またジャストガードしてしまった故に回避で抜けられないなども起こる。スタミナはしっかり消耗されるので凌ぎ切っても反撃できるスタミナが無いといったことも起こる。ちなみにスキルを取ってもジャストガードで怯むのは低級ザコまで。

しかし音とエフェクトは最高である。


《敵のスタッガーシステム》

 攻撃やジャストガードを重ねると敵が膝を付き致命攻撃が出来る。一発逆転の大ダメージ狙えるシステムじゃん……パッと見はね。流れとしては攻撃を続けると敵が「スタッガー有効」になり、そこで更にタメ強攻撃かフェーブルアーツを当てると「スタッガー状態」へ移行し、敵が膝をついて致命マークが表示されたら致命攻撃が出来るというものです。長い

有効時に更に追撃が必要という部分はそんなに嫌いじゃありません。追い討ち感があってリスク承知でリターンを取りに行けというシステムなので。問題はその前後です。

 まずはいつスタッガー有効になるのかが視覚的に把握できないこと敵の連続攻撃の初擊をジャストガードしたら有効になって、終わる頃には有効状態も解除なんてこともある。逆に有効になる直前にタメ攻撃やフェーブルアーツを決めるとそのままスタッガー状態になる場合もある。またトリガーとなる攻撃は最終段がヒットしないとスタッガー状態にならないので注意。

 次にスタッガー状態になった後なのだが単純に致命攻撃が弱い。できるだけ殴ってから最後にフェーブルアーツを発動したり、ダウン中に属性武器で状態異常を発生させたほうがトータルでダメージが多くなる。ちなみに中盤以降の一部の敵はスタッガー状態になった際、強めの反撃をしてくるのだが知らないと大体引っ掛かって死亡する。

 上記の理由から、スタッガー有効になったからと云って無理に狙って被弾するよりもスルーしたほうが安定する場合が多い。要するにリターンが少ない。さらにフェーブルアーツに関してなのだが、中ボス以上には当ててもスタッガー状態にならないものもある。どれかと云うと斬り下がり系のものや飛び道具などの発動の隙が極端に少ないものです。わかりやすく「簡単にスタッガー取られたら悔しい」だなと思ってしまった。説明文などに効かない旨を書いてほしい

序盤は有効時間が短く焦る


《パリィ》

 唯一のカウンター要素であるパリィはフェーブルアーツやリージョンアームで発動できる。ジャストガード決めてもモーションが中断されない敵がパリィごときで攻撃を止めるはずもなく、普通に攻撃を続ける。つまり単発攻撃か連続攻撃の最終段で発動する以外は被弾確定なのだ。ゲージ使ってジャスガと微妙に違う判定で成功させてこの仕打ち。「簡単に無傷で反撃できたら悔しい」と聞こえてくる。

ちなみに特定の武器でジャストガード判定を持つタメ攻撃を持つ武器があるが、こちらは確定で怯んで反撃までしてくれるのでパリィの存在意義とは。

ガードパリィに関してはアプデで改善されて仰け反るようになった。絶対反撃は仰け反らないまま。


《フューリ-アタックとガード不能攻撃》

 フューリ-アタックが敵の体が赤く光りながら行ってる攻撃で、回避の無敵時間無効とガード不能でジャストガードか攻撃範囲からの脱出が対抗手段。大半はうまく機能しています。問題は攻撃モーション中に赤く光る仕様なので敵によってはモーションが見えにくいこと。一部の敵はカメラワークの関係で視界の外から行ってくること。巨大な敵が少ないのが救い。

 フューリ-アタックと別にガード不能な攻撃が存在しする。ある程度ゲームをやっている人は分かると思うのだが掴み技、こちらは何となく察することができる。しかし厄介なのが衝撃波の存在でガード可能なものと不能なものが有る。これらはフューリ-アタックではないので敵が赤く光らず、喰らって初めて分かる。おまけに範囲が広いことが多く回避で対処できないことも多い。

ガード不能と荒ぶるカメラの使い手


《怪しい翻訳》

 主にテキストアイテムで助詞が抜けていることが多く、カタカナとひらがなが混ざったりが多々あった。幸い意味は伝わるのであまり問題ではない。

しかし手紙関係の翻訳は一律に決まった文体でされていて、書き手のキャラや状況が反映されていない。主人公宛ての手紙も他人行儀の妙に堅苦しいものになっていて、まるで風情がない。台詞の翻訳はちゃんとなっているので、翻訳過程が違うのだろうか?

▪︎他のゲームとの比較

《装備アイテムの管理》

 装備できるアイテムに関しては、上下2段に別れて初期ではそれぞれ3個とそれに加えてショートカット4個の7個も持ち歩ける。ダークソウル等で発生していた「アイテムや魔法装備しすぎて切り替えが面倒」がかなり改善されている。上下に別れているので自分の用途で上は回復、下は攻撃みたいに管理も楽。

しかし選択中のアイテムはアイコンだけで名称は表示されないのは慣れないうちは不便。


《戦闘システム》

 SEKIROやソウルシリーズ、仁王などの良いとこ取りをした結果の調整不足。大体上記の悪いところで書いている感じです。美味しいものと美味しいもの混ぜたら微妙になったってところかな

なぜ弾きを全面に押し出したSEKIROにはスタミナという概念がないのか、なぜBloodborneではリゲインを採用しているのか、なぜソウルシリーズには強靭が存在するのか、WoLongの敵の気勢攻撃はなぜ2回光るのか、体幹ゲージと気力ゲージの有った意味などといった部分を考えずに見た目だけ採用してしまった気がします。なので遊んでいてちぐはぐ感が付きまとう。特に連続攻撃をジャストガードしすぎて反撃不能や、敵の連続攻撃中にスタッガー有効あたりがもったいない。

 Bloodborneは特定のタイミングでしか決まらない替わりに1発でダウン。ダウンするか視覚的に分からないエルデンリングは特殊ダウンの存在があったり致命ビルドでは一発が強力など別な部分でとってるバランスが存在しない。

WoLongでは凄まじい威力の替わりに入力タイミングの視覚化を図っていたり、仁王では確定カウンター要素を導入していた。こちらは赤く光ってからいつ攻撃するか分かりにくいうえ強力な追尾が付いている。

 このように繰り返しになるけど各ゲームでプレイヤーが有利だった要素を削って難易度を上げている。


《遊びやすさ》


 メニュー項目は階層が浅く整理されていてアクセスしやすい。チュートリアルが全て確認出来るのも良いところ。拠点での演出で暗転で移動して移動の手間を省いたり、機能は少ないがトレーニングエリアも付いていたりと色々な気遣いが見られる。割りと早い段階でリセット機能が使えるのも良い。

スキルツリーも独特ではあるが、戦闘スタイルに合わせた効果を伸ばせるのも面白い。

翻訳の問題と説明不足が重なって一部の要素が分かりにくい部分もある。

•まとめ

 悪いところで挙げた項目は人によっては気にならないものだと思います。すでに1度バランス調整のパッチが配信されて遊びやすさが改善されたので、今後改善される可能性も高いです。一部抜け道的な圧倒的有利な組み合わせが有りますが、それを使わなければかなりの難易度のゲームです。フロム作品等をやってきているので既視感と経験則と極度な苦戦はなかったけど、この手のゲームが初だとキツイ内容になっています。

しかし内容にこだわりをとても感じるので気になったらプレイしてみて欲しい。



主人公エロいソフィア美人ゼペットイケオジ

シャツが透けるよ


色気がある世界観


ソフィアもね


無闇に無軌道にイケオジ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?