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エコの呪い

呪いシリーズ③
エコの呪い

掃除屋や片付けの仕事をしてきた私が、エコの呪いと言うその理由を淡々と書きます。長いです。

最後を見届ける

私の仕事は、「物事の最後」を見ることが多い仕事だと思っていて、ゴミ業者さんやリサイクル業をされている方は皆、何かしらの思いがある。もしくはもう見慣れて、なのかもしれない。

人の最後を見届けるのが、病院関係者だったり、火葬場の人であったりするならば、物の最後を見届けるのは、ゴミ屋

ゴミセンターにいくと、アリ地獄のような場所にたくさんの過去の栄光が捨てられ、潰されて燃やされる。

そこでは淡々とおじさんたちが分別し、モワっとしたゴミ特有の臭いの中、暑くても長袖長ズボンで対応してくれる。人の嫌がるお仕事をされている人がこの世で一番えらい。


エコとため込み


私は人の思い込みに縛られた「」の生活を「これから」に変えていく仕事をしているが、いくつも片付けられない家を見てきて思うことがある。

多くの片付けられない人は「エコの呪い」を同時にかけられている。色々なモノをため込んでは、良いことをしていると思い込んでいる。


物事はなんでも一点に集中してしまうと、他が偏る。ため込むことに慣れてしまう人は、リサイクル以外の物もため込んでしまう可能性がある。

リサイクルのものを入れるカゴを100均でまた買ってきては、収納がうまくいかないといって捨ててはいないだろうか?


作る方にも責任がある

そもそも、そんなに安価でモノを作っていることの方が問題である。

エコだからといって、エコバッグを作りまくる。売れないエコバッグは捨てられる。

リサイクルショップには10円などでエコバッグが売られ、ペットボトルにエコバッグがオマケでついてくる。

しかし何個もあっても困るから捨てられる
エコバッグを作って売る過程の方が、エネルギーとか人件費がかかっているだろうに、何がエコなのか。

プラ袋をいくら有料化したところで、なければ五円ぐらいならと払ってしまう。ものすごく値段を上げてしまうとかしないと、結局同じことの繰り返しになる。


例えばプールに行った時を思い出すと、浮き輪が¥3,000ぐらいの高値で売っていることはわかっているので、ちゃんと持っていく。そういうことだ。


だから呪い

エコの呪いは、もったいない精神をうまく利用しているある種のマインドコントロールのようなものだと掃除屋は思う。だから呪いなのだ。

エコだからこれを買いましょう。エコだからこうしましょう。という流れになっていくと、皆こぞって良い行動をしようとする。それは悪いことではない。

でもエコバッグはこの世にアホほどあるので、あんまり作らなくていいと思う。てかカバンでいいし、ふろしきでいい。

本当の悪は、経済を優先していること。まず、きれいに見せようとして売る、ラッピングなどの過剰包装。お肉などのトレー。フルーツや野菜など少しでも傷があるものは売らない完璧主義。ここから見直していかないと、食費廃棄率も下がらない。

でも皆そんなことはわかっているけど経済優先だから何も言わないし、やらない。だって自分がかわいいから。


矛盾


エコだからたくさんリサイクルしていると言われたお客様の引き出しの奥からは、大量のゴミ袋があったり、100均で買ったものが出てくる。

それを今度は汚いし気持ち悪いから捨ててくださいと言われる。冷蔵庫の中の食べ物を腐らせて、6個も7個もゴミ袋に入れていく時に、エコってなんやろ…という気持ちにならない方がおかしい。


食品といえば

昔◯◯ドーナツで働いていて、そこでは、ちょっとでもカタチの悪いものができたりすると、廃棄になる。

閉店の時間が来ると、レジを閉めて大量に粉袋の中に、体重をかけて潰して棄てる

廃棄管理や製造管理もきっちりで、店長が見込み数を入力して、いくつ作る予想みたいなのをパソコンに入力し、閉店作業で廃棄数を入力します。

ある日、"閉店時間近くになると品数が少ない"というクレームが本部から送られてきた。それによって会議をしたりするが、今思えばそれっておかしくない?と思う。

だって、ないことを受け入れないといけないことってたくさんある。何で品数が少ないとか、人気商品が少ないからってわざわざクレームを入れるのか。日本人は本当にぜいたくだ。


1番のエコは…

これについては、人によって違うと思うが、こんな仕事をしてるから言えるのは、「本末転倒になってないか」に着目して暮らすことが1番のエコなんじゃないかということ。

数多くのリサイクルな動きは素敵だと思うが、まず自分の足元から見直してみることが大事だ。

⚫︎冷蔵庫の中はパンパンじゃないだろうか
⚫︎水を出しっぱなしにしていないだろうか
⚫︎見栄を張って、使わないものを買ってないか
⚫︎食べすぎて、体調を崩していないだろうか…

など、日々の習慣によって身体を健康にしておき、住環境も見直し、メンテナンスをしながら大切に暮らし、いらないものはリサイクルに出し、買うときには本当に今必要なのか、今だけ必要なのかを見定め、日々垂れ流している出費はどれほどあるかを計算し、外食するならば頼みすぎず、ほどよく息抜きをし、心豊かに暮らしてから改めてエコについて考えてった方がよろしいんではないかな、と3日に一回ぐらい思う。

まずは自分の足元から。
誰のせいにもしない人生をおくることから。

ではまた!


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