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「天才児」が食べていけるとは限らない現実に思う

象徴的なニュースがありました。

物理の天才と呼ばれ、日本で初めて飛び級して大学に入った人が大学院まで行って就職し、その後なぜトレーラー運転手になったのか。

研究者としては「食べていけない」現実

見えてくるのは、研究職の辛い現実です。

しかし、初任給を受け取った佐藤さんは目を疑う。
「え、手取りが15万円?」
就職した前の年、中学の同級生だった妻・裕子さんとの間に長女が生まれていた。
学生時代の奨学金の返済に加え、郊外に借りたアパートの家賃や通勤のための車の維持費もかかる。
ご飯と、おかずは1品にして食費を切り詰めた。月に1回、千葉の実家から米やレトルト食品を送ってもらうだけでは足りず、知人に野菜を分けてもらったり、カップラーメンで済ませたり。ギリギリの生活だった。
仕事はやりがいがあった。専門知識を生かしてベンチャー企業と偏光カメラも開発した。だが、「食べていけない」現実はつらかった。

一方で、トレーラー運転手は稼げるというのです。

トレーラー運転手の仕事に専念してから、今年で8年目。
佐藤さんは正社員として家族3人が暮らせる給料をもらい、4年前に千葉県内に一軒家を購入した。週末には、ささやかながら外食もできる。妻の裕子さんは「好きなことができていればいい」と温かく見守る。

このかたは元々車が好きだったのが幸いしたようです。もしかしたら、もう少し頑張れが給与が上がったのかもしれませんが、生活がかかっているときに苦しいのはキツイですよね。

では同様に飛び級入学した、他の二人の状況は、というと。

梶田晴司さんは豊田中央研究所に入った。トヨタとともに自動車部品の材料開発に向けた研究などを進めている。
「ポストや生活が安定せず、研究を諦める人は多い。自分も大学では厳しいと感じ、民間の研究機関に入った。このままだと日本の科学技術はどうなるのかという思いはある」と梶田さんは語った。



もう1人の初代合格者、松尾圭さんは大学で宇宙物理学を専攻していたが、大学院時代に千葉県の政策提案に関わったことで社会科学分野に転向。現在は、千葉市の生活自立・仕事相談センターで相談支援員として働いている。

収入を得るためにかかったコストを計算する人も

高学歴が必ずしも高収入ではない現実があります。

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