イーロン・マスク氏の「日本はこのまま消滅する」発言を考える
イーロン・マスク氏のTweetが話題です。
「当たり前のことだけど」と前置き
アメリカ電気自動車大手「テスラ」のイーロン・マスクCEO(最高経営責任者)が、自身のツイッターで、「出生率が死亡率を超えることがないかぎり、日本はいずれ消滅するだろう」とツイートした。
これは、2021年10月時点で、日本の総人口が1年前より64万4,000人減り、過去最大幅の減少となったことに関するツイートに、マスク氏がコメントしたもので、「これは世界にとって大きな損失となる」とも警鐘を鳴らしている。
私が注目したのは、マスク氏が、「わざわざ、at the risk of stating obvious(当たり前のことだけど)」と前置きしていることです。
そうなのです。
多くの人が、同じように警告してきました。
もう15年も前、シンガポールのリー・クアン・ユー元首相や投資家のジム・ロジャーズ氏が日本について悲観的な未来像を提示しています。
少子化も厳しいけど、移民も嫌、だと国は無くなるよ、と。
私もマレーシア人の友人から同じことを言われました。その頃から「子どもは海外に出すチャンスがあればだそう」と意識してた気がするなぁ。
日本は集団自殺に向かっているのか?
シンガポールで子育てしている、元参議院議員の田村耕太郎さんはこんなふうにおっしゃっています。
一時は自民党の政治家だった方なので、発言が非常に生々しいです。
イーロンマスクはまさにそう感じているのだろう。外からみたら確かにそう見える。我々日本人自ら国を消滅させようとしているのだ。一人一人に聞けば「そうならないために、やるべきことはわかっている」人が多いのに。特に官僚や政治家も個人的に話せば、「何をすべきかわかっている」人ばかりだ。もっといえば何年も前からやるべきことはわかっていた。
でもやらない。やるといってやらない。私もそうだった。イーロンも言っているが、多分やるべきことを始めるときは遅きに失して相当痛みをともない、結果相当な反発が起こり、やるべきものも中途半端なものになり、問題を深刻化させるかもしれない。私もそうだった。他人様のことはいえない。純日本人だからよくわかる。
我々にとっては、全体の課題解決より「近場の空気」がずっと大事なのだ。誰かのメンツをつぶしたり、波風立てるコストは甚大なものとなる。やるべきをやろうとしている人ほど頭が良くて空気も読めるので、それを感じてできなくなる。でもそれで一見安定を保っているように見えて、もはや窒息して死んでしまう人が増えるのだ。
「日本を変える」の掛け声は溢れているけど、変わらないのはまさにこれなんだと思う。
日本が厳しいのは「変える相手が自分自身だから」
変えることが難しいのは、「変えなければいけない・戦わなければいけない相手が自分自身」だからだと思う。
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