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「マダガスカルを再建するための経済政策を立案し、国民にスピーチしてください」ーーなぜ、今どきの子供たちは「大人が考えるような問題」に学校で取り組むのか

私がマレーシアに来て一番驚いたのは、インターで行われるテストや課題がまるで大人に対するもののようだったことです。

「キュビズムの手法を使って、あなたの絵を描いてください」
「英国はEUを抜けるべきですか? あなたの考えを書いてください」
「映画『ジュラシック・パーク』を見て、そこに使われている手法で恐怖映画を作ってください」
「ここにある100ドルを、投資を使って200ドルに増やしてください」
「マダガスカルを再建するための経済政策を立案し、国民にスピーチしてください」
「フランス語で、クレープを作るYouTube動画を作ってください」

などなど。

小学校から、まるで実生活に即したような本格的な質問が続くことに驚きました。「日本の学校はつまらないけれど、海外の学校は面白い」とおっしゃるお子さんの中には、この「大人みたいな課題」に興奮している方が少なくありません。


大学院で、これらは「オーセンティック・アセスメント」と呼ばれることがわかりました。

長文です。お時間ある時に。

定義は曖昧だけど、「実生活を反映したもの」のこと

大学院で集中して「オーセンティック・アセスメント」について学びましたので、いくつか論文を紹介します。

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