実はみんなが見ている「日本」もそれぞれ違う

今日は短いコラムです。

新卒で、最初に割と古い体質のザ・日本な会社に入った私です。
が、その後入った会社は、社員がちっとも時間に来ないアナーキーな会社でした。
午前中に来ている社員は私ともう一人くらい。

会社では締め切り間際にバーベキューする人おり、寝袋で寝てる人おり、動物を連れてくる人おりと、めちゃくちゃでした。社員総会は椅子ではなく、床にみんなが座って社長の話を聞くんです。〆切守る人は全くおらず、毎回、印刷所に迷惑かけながらの出張校正です(今思うとマレーシアでもこんな会社は少ないなぁ……)。

同じ会社でもここまで違うんだ……と驚愕したのを覚えています。
日本人は真面目で硬い、というステレオタイプが流布してますが、実際には物事って白黒ではなく、中にはいろんな人がいるわけです。これはマレーシアだろうが、インドだろうがどこでも同じです。

他にもこんなことを教えてくれる人がいました。

面白い社会は日本にもあるよ

実は、面白い社会て日本にも存在してるんです。

私は日本ではそんな社会にばかりいたので、ストレスを感じることもなく、割と楽しく暮らしてました(注・子供を産んで、少し考えが変わりましたが)。

同じ日本でも地方と東京では世界が変わります。同じ東京でも郊外と下町で、人々の見ている風景や体験することって相当変わりますね。

外資系サラリーマンと、ジャージをきて毎日過ごしている地方の商店主では、やっぱり見ている世界は全然違う。

取材する立場にいると、いろんなものが見えるのは事実です。
とはいえ、全てが見えてる人なんていないわけです。
だから今書かれていることも、すべて何かの断片でしかない。

世界が「一つに見えてしまう」ことがある

ところが、そういう日本での多様性って、見えない人には見えません。
世界がたった「一つに見えてしまう」ことがあるんですね。

ブラック企業でうつ病になってしまった人の話を聞くと、視野がどんどん狭まって、それ以外の道が見えなくなってしまうんだそうです。

一つの会社を辞めずにずーっと続けていたり、引きこもって世間から隔絶された生活をしてたりすると、やっぱり視野が狭くなる。ナチスや北朝鮮の収容所にいた人に手記にも、こういう極限状態の人の心理が書かれています。

で、この視野が狭くなってからだと割と遅いっぽいのですね。
このことは日本の高い自殺率と無関係ではないと思われます。

ではどうするか

今ハッピーな人は良いのです。そのまま行けば良いと思います。

が、もし、今いる社会が狭いなー、やりきれないなーと思っている人は、少し意識して行動を変えるのが良いかもです。

・違う人と付き合う

いつも言ってますが、自分の世界とは違う人たちと知り合う、というのもオススメ。私の人生を変えたのはまさにそういう出会い。外国人と付き合い出したことが第一歩でした。

・旅行する

旅もオススメです。国内でも海外でも、別に隣町でもなんでもいいのです。ぶらり途中下車のように、そこにいるありのままの人を見てみる。ただし、スマホを見ていたら意味がないので、ほどほどに。

・日本社会の特徴を意識しておく

頭の片隅に、「日本という社会は流動性が低い社会である(だから、他のやっていることが見えなくなっていることが多い)」と頭に入れておくのも、良いと思います。

・書籍などを読む

視野を広げるためには、自分と全然違う人たちの意見や書籍を読むのも良いです。

特に「闇金ウシジマくん」は、ドギツイ表現で読むのがきつい漫画ではありますが、真面目にオススメです。

ウシジマくんは、タクシードライバー、サラリーマン、風俗嬢、ホスト、主婦、ヤクザまで、あらゆる階層のいろんな人が出て来ます。実際に取材して作った漫画ですので、リアルです。

あまりドギツイ表現は嫌だ・・・という人は、サラリーマンくん編か生活保護くん編がオススメです。(似たようなので、中年会社員くん編というのもありますが、あまりオススメしないかも)

私の新刊もその意味ではブッとんだマレーシアの世界のことを書いているので、読むと楽になると思います。

ではまた。


<おまけ&宣伝>ウエブメディアに寄稿しました。よろしければどうぞー。cakesでも連載中です。

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