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「迷惑をかけてはいけない」が全ての基準になる国

こんにちは。

日本に来てみて、つくづく思ったこと。それは「迷惑をかけてはいけない」が浸透している国だということです。

「迷惑をかけてはいけない」が薄い国から来ると、こんなに違うのか、と驚きます。

もちろんいいところもあります。
街は整然としているし、人々は静かで礼儀正しく、丁寧で親切な人も多いです。

しかし、元来「迷惑をかける存在」にとっては生きづらい国です。例えば子どもです。日本の子どもは「自分を迷惑な存在だと思っている」という分析がありました。

「全国の10代、20代から集まった1万4000の声をじっくりと読んで印象的だったのは、子どもたちが『自分は親や大人に迷惑をかけてしまっている』、あるいは『迷惑をかけてはいけない』という意識を強烈に抱いているように見えることでした。

小さい頃から「迷惑をかけないように」と教え続けられるのだから、そりゃそうなるよね、と思います。
私自身もかつてはその一人で、街に出たら、「迷惑をかけないこと」が第一でした。しかし、迷惑、かけちゃうんですよね。子ども。

ブランコで手を離してみて落ちたり、鼻におもちゃ入れて取れなくなったり、迷子になって、近所の人の家に転がり込んだり。
その度にえらい叱ってきたけど、あれはどうだったのかな? と反省するようになりました。

よく満員電車で泣き叫んでいるお子さんがいますが、子どもなりに周りの「迷惑だ」を感じ取って、それが怖くて泣いている子もいるのではと思ってしまいます。

「迷惑」が理解できない外国人

サンドラ・ヘフェリンさんは、「迷惑という言葉は日本独特の概念で、翻訳できない」と言います。

23歳で日本に来てすぐのころ。子どもが生まれたばかりの人が、「どんな子に育ってほしいですか」と聞かれて、「好きなことを自由にやったらいいけど、ひとさまに迷惑だけはかけないような子になってほしい」と答えているのを聞いて、びっくりしたんです。「迷惑をかけない子」って一体どんな子だろう……。

車内放送で「携帯電話はまわりの人の迷惑になるからご遠慮ください」と言うのも不思議でした。ドイツでは電車の中で携帯で話すのは普通のことでしたし、もし満員だというなら、受話器を持つのに腕が突き出て危ないとは思うのですが、声自体は車内での会話の音量と変わらないですし。

マレーシアでも同様で、電車やバスで携帯電話で話すことは普通にあり、「迷惑」と思っている人は、あまりいないんじゃないかな……。

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