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「個人が書籍を出す」ことがなぜ難しいのか

インタビューライターの丘村奈央子さんが、興味深い内容を書かれてました。

個人の方のブックライティングは、よほど条件が合わない限りお断りしているのが現状です。なぜなら「どこの誰に向かってどんな方針で制作するのか」が定まらないとお聞きする内容の精査や目次立てができないからです。

丘村さんはあくまで自分の場合、と断っているのですが、これは編集の私から見ても同じなのです。

どういうことかと言いますと。

出版社などの事業としてスタートする書籍制作には「刊行日」というゴールと「企画書」という大まかな設計図があり、大きく外れないようにチームで走り切るのが仕事になります

しかし個人の方が「こう書きたい」というケースでは経験上ご本人が思うほど定まっていないことが多く、途中で何を描きたいのかご本人も分からなくなって制作中の舵取りが難しいと感じます。いわばゴールがグラグラ揺れる状態です。

そのまま多くのチーム作業にも共通するかもしれません。

長丁場で「これを書きたい」が変化する

個人の方の書籍の出版相談が、なかなかうまく行かない(途中で頓挫してしまう)のは、長丁場の書籍で「目標が決まってない」ままに、チームで動くのが難しいのです。するとゴールに到達することが難しくなります。

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