現代の子育てがなぜ難しいのか。1970年台の毒親小説が読んだらわかってしまったこと
子どもが減っており一人当たりに使うお金が多くなっている。
今や人手不足でほとんどの子供は就職できる
大学は全入時代に入って久しい
なのに、今の子育てを見ていると(人によっては)むしろかなり大変そうです。なぜだろう? と思っていたのですが、理解したのです。
今でいう「毒親」をテーマにした城山三郎さんの『素直な戦士たち』という小説です。経済小説などを書いてた人ですよね。
新潮社の書籍紹介はこんな感じです。
実験的な子育てはどうなるか?
主人公はIQは高いがしがないサラリーマンの秋雄。彼の見合いからこの話は始まります。
見合いの相手の千枝さんは、「子供を使って壮大な実験をしたい人」「野望を持った女性」として描かれています。読書家で最新の研究を調べて、その通りに子育てをやろうと決心し、実行するのです。
主人公の秋雄はそんな千枝が「面白い」と思って結婚するわけです。
千枝は独自のやり方で論文や書籍を読み、最新の学説を取り入れた子育てを頑張ります。当時としては非常に聡明で、また進んだ女性でもあったんだと思います。
その理由はシンプルで、それなりに説得力があるものです。
うーん、「子どもの可能性を最大限にしてあげたい」よく聞くセリフ。
かくして、長男、英一郎に対する、計算され尽くしたような子育てが始まるのです。
早期教育、テレビなし育児、おもちゃは買わない、でんぐり返しや兎跳び、積み木で手先の訓練ーー。
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