見出し画像

すべての教師が高等教育機関で学び続けているIBの学校の話

先日、賞をもらったダウン症のイシャのお母さんにインタビューしたら、彼女は「偶然ではない」「学校システムがそうなっている」と言いました。

本当にそんな「システム」存在するのか? この古い国際バカロレアの学校では何が起きているのか? 今回はこの学校フェアビュー・インターナショナル・スクール・クアラルンプール校の校長先生であるヴィンセント・チェン博士に教育手法を聞いてみました。

原文は英語ですが、若干編集しています。英語音声で聞きたい方のための音源はPodcastにアップする予定です。


――イシャさんや渡部哩久さんのお話を伺い、学校システムの違いに驚きました。あなたの学校では何が起こっていますか?

現在の教育がうまくいかないことは誰もが知っています。
なぜでしょうか?

今の多くの教育システムは、「排他性」「適合性」から始まりました。

例えば、全員に紙を配って、何が得意か記入してもらいましょう。
紙に書くことが苦手な人もいます。数字が得意な人、話し方、演技、音楽が本当に素晴らしい人もいます。

現在の教育システムは、これら全員に対応できません。教師も旧システムに深く入り込みすぎており、既得権益を持ってます。

加えて、保護者も自分の受けた教育システム以外を理解していません。


「私はずっと学校でオールAでした! もう新しいシステムを学ぶつもりはないです。私の子どもに新しいシステムを試す? ならやめて、馴染みのあるシステムに行きます」
「私の頃と違う方法で私の子どもを評価するなんて、理解できないし、怖い! 子どもを入れたくないです」

多くの人にとって、正しいことよりも、「怖くないこと」が重要なのです。

インターネット上の多くの動画が、
「現在の教育システムでは将来の仕事に備えることができない」とすでに言っています。
誰もがそれをわかっています。
しかし同時に、保護者は依然として古いシステムにこだわります。

自動車に乗った方が早いのに、いつまでも「速い自転車」にこだわる。残念ながら、親たちは自転車の使用をやめるのを恐れています。

最初の問題はここです。それは非常に悲しいことです。


――では、親がこの変化を受け入れるとどうなるのですか?

両親が「OK、私は現在の方法を受け入れ、新しいことに挑戦しましょう」と、この壁を打ち破るとどうなるか。

学校で何が起こっているかについて話しましょう.

まずは試験ーー従来のシステムが行うことは 1 つーーペーパー試験だけです。しかし会社があなたに期待することは「勉強して試験に合格」することでしょうか? 全員に 1 つのことだけを強制するのですか? 

私たちはアセスメントと呼びますが、評価方法にはさまざまな種類があります。そのうちの 1 つの方法は、紙とペンです。でも他の形式もあるのです。クラスメートの前で、知っていることを共有するとか、ポスターやウェブサイトを作成するとか。

ご覧のとおり、当校の評価は、「実際の生活」を模倣しています。
だから、子どもたちはさまざまな力を持てます。特別支援が必要な子どもは、多くのことができるのに「書くことが苦手なだけ」な子もいます。

書くことが、すべてのスペシャルニーズの大きなハードルの 1 つです。それが、インクルーシブになるための 1 つの方法です。

ニーズに基づいて子どもたちを異なる方法で扱う
differentiated teaching(個別化教授法)とは?


そしてもう一方の方法。differentiated teaching(個別化教授法)と呼ばれます。私たちはニーズに基づいて子どもたちを異なる方法で扱うのです。それは本当に難しいスキルです。

それぞれの子どもをよく知らなければなりません。

一人ひとりの長所、短所、興味を持っていることを知ります。一例として、イシャはポニーが好きで、ジョンは戦車が好きで、私は数学を教えているとしましょう。

「イシャ、3匹のポニーと6匹のポニーがいます。全部で ポニーはいくつ?ジョン、3 台の戦車と 6 台の戦車で何台の戦車になる?」

これは非常にシンプルですが、実際にははるかに複雑になります。しかし基本的な核は「すべての子どもがまったく同じ方法で学ぶのではない」と知ること。さらに、それぞれの子どもが何を望んでいるか、何を本当に愛しているかを知ることです。

あなたがそれぞれの子どもをどれだけよく知っているかに基づいて、方法を変えるのです。

すべての教師は医師と同様に学ぶべきです

ーーしかし、実際に、多人数のクラスで、生徒に個別化した学びが可能なのでしょうか?

この質問に対しては、いくつか真実をお伝えします。
クラスの人数が 一定数を超えると、個別の子供を覚えるのは難しく、40 人だと非常に困難です。
生徒一人一人の興味を思い出すのに適切な人数は20人とか、22 人とか言われます。中には 15人が限界だと言う人もいます。

また、教師を訓練し、練習する必要があります。
ところが悲しいことに、ほとんどの教師は学びません! 教育システムの最悪の部分です。

ここから先は

602字
この記事のみ ¥ 300

これまで数百件を超えるサポート、ありがとうございました。今は500円のマガジンの定期購読者が750人を超えました。お気持ちだけで嬉しいです。文章を読んで元気になっていただければ。