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読書拙想文

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読書して思ったことを、つたなくも、つらつらと書きます。
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2016年12月の記事一覧

読書拙想文 『関が原』司馬遼太郎

読書拙想文 『関が原』司馬遼太郎

 2016年の最後に読んだのは、最も大好きな作家の一人である司馬さんの、その数ある作品の中でも最も大好きなものの一つである『関が原』だった。私がこの作品を初めて読んだのは確か中学生の時で、今回で四回目の読了となった。

 司馬さんの作品には大きく分けて二つの類型があり、一つは『竜馬がゆく』(坂本竜馬)や『燃えよ剣』(土方歳三)のように一人の主人公にスポットライトを当ててその軌跡に沿って物語を進める

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読書拙想文 『ラスト・ワルツ』柳広司

読書拙想文 『ラスト・ワルツ』柳広司

拙想文のペースが早いのは、決して『シュメル』を読み進めるのが難しすぎて、他の本に浮気しながら同時並行で色々な本を読んでいたからではない。この間、本書の他に司馬遼太郎さんの『関が原』も8割方読み終わっているなんていうことも断じてない。

本書は『ジョーカー・ゲーム』から始まる柳広司さんのスパイ小説、D機関シリーズの最新刊(といっても文庫化したのは今年の春、書籍化は2年近く前だけど)である。拙想文初の

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読書拙想文 『シュメル――人類最古の文明』小林登志子

読書拙想文 『シュメル――人類最古の文明』小林登志子

シュメル人の文明について書かれた本である。シュメル人の文明と聞いてピンとこない人(私もその一人)は、教科書にも出てきた古代メソポタミア文明と認識してもらっても間違ってないのだと思う。チグリス・ユーフラテス流域に栄えた古代文明である。

古代オリエント史に属する歴史で、私にとって全く守備範囲外であった。では何故この本ょ手に取ったかというと、友人から薦められたからなのだが、友人の推薦文句は「壮大な古代

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