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長崎のキリシタン史

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「長崎と天草地方潜伏キリシタン関連遺産」を中心に、長崎におけるキリシタン史をご紹介します。
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記事一覧

コラム|各時代における布教印刷事業 キリシタン版とプティジャン版

フランシスコ・ザビエルによるキリスト教伝来後の日本では、時代ごとに布教書の出版活動が行われました。 今日では禁教による活動停止以前の出版物を「キリシタン版」、再布教時代にパリ外国宣教会によって再開された出版物を「プティジャン版」といい、ともに現在も各分野における貴重な文献資料として用いられています。 初期布教時代における印刷事業は、イエズス会の司祭たちによる教育事業の一環として行われたことと東アジアにおいて西洋印刷技術が用いられた最初の例であったという特徴を持っています。

Column|History of Oura Cathedral

The Oura Cathedral is a Catholic church that was constructed by French priests from the Paris Foreign Missions Society in 1864. It stands as the second Catholic church to be built in modern Japan, a period that followed the prohibition of

コラム|大浦天主堂の歴史

大浦天主堂は、パリ外国宣教会のフランス人司祭らによって1864年に創建されたカトリック教会です。 日本の全てのカトリック教会が破壊された禁教令の時代以降、近代における教会建築は、横浜天主堂が先例となりました。横浜天主堂は1906年に旧居留地(山下町)から山手町に移転し、建替えられたため、大浦天主堂は現存する国内最古の教会建築です。 1879年に増改築がおこなわれ、内部、外観ともにゴシック調に統一された現在の姿になりました。1933年に国宝に指定され、1953年には国宝の再指