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ラストエンペラーを観て、教授に想いを寄せた今日

先ずは、先日3月28日に亡くなれた、坂本龍一氏のご冥福を心よりお祈りいたします。

その前の3月23日に同じ映画館で「戦場のメリークリスマス」が上映されていたのですが、そのときはまさかその後日に教授の訃報を聞くことになるとは思っていませんでした。教授の体調が良くないのは知っていたのですが、まさかこんなに早く逝ってしまうとは。残念でなりません。ヘッダーの画像は上映時期も近かったのもあり、館内で教授を偲ぶようにポスターが飾られていました。

前々から上映予定はされていたのですが、奇しくも追悼上映となってしまいました。自分も含め、教授にお別れをする意味も込めて平日の朝なのに多くの方(20人位)のお客さんがいました。戦場のメリークリスマス見に来たときは3,4人くらいだったのを考えると別れへの想いが強く出たのかなと感じました。

ラストエンペラー自体は初見だったのですが、教授の音楽は勿論、清王朝のオリエンタルな衣装・建物の映像美、そしてラストエンペラー溥儀の激動の人生が興味深く、面白く観させていただきました。満州の映画?くらいの知識しかなかったのでこういう人がいてこういう事があって今日に至るだと、事実は小説より奇なりを地で行った人なんだなあと。帰宅後、満洲国や溥儀についていろいろ調べてより理解を深めていました。

教授は映画で劇伴も担当されていますが、役者としても甘粕正彦役として出演しております。(というか、最初は役者だけの参加で、撮影終わった半年後に音楽も担当してくれと監督から打診されたとか)満州国の要人として暗躍する、日本帝国の恐ろしさを体現するような男でありながら、どこか色気を持っていて陶酔してしまいそうになる姿は、役者・坂本龍一としての良さが幾分に発揮されていた演技に思いました。終盤甘粕は拳銃で自決してしまいますが、心のなかで「教授が逝ってしまった…」と呟いてしまいました。


坂本龍一演じる甘粕正彦

最後、ラストエンペラーのテーマをバックにエンドロールが流れ、ENDの文字が流れたあと画面は真っ暗なのですが、曲はまだ途中でなり続けておりました。その合間がなにか、この映画を通して教授からお別れを言われている気がして、自分は目を瞑り黙祷する形で教授に別れを言えました。

自分はYMOはリアルタイムではなく、幼少の頃TVのバライティーにたまに出てくるミュージシャンの人というのが最初の出会いだったのですが、バライティーでにこやかにおどける姿と、素敵な音楽をピアノを通じて奏でる姿のギャップに、心動かされた記憶があります。人それぞれの坂本龍一像があるとは思いますが、晩年まで音楽に関わり続け、(教授は老いからだと言っていましたが)次世代のために環境保全や、音楽の楽しさ美しさを伝えてくれた教授は素晴らしい人物だったと思います。
残してくれた作品に感謝を。最後まで作品を作り続けた姿に尊敬を。
ありがとうございました。


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