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加害者になるということ(2)

逃げていた小学生の1人が、こけて怪我をしてしまいました。(擦り傷)


弟にとっては何でもない、このただの追いかけっこが、いかに社会の中では通用しないか。という事が、弟は全く分かっていませんでした。


怪我をした小学生から聞き取りをした保護者は、不審者がいるとPTAに連絡をしました。


PTAの親達は、お父さん達を中心に、不審者を探し出すべく、すぐに行動しました。


車で巡回中、一輪車に乗っている弟を発見した保護者達は、無言で近づき、弟を羽交締めにし、集団暴行を加えました。


血だらけになった弟を警察には突き出さず、PTA独自で身元を割り出し、両親に連絡が来ました。


これが事件の一部始終です。


この時、弟は診断を受けておらず、療育手帳は持っていません。


しかし、障害があろうとなかろうと、弟のした事は、ただの追いかけっこではなく、付き纏い、怪我をさせた立派な犯罪です。


その後のPTAの保護者達の対応も、立派な犯罪だと私は思いましたし、警察に被害届を出すべきだと思いましたが、


私の父の職業を知ると、警察には言わないでほしいと懇願したそうです。


おそらく、父や母が普通の一般的な職業であった場合、金銭を要求するつもりだったんだと思います。


何の支援もなく、本人のスキルが未発達の状態で社会に出るという事は、こういう事だと身をもって実感しました。


弟を守る術は、いたるところであったはずです。
失敗しながら学んでいくという。一般論な考え方はありますが、


その失敗が犯罪でも、同じことが言えるでしょうか。
弟は無自覚で加害者になり、被害者を生み、新たな加害者を生み出しました。

そしてまた、弟も被害者になったのです。


この事件は、あきらかに私を含め、弟の周囲の人間達の責任です。
そして、弟自身の責任です。

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