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続・ほろよい歳時記

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京都と滋賀の二拠点から、酒蔵のある風景を旅して呑んで。四季折々に好きなものを愛で、酔いしれる暮らし。毎日新聞に連載していた「すみれのほろ酔い歳時記」の続編。
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#湖北の暮らし

湖北、観音の里は春

湖北、観音の里は春

早くも、桜吹雪に包まれた京都を離れ、JR琵琶湖線で湖北へと向かう。車窓の景色は湖北にだんだんと近づくにつれ、まるで季節が逆戻りしていくよう。京都に比べて、湖北はおよそ1週間程桜の開花が遅いとのこと。
季節を行ったり来たりする生活も、桜を2倍楽しめると思うと、悪くないものです。

伊吹山の山頂付近には、今朝もうっすらと雪。
近所の日吉神社の桜も満開を迎えていた。

ふと思い立って、隣町へ“観音の里”

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“ルポ&イラストレーター”のしごと。

“ルポ&イラストレーター”のしごと。



秋色から冬色に変わるとき。日々、季節の色を確かめるように、仕事場の窓からじっくりと山々を眺めています。ひんやり、しぐれと共に色を深めていく―。

夏越しの祓から、早いもので年の瀬を迎えます。
春には京都に新たな拠点を持ち、滋賀と京都、大阪を往復する日が続いて、せわしないようで、でもしっかり休むときは休んで、湖北の静かな生活にも、ずいぶん癒されました。

気が付けば、“ルポ&イラストレーター”の

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雨の庭に降りて

雨の庭に降りて

梅雨入り。
気まぐれの晴れ間に、シーツを洗って、気持ちよく庭に干す。

昼下がり、どんよりと曇が重たくなってくる。
2階の仕事部屋にいると、窓から冷たい風が吹いてきた。
あわてて庭へ下り、慌ただしくシーツを取り入れる。

このところ、庭を賑わすのは、どくだみの花。
その名とは裏腹に、可憐な花。
輝くような白さに、はっと目を奪われる。

しばし雨音に包まれる。
こぼれるように蕾をほどき始めた紫陽花た

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祭りと共に過ぎ去った春の日々。

祭りと共に過ぎ去った春の日々。

あの白銀の景色から、季節は巡って、窓から、溢れんばかりの眩しい緑が迫っている。
日々、刻々と移り変わる季節の色を、この山の装いに眺めている。

中でも愛する山色は、桜の咲くころ。
もくもくと湧き立つような山の色を、脳裏に焼き付けようと必死。
自然の織りなす色々を、絵の具にのせていくことが何よりの喜びです。

今年も描いた、唐招提寺のうちわまきへの奉納画二対も、
萌えいづる春の色。
神々の宿る〝山笑

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湖北、冬色の日々

湖北、冬色の日々

ほぅ――と、言葉を無くして、今朝も、我が家の窓から雪景色を見つめていました。
木之本は、今が一番美しい季節かもしれない。
この街のどこにいても、清廉な白のベールをまとった山並みが見える。

新年早々から、京都や神戸へ、仕事で泊りがけで往復する日々が続いていた。せわしない出張から帰る度に、白銀の山々に迎えられ、心が静かに震えた。

雪がすべてを覆い隠した街道の景色は、歴史の武将たちが眺めていたものと

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秋色に染まる北国街道 ―「 街道まつり」

秋色に染まる北国街道 ―「 街道まつり」

今年の紅葉シーズンの到来は早いらしいけれど、湖北の紅葉はそれよりももっと早いようで。
街道から眺める山並みも、すっかり秋の装い。

夕刻、秋色をまとう、木之本のお地蔵さま。

我が家の玄関先に迷い込んでいた銀杏の葉は、どうやら近所の神社からやってきたみたい。
お参りがてら行ってみると、眩しい程の黄色が、秋空に映えていました。

ちょうど、秋の連休中には、木之本の街道まつりが催されていたので、お昼ど

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