マガジンのカバー画像

天変地異・疫病

2
マツリゴトの変化のきっかけにもなった天変地異や疫病の跡を見てみよう。
運営しているクリエイター

記事一覧

貞観大噴火・貞観大地震

平安京ができてちょうど70年経った、第56代 清和天皇の貞観年間には、全国的な大災害が多発した。 ❶貞観大噴火864年富士山で記録に残る中で最大の貞観大噴火が起こる。北側にあった「せの海」が溶岩流で埋まって西湖と精進湖となり、溶岩流が青木ヶ原樹海となった。東海道が通れなくなり迂回路が造られた。延暦大噴火(800-802年)の際、朝廷は富士山に正三位の神位を与え鎮謝し駿河国に祀ったが、貞観大噴火で新たに甲斐国でも祭祀を始めた。噴火は2年に渡った。 ❷貞観大地震869年7月9

文治地震

壇ノ浦の戦いから3ヶ月余りで起きた地震治承・寿永の乱の壇ノ浦の戦い(1185年4月25日)から3ヶ月余りの8月6日、京都を中心に大きな地震が起きた。京都では三十三間堂が倒壊し、岡崎にあった『六勝寺』のうち法勝寺の八角九重大塔が破損するなど、白河エリアを中心に甚大な被害が出た。 琵琶湖の水は北流して干上がり、比叡山も被害を受け、宇治橋は崩落した。京都以外でも津波があったと伝わる。都では9月末まで余震が続いた。 被害のあった三十三間堂は鳥羽上皇に平清盛の父・忠盛が寄進したもの