文化祭でバンドをやった。
この前の夏に文化祭でバンドをやった。同級生のギター2人と後輩のドラム。そしてベースの先生。僕はギターボーカル。バンドなんて一生やらないと思ってた。というかできないと思ってた。でもやった。20分で3曲を。今までにない体験をした。
カネコアヤノ『アーケード』
アーケードはとにかく演奏してて楽しい曲だった。歌詞も「ティーン爆発!」みたいな感じで清々しいのなんの。でも、最初に自分で弾き語りをしてみたときに「これは女性の声じゃないとダメだ」と思って、カネコアヤノを僕にみっちり教えてくれた女友達に声をかけた。元々親しかった友達だったけど、学校ではいつも静かで歌をちゃんと歌っているところなんて一度も見たことがなかった。でも「この人なら歌えるかもしれない」と。だからこそ最初に歌の入ったボイスメモが送られてきた時はすごく驚いたのを覚えてる。求めていた声だった。彼女の口から発せられる歌詞は鋭さと温かさを持っていて、一気に気持ちが高揚した。
「仕事も真面目に行かないし 誰かの言うことききたくない すべてのことに 理由がほしい」コーラスだったけど思いっきり叫んだ。この曲を今よりも気持ちを込めて歌える季節はもう来ないかもしれない、と思う。みんなもカネコアヤノ聴いてね、、
THE TIMERS『デイ・ドリーム・ビリーバー』
デイ・ドリーム・ビリーバー。急遽アンコールで練習を開始。自分のわがままをバンドの曲のみんなに聞いてもらった。夏休みの途中、なぜか突然やりたくなった。文化祭に合わせてギターを新調したのだが、そのギターを買ってくれたのは僕にロックンロールを教えてくれた叔父さんだった。その叔父さんが清志郎のことを大好きだったのもあってこの曲に決めた気もする。
でもそれ以上に、多くの大切な人との思い出を振り返る曲でもあるから、「今やらなきゃ」と思ったのかもしれない。歌ってる最中は気持ちが入りすぎて失敗しまくったけど、それもそれで良い味になったと信じてる。
OASIS『Live Forever』
OASISのLive Foreverは世界で一番好きな曲。「永遠に生きる」すごいシンプルなメッセージ。毎日いろんなものを見て、聞いて、触れる。知識も経験も積み上げていくのが良しとされているけど、ほんとに大切にしたいことは逆にすり減らした先にあるのかもしれないと最近思う。
今はただ自分を生きることに忠実でありたい。それは多分苦しくて、暗い。その先に何が残っていくかなんて分からないし、多分人生そのものは何も教えてくれない。だからこそ生きるスジは絶対に譲っちゃいけない。そんなことをあの兄弟たちが教えてくれた気がする。OASISにはLive Foreverに僅差で2位の曲が10曲ぐらいある。OASISは僕にとっての宗教で、Live Foreverは聖書だ。
「この曲のお前のギターソロは最高だった」とうちのギタリストに死ぬまで言ってあげようと思う。ギターは速ければ良いってもんじゃないんだ。まだまだ全然弾けないけど。
歌っているとき世界の中心に自分がいる気がして、あこがれみたいなやつに少し近づけた気さえした。「いつかステージの中心で歌いたい」。一つ夢が叶ったことが今でも嬉しい。スポットライトが熱かった。終わった後はすごい眠気に誘われた。
バンド結成から、中村旅館さんでの練習、リハ、本番。これを仕事にしたいとさえ思った。なんならその後に数学の授業をサボって歌詞を書き始めたりもした。発表にはまだ少なからず時間がかかりそうだけど。
最近は、みんながOASISとカネコアヤノを聴いているのを横目で見ながらほくそ笑むのが日課になっている。同級生二人と、安定したドラムを叩いてくれた後輩、最高の低音で付き合ってくれた先生に感謝だ。
ロックンロール、またやりたい。
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