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記野式:サクッと!ゲーム業界講座 10月後半号

10月も後半です。あと2か月くらいで2023年が終わってしまいますね。ということで海外では年末商戦が本格化しています。

まずは2年越しで完了したMicrosoftのActivision Blizzard 買収に関してまとめた「まえがき」から始めます。

アメリカ市場データCircana(旧NPD)の9月分、ヨーロッパ、イギリスの9月のゲーム市場、9月のPSNゲームランキング、それから9月の世界のモバイルゲーム市場についても報告します。

最後はNetflixの2023年第3四半期決算に絡めて同社の動向について語っていきます。

本記事での為替レートは1ドル=149円で計算しています。


<記野式まえがき:Microsoft の Activision Blizzard 買収完了>

2022年1月に発表された Microsoftによる Activision Blizzard の買収は、2023年10月13日(アメリカ時間)に完了されたとのことです。買収額は687億ドル(約10兆2,363億円)。当時と為替が違うため日本円にすると(1ドル=115円程度でしたから7兆9,000万円くらいと言われていました)ものすごい金額の差になっていますね。

2年近くの時間をかけてアメリカ、イギリスをはじめとする各国の規制当局からの承認を得るための闘いを経て、Activision Blizzard は正式にMicrosoftの傘下に入ることになりました。

1.イギリス競争市場庁(CMA :Competition and Markets Authority)がOKを出した!

これまで記野式でもお伝えしてきた通り、各国の規制当局からのツッコミや競合他社であるソニーからの反対などを受け、時間と労力を使ったわけですが、本拠地アメリカにおけるアメリカ連邦取引委員会(FTC:Federal Trade Commission)の訴訟を取り下げさせ、最終関門であったイギリス競争市場庁(CMA :Competition and Markets Authority)が10月12日に最終承認をしたことにより成立しました。

CMAは12日に「クラウドゲーミングに関するMicrosoft の譲歩は競争を促進する「ゲームチェンジャー」であり、クラウドゲーミングを他社に譲ることで(*)競争力のある価格とサービスを維持するものである」と結論づけて承認したとのこと。

(*)8月に、Microsoftは同社が今後15年間リリースするゲーム機用コンソールゲームを含む全ゲームタイトルのクラウドストリーミング配信権を同業のUbiソフトに売却すると発表しています。これによりCMAが懸念するMicrosoftが「クラウドゲーミングを独占しようとしている」疑いを払しょくしたと考えられています。

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