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記野式:サクッと!ゲーム業界講座  12月前半号

こんにちは。いよいよ2021年も最後の月「師走」になりました。さすがに気温も低くなっていますので、オミクロン株(覚えられない…笑)のみならず風邪にも負けず春まで乗り切りましょう!

noteが斬新されてかなり記事も書きやすくなりました。画像にキャプションがつけられるようになったので画像の説明も加えられるようになりました。

本号もいれて今年もあと2回。気を抜かず頑張って書いてまいりますのでおつきあいくださいね!まえがきは今年のアメリカのブラックフライデー(Black Friday)がどうだったかを社会的な側面から語ってみます。

目玉はSensor Towerの2021年の世界のモバイルアプリ市場総括です。今回も長いですよー。笑。なお、本記事での為替レートは1ドル=114円で計算しています。早速行きましょう!

<記野式まえがき:ブラックフライデー(Black Friday)/ サイバーマンデー(Cyber Monday)はどうだったのか?>


前号でブラックフライデー(Black Friday:サンクスギビング翌日の金曜日=
今年は11月26日)とサイバーマンデー(Cyber Monday:サンクスギビング翌週の月曜日=今年は11月29日)のお話をしましたけど、終わりましたねー。はい、アメリカではゲームのみならずあらゆる商品が年間で一番売れる日です。そんなアメリカの2021年のBlack Friday/Cyber Mondayがどうだったのか速報が入っていますので垣間見てみましょう!

1.今年はよくなかった?

アメリカでのホリデーシーズンのお買い物と言えば、ドでかいモールに車で出かけてたくさんの商品を買う!ってイメージですよね!

これはきっとBlack Fridayの朝の6時だよ

小売専門のコンサルタントSensormatic Solutions社の調査によると、今年のBlack Fridayの実店舗への来客数は昨年2020年と比較して48%アップとなっており、新型コロナ感染拡大がピークだった昨年と比べて多くの人が街に繰り出したと考えられます。ただ、パンデミック直前の2019年と比較すると、28%ダウンしています。

では、みなオンラインで買い物したんでしょうか?Adobe Analyticsによると、アメリカのブラックフライデーのネット販売による売上は89億ドル(約1兆146億円)で前年90億ドル(約1兆260億円)で微減。サイバーマンデーは?というと107億ドル(約1兆2,198億円)でやはり前年から1.4%ダウンしています。

とってことでリアル店舗もオンラインもあんまり調子が良くなかったのかな?どうもそうじゃないようです。

2.サイバーウィーク(Cyber Week)より前から始まっていた!

Salesforceによると、パンデミックの際に確立されたオンラインで買い物をするという習慣は、今年のホリデーシーズンでも力を発揮しています。

オンライン販売で商品を買うのは当たり前になりましたね


Salesforceの12月1日のレポートによると、2021年のサイバーウィーク(Cyber Week:11月23日~29日)の全世界のオンライン売上高は、前年比2%アップの2,750億ドル(約31兆3,500億円)、アメリカでは前年比4%アップの620億ドル(約7兆680億円)となりました。うむ、全体では悪くないですよね?

実はもっと前から調子が良かったんですよ!Salesforceによると11月の初めの3週間におけるオンラインでの売上は740億ドル(約8兆4,360億円)を計上していて前年比10%アップ!全世界で見ると前年比5%アップの2,970億ドル(約33兆8,580億円)でした。なんとも世界のオンライン消費の4分の1がアメリカだったという…やはりホリデーシーズンのアメリカはすごいっすね。

お店に買いに行かなくても家に届くのです!

要はいつもより消費者の消費行動が早かったんです。もちろん売る側も早くからセールを始めていたんですが…。なんでこんなことになったの?

3.今年は異例ずくめだった

オンライン販売をする売り手がわざわざブラックフライデーやサイバーマンデー当日だけに向けてセールをする、ってことはなくて、かなり前倒しでセールをしていたということもあります。

が、今年は異例のことが様々あったのです。

(1)インフレ

デフレが続く日本とは大違いで、アメリカの10月の消費者物価指数は前年比6.2%アップ。これに原油価格の高騰が追い打ちとなり、ホリデーシーズンの商品の価格が高騰し、小売価格は前年同期比11%上昇したと言われています。

ガソリンの高騰は商品の価格にも影響

(2)サプライチェーン破綻による品不足

私もここで何度も書いていますが、サプライチェーン(供給網)の破綻による半導体供給不足で、電化製品、エレクトロニクス商品などの品不足が起こり、アメリカの消費者の「早く買っておこう」というマインドに火をつけました。

原材料の調達から製造、生産、配送までの流れをサプライチェーンと言います

小売店の手元にある在庫商品の数量は前年比で6%減少していると言われています。「セール」というのですから「値引き」を期待するのは当たり前ですが、売る側からすると在庫が十分にないため思い切った値引きもできないのです。

ゲーム機も新型が発売されて1年以上経つのに欲しがっているゲーマーたちの手に届いていないと再三お伝えしていますね。

(3)流通網の混乱

ポストコロナで経済活動が戻りつつあり消費者の需要も回復してきたため、各種小売業者が商品を揃えたいと思っている中、上記サプライチェーンの破綻により、輸送ネットワークも混乱を極めています。

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