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記野式:サクッと!ゲーム業界講座 1月後半号

2024年が始まって2回目の記野式です。今回はいっぱいお伝えすることがあるのでまえがきはありません。Circana(旧NPD)など世界の12月セールスデータもそろいましたので、2023年のゲーム業界がどうだったのかが見えてきました。

アメリカ市場データCircana(旧NPD)の12月分、ヨーロッパ、イギリスの12月のゲーム市場、ココで2023年の世界市場をコンパクトにまとめてみます。

その後12月のPSNゲームランキング、それから12月の世界のモバイルゲーム市場についても報告します。

その他のニュースでは注目の『Palworld(パルワールド)』最新情報もギリギリで書き加えてみましたのでご一読願います。

本記事での為替レートは1ドル=148円で計算しています。


<2023年12月 米国ゲーム市場動向 Circanaデータ分析!>

それでは2023年12月のCircana(旧NPD)レポートを見ていきましょう。アメリカでは、ソフトウェア、ハードウェア、アクセサリーの全分野で昨年の売上を上回っています。しかしながら、通年で見てみるとあまり芳しくない結果になっています。以下に詳細を見ていきましょう。

1.2023年12月の市場概況

レポートによると、2023年12月のアメリカゲーム市場の売上は79.06億ドル(約1.1兆円)で、前年同月比4%アップとなりました。12月だけを前年比でみると悪くない成長率でした。ソフトウェア、ハードウェア、アクセサリー全てにおいて、比較的良い成長率をみせています。

しかしながら、通年で見てみると市場全体で前年比1%アップに留まっています。コロナ明けで、ゲーム業界全体の成長が鈍化してきていると言われてはいましたが、予想通りほぼ横ばい。2022年はアメリカでのゲーム売上が5%ほどダウンしていますから、1%とはいえ辛うじてプラスに転じたのは、コロナバブルが弾けた2023年のゲーム業界にとってせめてもの救いかもしれません。

2.ハードウェア考察

2023年12月のハードウェア売上高では、前年比4%アップの15.98億ドル(約2,365億円)で、PlayStation 5が売上金額、台数共に最も売れたハードとなり、1ヶ月に売れたソニーハードウェアの売上金額としては新記録を塗り替えました。

Nintendo Switchは金額、台数共に2位に着けましたが、売上金額では前年比10%以上の大幅なダウンです。

PlayStation 5 の半導体不足解消に伴って、ハードがめちゃくちゃ売れている様子は過去の記野式でも度々書いてきました。しかし蓋を開けてみるとハードウェア全体で前年比0%アップ。数字上では1,200万ドル(約17.7億円)ダウンとなっています。

この主な原因は、Nintendo Switchが飽和状態にある(ユーザーにもう行き渡っている)ことによる売上ダウンとXbox Series X|Sの不振によるものです。これらのマイナス分を、爆売れしたPlayStation 5がカバーしたという構図です。Nintendo Switchのマイナス原因は明らかにハードウェアの寿命によるものですから心配はないですが、Xbox Series X|Sの不振についてはかなり深刻な問題かもしれません。

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