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ナンバーワンよりオンリーワン、さらには特別感って、しんどくない?!

少し前によく耳にしたスピリチュアルカウンセリングでは、「あなたは特別なんですよ〜」という耳障りの良いことをよくいわれます。哲学的に、そして倫理的には一人一人特別な存在ではありますが、きっと皆さんが思う“特別”は芸能人ばりに注目されたり、snsなんかで発信力と影響力があって注目される人、だとかその類なのではないのかな、と。「♪ナンバーワンにならなくてもいい、もともと特別なオンリーワン〜」は、今や「一番じゃなく、もっと特別な唯一無二」という「他と違うこと」をとても強調していっているように感じるのです。

この「特別」が厄介ですよね。

注目を浴びたい、や賞賛されたい、という欲は昭和な男の人にとってはそれが張り合いであったり仕事のモチベーションにもなったりと、割とよく見受けられましたが、今やsnsの時代。この注目されたい、や賞賛されたい、が身近な人ではなく知らない人に!となっているので、いつまで経っても満足できないのかもしれません。。なかなか思う通りに賞賛されないのですから…あ〜悲しや。

私の父は芸能関係の仕事を昔からしていて、私も撮影所内には物心つく前から出入りしていました。撮影所内にはテレビでよく観る女優さんや俳優さんがいらっしゃって、幼少期は挨拶に緊張していたものでした。そんな芸能界の方々に、皆さんも憧れたり、あんな風に注目されたりしてみたいな〜なんて思われる方もいると思います。が、です、幼少期から裏側まで見ていたりすると、大変な仕事だな〜〜とつくづく思いますし、有名税ではないですがそりゃそれだけの収入はもらって当然なんだろうな〜と思います。

ドラマの撮影で、セットなんか埃っぽい、道具がそこら中にあって照明さんや美術さん、スタッフの方々がわんさか周りを取り囲み、その中で、泣いたり抱き合ったり〜、皆が一斉に見ているわけです。そりゃ注目です。そりゃもう、現場にいると息をするにも潜めてしまいます。「はい、カット!」でやっとスタッフも動けるという。そして下手すれば一日中何時かわからない天気もわからない、夏場は暑くて冬場は寒いそんな環境で大勢の人に囲まれながら泣いたり笑ったりするわけです。しかも、自分ではない違う人格を表現するわけですから、なんとも過酷な仕事だな、なんて思います。それをやり遂げて、そんな環境の中でも映像の中で人を感動させられるだけのものを届けるのですから、そりゃ特別な方々なんです!それをこなせるのは。

そして、その特別な方々は、普通の、ちょろっと買い物に行って、ちょろっとお友達とランチして、というのが自由にいかないわけです。もちろん自由に気にしない方もいらっしゃいますが、確実に「あ!」なんて思われているわけです。握手してください、やサインください、の言葉に「え?」となる場面にも出くわします。それが、注目されるということです。そりゃ特別なわけです。特別、とは、こういった不自由も含めて特別なんですよね。。

人と違うことが当たり前で、人と違うことを良しとして、個性を出すことが要求される社会というのも、この日本ではもしかして自分で自分の首を絞めているのでは?と思うこともしばしば。現代で苦しむ原因の1つに、自分の特別感を出さなくてはいけないこと、そして人と同じくではない意見を求められること、です。普通に会社で働いて、仲の良いお友達と楽しく喋って、が本当は楽しかったらそれで良いはずなのに。

今、自分は何もない、なんて悩んでいる人がいたら、特別感を持つことが正解じゃないよ〜って言ってあげたい。人と違うことが正解じゃないよ〜って。そもそも特別になりたい、ってなんでそう思ったの??ひと昔前のドラマを見て欲しい(笑)。そりゃもう、恋愛第一!あなたの特別になりたい!!だらけだったんですよね。そして、それを追い求めている人たちの元気なこと!もしかして、誰かの特別でありたい!の方が心として健康で、そしてその方が特別感をゲットしやすいのでは?と思えてきました。

久しぶりに、東京ラブストーリーや男女七人夏物語あたりを見ちゃいますか。わたし的には、マライヤキャリーの主題歌でもあった「29歳のクリスマス」がイチオシです。主人公の山口智子さん演じるのりこが婚約者から突然別れをいい渡されるわ、仕事で思っても見ない部署へ飛ばされるわ、気づくと十円ハゲができるわで、そりゃもう嫌になっちゃうことで出発するのですが、友情と恋愛!それがある!!そしてず〜〜っと喋っているのです、このドラマ。いや〜、健康ってこういうことだよな、と。

今宵はネット配信で見ようかな、29歳のクリスマス。なんだか最近のドラマは頭を使わせられるドラマが多いので、こんなパワフルな、そんなバカな!wとツッコミを入れるドラマもいいのでは、なんて思うのでした。



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