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希望をくれ…。。。

どうなんだいこれは…。。。
落ち目の初老が二人でアンプ効果のようなこの結果
否定のしようがないではないか…。。。
そうといってカードに願いを込めるのも違うので
ワシ等は同じく次のカードを選んだ
1年先の未来は。。。

◎ワンドの10 逆位置

現実逃避 責任放棄 疲労困憊
キーワード すべてを投げ出す

「…。。。」
無言の彼は妙に納得してる顔だった…。

ワシも言葉を失った…
これは彼の占いではない…。
ワシ等の占いだ…。。。

ちょい先は苦しいが
それ乗り越えたら下振れの見返りてとして…。。。
ズッドドドドドォwwwwwwン!
上昇気流が止まらんぞぉ…。。。

もちろんワシも本気で期待なんかしてない。
彼ほどの納得はナイにしても
ある程度の諦めはしていた…。
淡い期待をしていただけだ…。。。

「どうにもならんな…。。。」
諦めた口調でワシがつぶやく…。

「もう1枚引かね?」

「いやいやいやいや。。。
 立ち直れなくなるぞ…。既に再起不能だし…。」

「これじゃ…いくらなんでもさ…。」
意気消沈していた…。。。
痛い程わかる…。ワシも同じだ…。。。

「じゃ…補助カードみたいなやつを1枚引こう。
 未来のカード2枚に対する助言みたいな意味で
 こんなやり方アリかどうか知らんけど…。」
彼にはどうにかこれで納めてもらおう。。。

~ 昨年の5月 ~ 
ワシはその年初めて彼のお店に顔を出した。

「いらっしゃいませ…。お、久しぶり」
彼とワシが会うのは彼のお店のみで
プライベートな付き合いは丸っきりない。

彼はなんとも思ってないだろうが
ワシは初めてあった時から彼に憧れている。。。
それは今も変わらない。。。

その日はカウンターに独りの女性客…
常連と思われる独りの男性客…の2名がいた。
L字のカウンターに離れて座っていたので、ワシは必然とその間に座った…。

ワシは昔から
他のお客さんの会話を聞くのが大好きだ。
その頃は流行り病の最中で
彼のお店も時短営業を強いられていた…。
もちろん多分に漏れず客足は途絶えた。。。
それでも国からの補助金でなんとか凌いでいた。

そんな中…。
ワシのすこし離れた左側に座っていた女性客が
景気のよい話を繰り広げていた。。。
右側の男性客もまた影響は少なく悠々自適な生活をしている常連客だ。。。

その日のワシは大分気持ちが滅入っていた…。
喜怒哀楽をあまり表に出さないがそのかわりだが
ワシは常に笑顔を心掛けている。。。
ワシが不貞腐れた顔で怖い方に絡まれるのが怖いだけだ。
そう…ワシはただの臆病者なのだ…。

そんなとき彼と他愛もなく下らない会話をして
最後には
ま…ナンとかなるんじゃね…。。。と
気分転換して帰ろうと思ってた。。。
希望が欲しかった。。。

閉店時間になりお客さんが帰ったあとに…。。。
「こんな世の中でも
 上手いこといってるヤツもいるんだな…。。。」
ボソリ…。。。

その台詞で感情がシンクロしてしまった…。。。
「なにどうした?ワシの憧れのキミが…なんで?」
「実はワシも終わりなんよ…。。。」
つい言ってしまった。。。

ワシと彼は生年月日が同じの悪友だ…。。。
若気の至りは人並みにあれど
ワシ等結局過去の精算が済んでないのかもな…。



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