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赤星拓さんのセカンドキャリアへの挑戦①:「受けた恩を皆さんに返したい」

今回は昨シーズンまで現役でプロサッカークラブに所属していた赤星拓選手の、現役を引退後の初めての取材に同行させていただいたので、彼の思いやその人間性をより多くの人に知ってもらいたいという思いでこの記事を作成しております。

なお、「良いこと」「悪いこと」はこれを読んだ方が判断されるべきであるということを本人も語っていましたので、できる限り「事実をお伝えする」という形で赤星さんのセカンドキャリアを紹介させていただこうと思います。

彼について

赤星拓選手はプロサッカークラブのサガン鳥栖に2007年に加入、その後チームを守護神として12年間に渡って支えてきた選手です。晩年は半年間、徳島ヴォルティスに期限付きで移籍をした後に現役を引退されています。その時の話をお伺いしてみると

徳島でフィット出来ず、アウト。その後鳥栖から延長はなく、年齢、自身のパフォーマンスを考え、最終的には鳥栖以外でのプレーは想像できなかった上に、なにより鳥栖で辞めたかったので引退を決意した。

全ての関係者、両クラブに感謝しかない。

そして、サガン鳥栖の赤星拓であるという誇りがあり、鳥栖以外でプレーをしている姿を想像することができなかったことが彼の引退を決意した一つの理由だとお伺いしています。

また大学生でまだ社会のことを右も左も分かっていない僕に対しても、非常に紳士に対応してくださることはもちろん、後でも述べるようにプロサッカー選手という夢を与える存在であることを重々理解しているような誠実な人間性はこの取材で分かりました。

引退直後

通常サッカー選手が引退をした後のキャリアでは、引退したチームだけに関わらずサッカーチームのコーチになることが一般的と言われています。

そんな中で、その一般的な道をたどらないセカンドキャリアを目指しているのうちの一人が赤星さんであるということは最も皆さんに知ってほしい点です。

「自分がいままで応援して頂いた恩を返したい」と、応援してくださった指導者、後輩、友人、そしてベストアメニティグループ様のように、個人的に長い間お世話になった企業や、現役時代にお世話になっていた病院、医療関係の皆様、また福祉施設など数えきれないほどの方々へ恩を返すためにも、無償での社会貢献活動に取り組まれています。

サガン鳥栖に支援をしてくれていたベストアメニティグループ様主催のイベントへの参加も:本人のインスタグラムの投稿より引用)

本人曰く今の活動について「指導者としてのキャリアを選んでいたら出会うことができない人たちと出会うことができる」と非常に前向きに、自分のプロサッカー選手としての経験をサッカーとは関わるのある人だけでなく、全くサッカーを知らないという人にまで伝えようという思いがあるといいます。

彼の経歴があればサッカーの指導者という道を選べば安定した給料を得ることができる可能性は比較的高いはずですし、サッカーをしている子たちにダイレクトに自分の経験を伝えることができると思います。

しかし、そんな中で「現役時代に自分を応援してくれた人たちに恩返しをするため」と地道な活動を続ける赤星さんの活動をより多くの人に知ってもらおうと、その活動に同行させてくださいと申し出たところ、写真撮影と取材の許可を快く受けてくださいました。そのため、今回はその活動の一つである「学校訪問」でどんなことを子供たちに伝えていたのかを紹介してみようと思います。

「総合」の時間:プロサッカー選手

今回の活動は中学校の「総合」の授業ということで、消防士、美容院、声楽家、保育士、建築士の方など約10名の先生によって、中学一年生の子供たちが6~7名ほどのグループを作り、それぞれの講師の先生のお話を聞いていくという、少し珍しいオリエンテーション型の授業でした。

テーマとしては「将来の夢に出会うために、様々な職業の方とお話をしよう」というようなもの。


授業が始まると、緊張した面持ちの生徒さんたちを和ませるように様々な質問を持ちかけていきながら徐々に「夢」についての話に触れていきます。

最初に赤星さんがした質問が、

「Jリーグって知ってる?」

というものでしたが、なんとその場に「知っている」と答える生徒さんは誰もおらず。しかし、まずはJリーグがどういうものなのかを丁寧に説明するところから話は始まります。

生徒さん一人一人の夢を聞いていき、しっかりと頷いて次の話に移っていくというように対話に近いような方法で話をしており、生徒さんからしてもただ話を聞くだけで終わる訳ではなかったので、ただ話を聞くだけで終わるよりも多くのことを持ち帰ることができたと思います。

何度かグループが変わっていきながら同じように出来る限りのすべての方法を使って自分の経験を生徒さんたちに伝えていました。

「いま目の前にいる中学生の生徒さんたちにとって、プロサッカー選手の話を目の前で聞くという経験は一生忘れないものになるかもしれない」と考え、どのグループに対しても分け隔てなく分かりやすい言葉を用いて「夢を叶えた人」であるという視点から、今回のテーマである「将来の夢と出会う」過程にある中学一年生の生徒さんたちに言葉を届けていました。

また、その中で

「夢を叶えるためには努力をする必要がある」

ということを欠かさず伝えていました。

プロ野球選手になりたい、プロサッカー選手になりたい、消防士になりたい、ネイリストに、看護師に、医者になりたいというように様々な夢が生徒さんの口から飛び出してきました。

「未来の自分を決めるのは今の自分だよ!」
「同じ時間を過ごすなら目標、夢に向かって毎日を本当の意味で楽しく過ごしてみてはどうかな?そうすれば見えなかった沢山の事が見えてくるよ!」

このようにいまから動き出しを始めるような中学一年生の生徒さんたちに勇気を持てるような言葉を贈っていました。

休み時間になるとサインを欲しがる生徒さんの列が出来ましたが、誰一人に対しても嫌な顔をすることなくそれに応じていました。

ここにいる生徒さんにとって最初で最後になるかもしれない「サッカー選手と会うことができる」という機会を、素晴らしいものだったと思ってもらえるような振る舞い方はそのプロ意識の高さの現れだったと思います。


最初にも述べたように、赤星さんの「言葉の選び方」というものを最後に今回の活動の紹介を締めようと思いますが、

「人に何かを伝える」ということは、誰に伝えるのかによって、どうやって伝えるかを変えていく必要があります。

赤星さんの場合は、まず相手が話題についてどれくらいの知識があるかという確認を怠りません。それが明確でないまま話を進めてしまえば、実は分かっていなかったということもあり、正確に思いを伝えることができないかもしれません。

中学生を対象にした講演であってもそうです。「サガン鳥栖って知ってる?」「Jリーグって知ってる?」「サッカーはしたことある?」といったように、相手がどれくらいサッカーを知っているかはもちろん、それを知らなかった場合でも「夢を叶えるために必要なこと」は何かという切り口から話を進めていきます。形にこだわるのではなく、本当の意味で自分の経験を多くの人に伝えたいという思いが伝わりました。

また、大学生の僕に対してもそういったことを考えて話をしてくださったのは凄く印象的で、初めての取材ということも考慮して、様々な知識を教えてくださいました。僕自身はプロサッカー選手と初めてここまで深い交流をさせて頂きましたが、サガン鳥栖というクラブを12年間という長い間支え続けることができるだけの広い心と強い精神力を持つ方と出会うことが出来て本当に幸せです。

終わりに

今回取り上げた学校訪問は彼の活動の一つでしかありません。

さらには、こういった活動だけで家族を養っていくことは難しいことも事実です。しかしながら、今回紹介した活動のようなソフト面を続けていけば、それを必要としてくれるハード面を担う企業からお声をかけて頂いているというお話もお伺いしていますが、1月末を持って完全に所属が無くなったということは「正直に言うと不安」と語っていました。

「いまやっていることがお金につながるとは思っていない。ただ、いままで応援をしてきてもらったのに、いざ自分が引退をした時に誰に必要とされた時に何もしないのでは自分勝手だと思う」

という話から分かるように、誠実で受けた恩に対する感謝の気持ちを忘れないまっすぐな方であることが一日同行をさせていただいた率直な感想です。


サポーターとしてサガン鳥栖を長きにわたって支えてくれた赤星選手のために直接的に出来ることは少ないかもしれませんが、インスタグラムへの投稿などに「いいね」を押す、激励のメッセージを送るだけでも心強い味方になれると本人も仰っていました。

ぜひ、彼の行動を少しでも応援したと思われる方はそちらもフォローをして彼の活動を確認されてください。

※上記の投稿から「プロフィールを見る」よりフォローをすることができます。

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なお、最後に一つだけ告知を

豊田選手、そしてベストアメニティ様のご厚意により3月24日に赤星拓引退報告会を開催いたしますことをお知らせいたします。

《報告会、撮影会》 日時 2019年3月24日(日) 14:00〜16:00 場所 駅前不動産スタジアム 会議室 定員 無制限 資格 不要
《拓、拓、赤星拓、お前がすべ〜て〜会》 日時 3月24日(日) 17:30頃目安、調整中 場所 天然田園温泉 ふかほり邸 定員 30名 資格 赤星拓ユニフォームを所持している方優先


以上で記事は終わりですが、赤星さんのように頑張っている人を継続的に応援する意味も込めて、今回はパート①という形でお送りしております。

僕が取り上げることができるのは彼の活動のほんの一部ではありますが、このような形で多くの人に知っていただけることを願って次回の投稿までご確認いただけたら嬉しい限りです。




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