見えないあなたへ

LGBTがいない責任は俺にある

今日は謝らなきゃいけない事がある。

同性愛者を含む「性的少数者」は20人に1人と言われているが、
その実感を持てる人は、一体どれくらいいるのだろう。

俺には実感が無い。そんなに何人も知らない。

そして、その責任は俺にある。

未熟と、無配慮と無自覚と、勇気の無さの結果がこれだ。
届くかどうかはわからないけど、この場を借りて謝りたいと思う。

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20人に1人と言うと、学校のクラスに1人はいるという計算だ。
割合から言えば、日本には「佐藤さんの3倍」の性的少数者が暮らしている


けど、やっぱり実感は湧かない。本当に?すごく多いな。
俺の身の周りには、そんなに沢山はいないな、って。

でも、わかってる。「いない」んじゃない。
俺には「見えていない」だけだ。

勝手に「いないと思ってる」だけで実際は、すぐ隣にいるのかもしれない。
すぐ隣で傷つきながら、「この人には話せないな」と、言葉を飲み込んで笑っているのかも、しれないんだ。

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「クラスに1人」と聞いて思い浮かぶのは、学生時代に「オカマっぽい」とか言われてイジられていた、何人かのクラスメイト達の事だ。

彼らはいつもバカにされて、笑われていた。彼らも困った顔をして(どうしたらいいかわからないといった様子で)、笑っていた。本当に恥ずかしい事だけど、当時は俺も笑う側に立って、一緒に彼らを指差した。

社会に出てからも、似た場面に遭遇することは多かった。

会社の営業マンには、すぐに誰かを「ホモ」とか「ゲイ」とか呼んでからかう人がいた。そうやって名指しされる人はいつも同じで、やれやれまたかといった風情で立ち上がり、「ホモネタ」で笑いを稼いだ。俺はそのやりとりを不愉快に思いながらも、場の空気を損ねないよう、飲み込んでばかりいた。

ここで言いたいのは、その彼らが本当に「そう」かもしれない、という事じゃない。それはわからない。

そのやりとりを見ていた中に、性的アイデンティティに悩む人が本当にいたかもしれない、という事だ。

いや、20人に1人という割合を考えれば、確実にいたのだと思う。
彼・彼女たちはきっと、オカマだホモだゲイだと指さし、笑っている中にいる俺を見て、「この人には話せない」と思うだろう。
書きながら自分で、そりゃ身の周りに少ないわけだよな、と苦笑してしまう。

俺の周りに、同性愛者はそんなに「いない」。
堂々とこう言えてしまう事は、自慢でも何でも無い。恥だ。

自分の目に映らない人を、「見えないから」と言って、蔑ろに扱っていたかもしれない。無自覚の暴力が、隣の友人を傷つけていたのかもしれないと想像すると、強烈に胸が痛む。
本当に、恥ずかしい行為を繰り返してきた。

でも、だからと言って「カミングアウトして欲しい」とか、そんなつもりは全くない。「見えないまま」を選ぶのは個人の自由だし、繰り返すけど、その責任は俺にある。それに実のところ、異性愛者でも同性愛者でもどちらでも、友達に違いは無い。そんな事じゃ、なんにも変わらない。

だから、あなたが俺にとって「見えないまま」でも、それは構わない。
ただ俺は、見えないなら見えないままで、
見えないあなたに、謝りたい。

今まで、本当にすまなかった。
もし許してくれるなら、これからもどうか友達でいて欲しい。

性的少数者の偏見解消へ 超党派で議連立ち上げ(03/17 テレビ朝日)
【動画あり】http://news.tv-asahi.co.jp/news_politics/articles/000046540.html

#LGBT #セクシャルマイノリティ

そんきょば @kyonghagi

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