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エレカシ日比谷野外音楽堂のコンサートを観た

初めて映画館でエレカシのライブ、しかも生中継を観た。丸の内ピカデリーだから、野音までは歩いて数分。近くで実際に演奏していると思うと、臨場感がある。
大画面のスクリーンで見た宮本さんは、本当にきれいだった。シミひとつない肌、白い歯、でも人工的に手入れされてる感はない。加齢による変化はあるけど、すごく高級なビンテージ品みたいだった。

全体を通して、初々しいとしか言えないライブだった。35周年を迎えたバンドが、これほどみずみずしい音を出すのは何故なんだろう。
「はじまりは今」という、これまた清々しい歌で、宮本さんは涙を流していた。
何を思っての涙なんだろう。

フラワーカンパニーズの名曲「深夜高速」じゃないけど、歳をとればとるほど透き通るバンドだよ。前半は特に純度の高い、文学的かつ抒情的なエレカシの音だった。
宮本さんの喉の調子も良く、高音も伸びやかに響く。その反面、ゆらぎのある演奏。
サポートギターを入れていないから、隙間のある音がかえって心地良かった。
まるで殴り書きのようなラフデッサンに、一部だけ超絶技巧で描かれたモチーフがあるような絵画のよう。
こんな味わいのあるバンドは唯一無二だ。

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