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我孫子駅「弥生軒」はなぜJR東日本に殺されないのか

こんばんなまらステ💚Kyoskéこと厚沢部煮切(あっさぶにるぎり)だべさっ✨

今日久々にJR我孫子駅の名物駅そば「弥生軒」の唐揚げそばを食べたんだけど、

全然メシ時といえる時間帯でもないのに、ひとつの店が品切れになっていたこともあり激混み。

しょっちゅう満席(立ち食いなのに❓)になり、オーダーを待つ人で列が延びる延びる。

西日本の人気駅そばである姫路駅の「まねきのえきそば」でこんな光景見たことない。

ちなみに我孫子より姫路の方が乗車人数で倍近い差があるし、新幹線やいくつもの在来線が集まる姫路は乗車人数に現れない利用者がいるので、条件は遥かに姫路の方がいい。

首都圏の駅そばの大半はご存知の通りJR東日本系列の軍門に下ってしまっている。

有名なのはNRE(株式会社日本レストランエンタプライズ)で、特に初期の品質の悪さや、国鉄時代の名物駅そばを押し退けて販路を拡大してきたことから、駅そば好きからはいい評価を受けていない。

2010年代後半からJR東日本グループの事業再編が行われ、現在はJR東日本の飲食や販売部門はほぼ株式会社JR東日本クロスステーションに集約されているけれど、

NREは駅そば用語としては悪い意味で生き残っている。

非NRE系としてよく知られている品川駅の「常盤軒」や東神奈川駅の「日栄軒」なんかにしても事業統合の結果としてJR東日本クロスステーションがどこかに絡んでいるけれど、

「弥生軒」の名は確認できない。

このなかにないところとして、

武蔵浦和「彩むさし」、橋本と北朝霞の「一ぷく」は株式会社ジェイアール東日本都市開発がやっていて同じ穴のムジナ、

大宮「駅そば」は株式会社ルミネアソシエーツというJR東日本だけどちょっと異質な存在。ここは結構好き。

首都圏において本当にJR東日本の系列ないし系列からの受託関係にすらないのは、

池袋や上野などの「爽亭」、秋葉原の「新田毎」、そして「弥生軒」しか多分ない。

「爽亭」は株式会社ジャパン・トラベル・サーヴィスという会社で、国鉄時代に国鉄駅構内で幅広くチェーン化していたことから、JR東日本にとっても手を付けられない存在になっており、名古屋駅の名物きしめん「住よし」もこの会社。

NREの対抗勢力JTSとして持ち上げる人も多い。

「新田毎」は有楽町のステーキカレーで有名な「ふくてい」を運営するメトロ商事株式会社がやっており、「新田毎」もステーキカレーが有名。

本来ならここだってJR東日本が資本投入を迫ってきて不思議じゃないんだけど、そーなっていない。

結局、「新田毎」と「弥生軒」だけがなんとか孤軍奮闘しているってことになる。

なんでそんなこと可能なのかって❓

売れてるからでしょ。それ以外の理由ないと思う。

JR東日本的にはこの駅にはこれだけの利用があって、この店の前にはこれだけのパーソントリップがあるなんてことは全部調べてて当たり前。

そして、そこに自社の駅そばを出したらこれだけ売れる、というシミュレーションは当然にある。

要するにこの2店がJR東日本に払うショバ代が、JR東日本の直出店シミュレーションを凌駕しているから、JR東日本としても手を出せないんだな。

売上だけじゃなく、経営基盤も関係していると思う。

東神奈川「日栄軒」、品川「常盤軒」なども売り上げ面ではクリアしているけれど、店舗の修繕費用が出せるかとかそーゆーところでJR東日本に付け入られたと思われる。

「弥生軒」は合名会社彌生軒の運営で、この合名会社っていうのがまた他の資本を介在させにくい仕組みでもある。個人商店の延長線上っていうかさ。

自分が行った時の「弥生軒」は自分も含めて全員がヨソモノだと思うけど、平日の朝見てるとジモトの人ばかりで、かつ女子高生やOLが目につく。

蕎麦・饂飩を入れず、蕎麦つゆに浸かった唐揚げが炭水化物のないメニューとして好まれている様子。

おやつの時間帯でも結構そういう頼み方がされる。

コンビニの唐揚げ、フライドチキンの類も幅広い層にすっごい売れるでしょ。

揚げ鶏肉の商品力ってハンパないんだよ、マジで。

これも重要なんだけど、駅そばって国鉄時代からそのまんまなんじゃねーのってくらいキタナシュランなところ多いけど、「弥生軒」はまあまあ小綺麗。

JR東日本の古い駅そばはほとんど昔からいじってないわけで、これ「弥生軒」が自分で金出して綺麗にしたんだと思う。

それだけ経営体力あるし、綺麗だから女性も入りやすい。

味自体はまあ、駅で食べるから美味しいという以上のものではない。

事実、京成津田沼などに出て行ったこともあるけど、すぐに頓挫した。

ちなみに西の横綱姫路の「まねきのえきそば」も阪神元町に出したのも短命に終わった。

とりあえず京成津田沼のは直営じゃなく、大した傷も負ってない。このあたりも賢明な選択。

「弥生軒」は天ぷらそばはあるけど、カレーやらなんやら余計なものはやらない。

昔は駅弁業者だったけど、東北新幹線が開業して、東京と東北を結ぶ列車が我孫子を通らなくなったらあっさりやめて駅そばに集中した。

ここでだらだら駅弁を続けたりして経営が疲弊してたら、今頃とっくに会社はないか、JR東日本傘下にあるはず。

移ろいゆく世の流れを敏感に察知して、派手さはないけどホントよくやってると思うよ。

かつて働いていた山下清の絵が飾られてあるけど、

ぼ、ぼ、ぼく山下清って知らないんだな、山下達郎もクリスマスイブしか知らないんだな、山下智久と山下美月なら知ってるんだな、

っていう世代の人が普通に集まってきてるんだから、山下清のブランドにしがみついてるわけじゃないしね。

人生の判断に迷った時は我孫子に来てみるといい。

「弥生軒」の強かさはきっとあなたにヒントを与えてくれるはず。

それじゃあバイバイなまらステ💚厚沢部煮切でしたっ✨




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