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【X space連動】世界遺産委員会初のインド開催‼️インドと日本の新世界遺産はどーなるか⁉️

こんばんナマステ🧡💚Kyoskéこと暑寒煮切(あっさにるぎり)だよっ✨

今日は22:00からX spaceで話す世界遺産委員会、新世界遺産の話をこっちでも書いてくよ‼️

世界遺産はどーやって生まれるのか

サクッと概要を書いていくと、一昨日21日からデリーで第46回世界遺産委員会が開かれ、そこで新しく登録される世界遺産について審議される。インドも日本も新規物件を推薦しており、順調ならばどちらも新しい世界遺産が増えることになる。

実際の新規登録については明々後日26日から議論されることになるので、その前に新世界遺産候補とその論点について見ていきたいと思う。

まず世界遺産とはなにかってとこから。

UNESCO(国際連合教育科学文化機関)の世界遺産条約に批准した各国が推薦した物件(不動産)を、文化遺産・自然遺産・複合遺産(文化遺産と自然遺産の両面の価値を持つ世界遺産)として登録することで国家の枠を超えた人類共通の遺産として保護していくということ。

エジプト🇪🇬におけるアスワンハイダム建設に伴い水没するとされたアブシンベル神殿をはじめとしたヌビア遺跡の世界規模での保護運動が文化遺産となり、アメリカ🇺🇸における環境トラスト運動に端を発する自然遺産が合流するかたちで世界遺産となった。

世界遺産の登録あるいは抹消をはじめ、登録物件のあり方、世界遺産制度そのもののあり方、あるいは世界遺産の原点といえる危機遺産(存続が危ぶまれる世界遺産)リストの登録・抹消といったことを批准国同士で議論するのが原則年イチで開催される世界遺産委員会。

原則と書いたのは2020年に福州🇨🇳で開かれる予定だった第44回世界遺産委員会がCOVID-19により延期となり、翌年オンラインで開催された。また、2022年は第45回世界遺産委員会はカザン🇷🇺で開催される予定だったが、当のロシアによるウクライナ🇺🇦侵攻で延期となり翌2023年にリヤド🇸🇦で開かれた。

世界遺産の新規登録の流れとしては、まず各批准国が暫定リストを作成してUNESCOに提出。日本は鎌倉、彦根城、飛鳥・藤原、佐渡金山、既に世界遺産登録されている平泉の登録物件拡張の5件のみが暫定リスト入りしているが、インドは57件もの物件をリスト入りさせている。

各国は暫定リスト入りしているなかから登録推薦する物件を申請すると、文化遺産はICOMOS(国際記念物記念会議)、自然遺産はIUCN(国際自然保護連合)、複合遺産は双方が事前に審査を行い、記載・情報照会・記載延期・不記載の4段階で勧告を行なう。

記載とか不記載とは世界遺産リストに記載するかどーかって話ね。

これはあくまで勧告。流石に不記載勧告からの世界遺産登録はないけども、情報照会勧告・記載延期勧告からの逆転登録は過去に全然ある。事実、第44回世界遺産委員会ではインドのラマッパ寺院が記載延期勧告からの逆転登録を果たした。

なお鎌倉はICOMOSから不記載勧告を喰らい、申請を取り下げている😭

そんな事前審査を経て、世界遺産委員会で登録審議がなされ、正式に記載・情報照会・記載延期・不記載が決まり、記載となれば見事世界遺産に登録される。情報照会は次回以降の世界遺産委員会での審議に回され、記載延期は再度事前審査から、不記載は二度と世界遺産委員会における議論のテーブルに載らないと思った方がいい。

以前は申請数に制限がなかったけれど、先進国ばかり世界遺産が増えていき当初の理念とかけ離れていくことを懸念して現在は各回各国1件限り、かつ全体で35件という制限がある。優先順位としては登録世界遺産を持たない国や複数の国に跨る申請、あるいは文化遺産と比較して圧倒的に登録数が少ない自然遺産・複合遺産が優先されることになっている。

なお、2年越しの開催となった第44回及び第45回世界遺産委員会では2年分の申請物件が議論された。

申請は自国の物件である必要はなく、前述の通り申請数制限や優先順位の関係から複数国に跨る物件の申請が増えており、フランス🇫🇷が申請したル=コルビュジエの建築作品が登録されたことによって日本の国立西洋美術館やインドのチャンディガールも登録されることになった。さらにいえばイスラエル🇮🇱とパレスチナ🇵🇸で領有を争うイェルサレム旧市街はヨルダン🇯🇴の申請によって世界遺産登録されている。

佐渡金山は世界遺産になれるか

日本は1975年の世界遺産条約発効からだいぶ遅れた1992年にようやく批准したため、先進国・大国といえるなかでは世界遺産が少なく、11位の25件に甘んじている。

それでもコンスタントに申請及び登録を勝ち取ってきており、とくに2013年第37回世界遺産委員会で富士山が登録されて以降、前々回の第44回世界遺産委員会における奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島(自然遺産)及び北海道・北東北の縄文遺跡群(文化遺産)までは毎回世界遺産を増やしてきた。(フランス申請の国立西洋美術館を含む)

前回の第45回世界遺産委員会に向けて佐渡金山を申請したが記載事項に不備があり受理されず、今回改めて提出することになった。でも、今まで鎌倉以外順調に世界遺産を増やしてきた文化庁がそんなミスするだろうか。

韓国が朝鮮人の強制労働を理由に佐渡金山の申請に難色を示してきたことが大きいんじゃないか。

当時の文大統領は日本につらく当たってきたけど(したがって日本ではいい報道がひとつもないけど、印韓関係を大きく前進させた功労者だってことは知っておいてほしい)、現在の尹大統領になってからの対日融和姿勢で韓国は現在の委員国ながらも容認の姿勢を見せており、政治的な問題はほぼクリアになった。

一方でICOMOSからは登録内定を得られず情報照会勧告を受けた。

勧告としては以下のもの。

完全性・真実性を満たすため江戸期よりあとの証拠が大部分を占める一部の地区を除くこと、

相川鶴子金銀山の資産を保護するための地域を沖合いに拡張すること、

鉱業権の所有者が商業採掘を再開しないという明確な約束を示すこと

ひとつめは江戸時代までの伝統的手工業によるマイニングをウリにしているので、近代産業施設としての佐渡金山の要素を入れるなと。

次に今後金山の沖合で洋上風力発電とかさせねーぞと。

最後に二度と商業採掘をせず環境を保全しろと。

ってなことで。

採掘権を持つのはゴールデン佐渡っていう三菱マテリアルの完全子会社なんだけど、佐渡のほか秋田県鹿角市の尾去沢鉱山も保有していて、どちらもとっくにマイニングはやめて観光施設として運営している。そりゃ世界遺産になって観光客増える方が儲かるでしょ、って話。

ということで審議に臨む姿勢は整ったので、あとはプレゼンがうまくいくかどうか。

数日後には歓喜なのか落胆なのかのニュースが飛び交うことになる。

北東インド初の文化遺産誕生

開催国インドは6番目に多い42件の世界遺産を有しながら、これまで世界遺産委員会の開催国になることができなかった。

近年の傾向としてはヒンドゥー教至上主義のBJP(インド人民党)政権下において、かつて多発したイスラーム関連の史跡がまったく登録されなくなったこと、北インド至上主義でもあるBJP政権ながら南インドの史跡が前回・前々回の世界遺産委員会で相次いで登録され意外にも地域バランスを考慮していることが挙げられる。

開催国として満を持して登録申請を出したのはアッサム州のモイダム群。既にICOMOSから登録勧告も受けており、ホームタウンディシジョンから考えても当確とみられる。

モイダムとはタイ系のアーホーム族によって1226年から1826年に存立したアーホーム朝による、わかりやすくいえば古墳のようなもの。王を地上の神と信じ、死後の世界を表現した独特の埋葬方法が興味深いのだと。

なおアーホーム朝はビルマ(ミャンマー)最後の王朝であるコンバウン朝に征服され、その後イギリスがコンバウン朝を撃退してブリティッシュインディアに併合されることになる。だから今でもインド領なんだけども。

アッサム州をはじめとした北東インドのセヴンシスターズと呼ばれる7つの小さな州のなかでは自然遺産はあったけど、文化遺産は初めて。

登録されればこれまでとは違った東南アジアとしてのインドというか、そーいった面も注目を浴びるはず。とくに古墳的な景観は日本人にとっても興味深く映るはず。

ではモイダムにはどーやっていくのか。

モイダムがあるのはチャライデオというところで、先ほどのコンバウン朝が侵攻してきた歴史からもわかるようにミャンマーとの国境に近い。インドの本当に右上の右上で、ミャンマーだけじゃなく中国の雲南省とかも近い。というかアーホーム族は雲南省からアッサムにやってきた。

ここはアッサム州の中心都市であるグワーハーティーから400km離れていて、直接的なアクセスには向かない。ただし、サイで有名な世界遺産カジランガ国立公園がグワーハーティーから向かう途中にあるので、このような旅程を組むことはできる。

チャライデオへ直接のアクセスになるのはチャライデオから北65kmほどにあるディブルガルで、グワーハーティーやデリー、インド東部の中心であるコルカタなどから便がある。

また、ナガランド州の州境も近く、日本軍の戦跡がある州都コヒマへも1日がかりでの移動はできる。コヒマを訪れる人は同じく戦跡のあるマニプル州の州都インパールとのセットが定番だけども、インパール、コヒマと来て新しい世界遺産を観に行く旅程を考えてもいいんじゃないかな。

このあたりは少数民族によるインドからの独立運動やミャンマーの政情不安、あるいは中国との度々の軋轢といったことの影響を受けやすい土地でもあり、近年は頻繁に洪水も起きている。行く時は常に最新の情報と細心の注意を払うこと。

ただ気候的にはインド亜大陸と比較すれば40℃以上にならないし、冬の朝晩は10℃程度でちゃんと羽織るものを持っていけば問題ない。インド旅行はどんな季節だろうと空調が強過ぎることが多いため羽織るものは必須だからさ。雨は多いけど☔、インドのなかでは過ごしやすいとこだと思うよ。

セヴンシスターズについてもどかしいのは、日本や東南アジアに近い場所なのに航空便がなく、最低でもコルカタまで迂回しなきゃいけないことだよねー。

せめてバンコクからグワーハーティー線くらいはあってほしいよね。

モイダムの方は世界遺産登録されたって日本語のニュースにならないとは思うものの、今回は日本人の琴線に触れやすい古墳によく似た史跡でもあり、TVなんかで取り上げられる可能性は高いと思う。

そのときに、あー前にどこかでインドの端っこの方に古墳みたいなのがあるって誰かが言ってたな、って思ってくれたら嬉しい。

言うまでもなくアッサムは紅茶の産地だから、古墳に紅茶。行きたくなってきたでしょ。

ということで今日だけ源氏名を元に戻したの気付いた❓

明日は北海道に帰るのでよろしくね💙

それじゃあバイバイナマステ🧡💚暑寒煮切でしたっ✨





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