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JATA経営フォーラム2022インプット⑧ワクチン💉で国際交流は戻るのか❓

はじめに

こんばんナマステ🤎Kyoskéこと暑寒煮切(あっさむにるぎり)だよっ⭐️

歴代最長シリーズとなった #JATA経営フォーラム2022 のインプットはいよいよ千穐楽‼️

2回くらいやって、労力の大きさにやめちゃおうかって思って、その時支えになったのは❤️をいただけたこと。

読んでくれてる人もいるんだと思ったら不思議と毎日書き出すことができた。

そして昨日、ようやくコツが掴めてきた。あーこーやってやればそんなに負担はないなぁって。

折角コツを掴めたのに今日で終わりというのも寂しいけど、ツーリズム関連のウェビナーはいくらでもあるので、また色々インプットしていきたいと思う。

それではここまでのバックナンバー‼️

基調討論:旅行業「再生」へ向けて

分科会A:コロナ禍での海外旅行の顧客維持に必要なことを考える

分科会B:デジタル×リアル融合による新しい旅行会社のビジネスモデルのあり方

分科会C:ウイズ・ポストコロナの訪日旅行に向けて

分科会 D :コロナ禍に立ち向かう中小旅行会社の取組み

分科会E:観光庁観光戦略課長に「観光の現状と今後の取組み」を聞いてみた

分科会F:SDGs持続可能な観光をカタチに「農泊」からサステナブルツーリズムを考える

それでは最終回、どーんとやっていくよ❣️

最終回は多分旅行者側にとっても関心の深い話だと思うので、是非旅行業界以外の人も読んでね💕

分科会Gの概要

まずは大トリメンバー発表⭐️

プレゼンター

川崎医科大学 小児科学・教授/厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会分科会長代理 中野貴司氏

ナビゲーター

東洋大学国際観光学部・教授 越智良典氏

学者同士の話。

中野氏は #ワクチン の専門家としてよくメディアにも出てくる医師。

若い頃にガーナ派遣🇬🇭に志願して #ワクチン接種 の重要性を体感し、この道の専門家を志したらしい。

現代の野口英世的な。

その後も中国🇨🇳、ニジェール🇳🇪、ケニア🇰🇪、バングラデシュ🇧🇩などでポリオ撲滅活動を展開。

あんまり問い合わせないけど、自分がバングラのツアーを組めるのはこの方のお陰でもあるんだろうな。実際感染症はどうなのかっていうインドではまず聞かれない質問も受けるからさ。

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もっといえば、2年前まで人々が国を越えて行き交う世界が実現できてたのも、こういう方々のお陰なんだよね。

今更「医療従事者に感謝」じゃねーよ。ずっとそうだったんだよ。そしてこれからもね。

越智氏は日本の観光学を最も盛り上げてると思う東洋大の教授だけども、アカデミックひと筋の人ではなく、学士のみ。

今回のテーマにピッタリな話題をしているこちらの記事を見ると、

学部卒でKNTに入り、子会社のユナイテッドツアーズ(旅行会社向けに海外旅行の卸売をしている会社なので旅行業界の人以外は知らないと思う)社長を経て、 #JATA ( #日本旅行業協会 )の理事・事務局長を経て東洋大(参与としてJATAにも残る)というキャリアであることがわかる。

東洋大はよくも悪くも官民から人を受け入れる傾向にある気がして、学府の独立性を求める自分の母校とは正反対だなあといつも思ってる。

何にせよ国際ツーリズム復活の鍵を握るワクチンの専門家の話を、国際ツーリズム復活を強く訴える学者が聞くということで、旅行・観光業界のみならず旅行者としても気になる内容になるはず。

じゃあ早速話を聴いてみようぜ‼️

まぼろしのパッケージ

東洋大越智「コロナ禍における出口戦略の鍵になるワクチンについて今一度専門家の話を聞いてみたい。」

川崎医大中野「ワクチンによる国内外の交流の復活という素晴らしく、また遠大なテーマを一介の小児科医が語るのは難しいが、ワクチンの基本から話していく。まずは5つの企業から講演料が出ていることを開示させていただく。」

COI開示<私が発表する今回の演題について 開示すべきCOIは以下のとおりです。研究助成金: なし、奨学寄付金: なし、原稿料: なし、講演料: 第一三共、サノフィ、田辺三菱製薬、アステラス製薬、デンカ、役員・顧問等の就任: なし>

COI開示とはこういうものらしい。医者の世界も色々あるんだなぁ。

川崎医大中野「行動制限緩和に向けた #ワクチン検査パッケージ が昨年11月から本格運用されようとしており、観光庁ホームページにも“旅行業・宿泊業におけるワクチン・検査パッケージ運用ガイドライン”が掲載され、旅行業界でも運用を検討していたと思われるが、

オミクロン株の感染拡大を受けて停止になった。

ワクチンによる感染症の予防について考えてみたい。予防接種により、あたかも感染症にかかったかのような身体の記憶ができる。免疫反応が起きて、 個体は病原体特異的な抵抗力を獲得する。

ポリオや麻疹(はしか)はワクチン接種が有効な代表的な感染症。ワクチンがなかった頃は子ども達はこれに感染しないと大人になれず、死や麻痺の危険にさらされた。

ワクチンや麻疹のように潜伏期間が長い感染症に対してワクチンはとても有効だが、新型コロナを含めた呼吸器感染症は有効なワクチン開発が難しくライノウイルス、アデノウイルス、RSウイルスにはワクチンが未だ作られておらず、インフルエンザウイルスや百日咳菌に対するワクチンは重症化には一定の効果は見られるが万能ではなく予防はできない。だからコロナ分科会の尾身会長は理想的なワクチンの開発保証はないと国会で発言した。私も全くその通りだと思っていたし、多くの専門家もそう思っていたはず。」

新型ウイルス🆚新型ワクチン

川崎医大中野「これまでのワクチンは生ワクチン(弱毒化した病原微生物ーウイルス、細菌などーを 生きたままワクチンとして接種するもの)、不活化ワクチン(細菌やウイルスを処理し 免疫原性を保持したまま 感染力を失わせたもの)、破傷風に代表されるトキソイド(細菌が産生する毒素ートキシンーを分離精製し抗毒素の産生力を保持したまま無毒化したもの、不活化ワクチンに含まれることもある)だったが、

今回 #mRNAワクチン (抗原となる蛋白質を作り出す mRNAを投与するもの。細胞に取り込まれたmRNAから蛋白質が翻訳され、それに対する免疫応答によって中和抗体や細胞性免疫が誘導される)と #ウイルスベクターワクチン (ベクターウイルスのゲノム遺伝子に、病原体の防御免疫誘導抗原をコードする遺伝子を組み込 んで作成する。感染細胞や抗原提示細胞が、 個体の免疫応答を誘導する)が開発されて新型コロナに使われると呼吸器感染症に対して高い効果を発揮するようになった。

ファイザーとモデルナがmRNAワクチン、アストラゼネカがウイルスベクターワクチンで、これらは高い発症予防効果が見られ、ファイザーに至っては95%。

https://www.kansensho.or.jp/uploads/files/guidelines/2102_covid_vaccine_2.pdf

ファイザー製が先行して普及していたイスラエル🇮🇱では感染予防効果が95.3%。高い予防効果がわかったことで我々は当初以上にワクチンに期待してしまったかもしれない。

日本では昨年7-8月に接種率が一気に上がり、デルタ株の流行とも重なったけれど恐らくワクチンの効果で感染拡大は非常に短期間で終わった。ウイルスが変異していくことに対して有効性を問う声が多い。実際最初の武漢で発生した頃のデータでワクチンが作られているためウイルスが変異すれば効果が落ちるのは事実。それでもmRNA、ウイルスベクター双方とも有効率は数%の下落に過ぎず変異にも有効と信じられた。

しかしデルタ株の頃からワクチン接種済みにもかかわらずコロナに感染してしまうブレイクスルー感染が取り沙汰された。ワクチンの変異と接種後の時間経過による効果の低下がブレイクスルーの原因。感染予防効果は弱まるが、発症予防効果、重症化予防効果は接種から時間が経っても高いというのがデルタ株までのデータ。ただし高齢者や基礎疾患を持つ重症化しやすい人は少しずつ重症化予防効果が弱まってくるのも事実。

そこでイスラエルは早期に3回目追加接種を行いデータを公表したことで(恐らく当初から予定されていたと思われる)ワクチンを確保できる先進諸国は追加接種に動いた。追加接種はmRNAワクチンを用いることと、交互接種(1,2回目と別のワクチンを接種すること)を可能とした。当初2回目接種後8ヶ月といわれたが今は多くの国が6ヶ月後から接種できるようにしている。

追加接種の前倒しが世界中で加速した理由にオミクロン株の急拡大が挙げられる。オミクロン株は重症化しにくいが、ワクチンの有効率が低い。それに対して追加接種を行うことである程度有効率が回復する。ワクチンは一般的に集団免疫効果を期待できるが、百日咳はなかなか集団免疫効果が発揮されない。新型コロナの集団免疫効果がどうなるのかは未知数。

川崎医大で先行してファイザー製mRNAワクワクを接種した医療従事者を相手にワクチン接種前後の抗体価を測定したところ、ほぼ全員が上昇した。接種後の下落と追加接種後のさらなる上昇も測定した。強い免疫がつくことは間違いない。ワクチンといってもそれだけで万能なわけではない。医療提供体制や治療薬といった他の対策も講じながら日常生活の回復を目指していく必要がある。これは旅行業界にとっても喫緊の課題であろう。

私も旅行好きなので早く旅行に行けるように戻ってほしい。」

ワクチンは旅を取り戻せるのか

東洋大越智「事前にいくつか質問をいただいている。抗体量には個人差があるが、それを測定して抗体量が低い人だけワクチン接種をする、というのではだめなのか。」

川崎医大中野「抗体の測定法も色々ある。また、抗体量が同じでも若い人と高齢者では重症化リスクに差があるかもしれない。量だけで判断できる状態にはまだない。また、人類は周囲の病原体と常に接していることで抗体がつくこともある。」

東洋大越智「なるほどねえ。インフルエンザのワクチンとコロナのワクチンの免疫は別物なのか。」

川崎医大中野「全く別物。」

東洋大越智「ワクチン・検査パッケージを再開する際どう修正してくべきか。」

川崎医大中野「2回接種が基準のパッケージは当然見直さなければいけない。しかし、2回目の副反応が重く3回目を受けない人がパッケージを適用されないことをどう考えるか。また回数さえ打てばいいのか、運用も未知数。元々ゼロコロナは難しいと思っている。」

東洋大越智「PCR検査付きツアーを実施したときに、そういう仲間が集まっているという安心感を参加者が持ってくれた。旅行参加条件に加えることは検討してもいい。」

川崎医大中野「海外では集団生活に入るためにワクチン接種証明が必要になるケースが多い。」

東洋大越智「海外渡航は相手国の基準に合わせればいいが、日本ではどうすればいいのか。どこかに線引きは必要と考えるが。」

川崎医大中野「過去の歴史を見てもこのような区別を設けた事例がない。フランス🇫🇷は完全に国内移動に対して完全にワクチンパッケージをやっており、反対デモも激しいが。」

東洋大越智「簡易検査キットを普及させたい。今は体温測定は普及しているが、ちょっとしたことで熱が上がる人がいるときにキットがあればお互いに安心できる。」

川崎医大中野「体温は個人差があり、私の専門である子どもは平熱が高い。」

東洋大越智「建物に入った瞬間の体温は外気温に影響されやすく実効性が疑問。だから簡易キットが普及してほしいが、今度は物が手に入らない苦笑 Go Toトラベルや県民割にワクチン・検査パッケージがどう適用されていくのかも未知数。結局は旅行者のエチケットの話になる。」

川崎医大中野「新型コロナに限らず、クルーズ船でインフルエンザが流行したりということは過去にもあった。コロナに限らず伝染らない、伝染さないの徹底が必要。」

東洋大越智「無理に規制を緩和すると、旅行者と医療従事者が敵対する関係になりかねない。ツアー中はむしろ徹底的に感染防止対策を行っていて、日常生活よりも気をつけるようにしている。そこを医療界にもわかってほしい。医療界から旅行業界はどう見えているのか。」

川崎医大中野「医者は学会などで旅行業界に多大な世話になっている。オンラインでの会議は便利だが、やはり対面でないとということもある。個人的には早く移動が自由になってほしい。」

東洋大越智「新規陽性者の数が増えると旅行予約が減り、陽性者が減ると増える逆相関性があり、政府の発言などはあまり影響がない。旅行者の感染対策エチケットを広めていくことが大切なのかなと。」

川崎医大中野「忘れていけないのはまだ1・2回目の接種をしてない人もいる。免疫を持つ人が増えるのはいいことだが、強制はできない。」

東洋大越智「11月以降接種率は8割から横ばい。当初ワクチンを接種していれば検査がいらないという話だったのに全数検査が義務付けられ、それなのにキットが不足しているなどよくわからない。」

川崎医大中野「偽陽性も偽陰性もあり検査もワクチン同様万能ではない。」

東洋大越智「埼玉県はワクチン・検査パッケージがあればまん防期間でも飲食ができる。南アフリカ共和国や英国では既に陽性者が減っているが、日本でもオミクロンは減っていくのか。」

川崎医大中野「感染力が強いウイルスほど伝染るべく人に伝染するため、早く終わる可能性は大いにある。」

東洋大越智「感染対策、エチケットをさらに旅行者に啓蒙し、旅行会社の社員にも教育を徹底するとともに、旅行業界で集団接種もやっているので、打ちたい人にはどんどん打ってもらえるよう動いてきたい。」

川崎医大中野「私自身は旅行が大好きなので、早く旅行に行けるようになってほしい。その時はぜひまたよろしくお願いいたします。」

本当のゲームチェンジャーとは

人間って切羽詰まるとイノヴェーションを起こすというか、これを機にまったく新しいワクチンが2つもできたんだな。

しかしそれでも呼吸器感染症を完全に止めるのは難しいようで。

「おうち時間」の頃に感染症関係の映画をいくつか観たけど、あーゆー風にワクチンが出来た途端平穏が戻ってくるなんてことはないんだってこともわかった。

これは治療薬ができたって同じだろう。

限りなくリスクを減らすことは必要だけど、コロナはもう無くならない。

ならばニュー=ノーマルを1日も早く集団で獲得するしかないんじゃないかな。

国内は当然として、相手国との相互認証に基づき出国時の陰性証明さえあれば隔離なしで渡航できるようにする。

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ほっといてもなし崩し的にそうなるだろうけど、それならば規律をもって計画的にやった方がいい。

ひとまずG7+EUだけでもそうやってみたらいいじゃない。

どこかの国が戦争起こしたりしなきゃ、相互認証について前向きな議論もG7、いやG8かな。そこで行われてたと思うんだよね。

明るい未来を思い描くよりも、未来を明るく生きることを我々は考えなければいけないと思う。

おわりに

JATA経営フォーラム2022のインプット、これにて完結っ‼️

なんとか視聴期限までに全部インプットすることができた。

当たり前だけどすべてのセッションはコロナ禍の現実とその先の未来を考えるものだった。

こうやってログを残しておくことで、あの時こんな議論をしてたなぁ、なんて思い返せるのもいいんじゃないかな。

この前も書いたけど、来年以降の #JATA経営フォーラム も是非アーカイヴを残してほしい。

これまで同時並行で行われていた分科会をすべて視聴できるなんて最高じゃないか。

おかげでアウトバウンド、インバウンド、国内旅行、農泊、ワクチンなど様々なことを吸収できた。

今はインドに特化してることになってるけど、元々「専門性がない」旅行屋だからさ。何でも知りたいんだよ。

JATAさん来年もよろしくね✨

それでは告知ターイム‼️

#Clubhouse#インドの衝撃 ( #インド大学 )』で明後日4/1 20:00からラマダーンについて。

4/7 木曜日20:00〜はル=コルビュジエについて話しちゃうよ💫

それじゃあバイバイナマステ🤎暑寒煮切でしたっ✨





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