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夜行バスが置き去りにしたものはなにか(後編)

こんばんナマステ💙🤍Kyoskéこと暑寒煮切(あっさむにるぎり)だよっ⭐️

昨日は旅行業界にとっては苦難の日である9月11日だったので別の話を挟んだけど、

前編を書いたまま話を置き去りにはしないから安心して💜

前回は9月4日から5日にかけての深夜に起きた京都駅夜行バス置き去り事件について、それを引き起こしたさくら観光バスのミルキーウェイエクスプレスと置き去り事件について解説した。

本当は一昨日一気に書くつもりでいたら、昔話まですると結構分量も膨らんでしまうもので、前後編というかたちにさせてもらった次第。

ではその後編をお送りすることにするよ🌟

後編ではこの事件の対応は問題だったのか、問題だったとすればどうしてなのか、ってことを書いていくんだけど、

こういう書き方をするってことは問題が少なからずあったと自分は認識してるってことになっちゃうよね💦

だって、その対応で問題ないと思えば、そう書いて一昨日で終えちゃったんだから。

この先がまだまだ長くなるということで、京都駅のところで打ち切ったので。

それを置き去りにせず、今日でクロージングに持っていきたいと思う。

一時期、ネタを捜すのが結構大変だったこともあるんだけど、最近は逆で書きたいことはたくさんあるのに時間が足りない。

旅行業界の人材の需要と供給のようになかなかうまくいかないよね。

元々この記事を書こうと思ったきっかけはこれを読んでのこと。

会社サイドで見ればこれは確かにその通りなんだけど、お客様サイドにはまったく響かないよなぁ。

まあ、前回書いたようにバスの運行打ち切り→補償の説明を実際にしたことがある立場の人なんてそうはいないから、

多分旅行業界でも大半の人はこのコンサルの方の意見に同調すると思うけど、自分はどうしても飲めない。

どうすればよかったか、という以前にまずこういうことが起きるのをシミュレーションできていない点が問題。

バスを動かしている限りこういうことって時々はあるんだよね。

もちろんそれを最小化するために点検は入念にするけどそれでも起きる時は起きる。

だから、色々なシチュエーションによるロールプレイングをしておかなければいけない。

今回の事件のそもそもの問題は関西に代車がないことに尽きる。

そう、こういうことはできなかったのか。

まず、大阪に着いたバスは大阪近辺のどこかの車庫で夜まで清掃と点検をしてるわけで、それってどこか提携してる大阪のバス会社のものではないのかな。

車庫のみを扱ってバス会社に貸してる会社なのかもしれないけどね。

新高速乗合バスになって受託運行に規制がかかっているので、故障が起きてから代車を出してくれる会社を手配するというのは難しい。

何社も介してまったく繋がりのないバス会社に運行を委託した結果、関越道事故を起こしたことからそうなっている。

普段から運行委託を頻繁にやってればこういう時力になってくれる会社もあったかもだけど、基本的に独立独歩のミルキーウェイエクスプレスにはそういう相手がいないんじゃないのかな。

既存の高速乗合バスは大抵、出発地側のバス会社と到着地側のバス会社が組んでやっている。新宿ー富士五湖線における京王バスと富士急バスが一番わかりやすい。

いざというときに代車を出すということについて業界全体としてもっとそういう体制を練っておかなければならないことだし、そのうえで制度化を国に訴えていく必要もある。

それから自社内のオペレーションとしてもやれたことはあったんじゃないかと思っている。

というのは、ミルキーウェイエクスプレスとしては今回故障を起こしたCJ110便のあとに、梅田(実質は中津)プラザモータープール23:00発のCJ112便、難波OCAT23:20発のCJ104便、23:30発のCJ108便が運行しており、それらはすべて満席だっただろうか。

これらはすべて今回点検した京田辺PAの前を通るはず。

事前にシミュレーションができていたら、空席がある分だけでも京田辺で後続便で乗り換えてもらうことはできた。

誰がそれに乗り換えられるか、こればかりは抽選にするしかないけどね。

どうしても早朝に首都圏にいないとダメな人と、新幹線で向かってもいいという人に選別することはできた。(新幹線だとどうしても東京着が8時半頃になる)

CJ110便が3列シートなのに対して、CJ112便とCJ108便は4列シートなのでそこに乗り換える人にはお金を返さないといけないだろうけど、補償よりはいい。

これ法令的にはどうなのかというところはあるけれど、事前にシミュレーションができていれば国交省と詰めることはできた。

そのような方策を取った上で、まだ途中で降ろさなきゃいけない乗客がいるなら、それは仮眠代くらいは出さないといけない。

9月頭だからまだいいけど、これが冬ならどーするつもりだったんだろうか。

通り過ぎることになるおれの家の前に停めろとかそういう理不尽な要求は当然突っぱねるべきだけど、

仮眠と移動をするために夜行バスに乗ったお客様の目的遂行を最大限アシストすることでお金を頂戴するという原則には最大限努めなきゃいけない。

自分の場合は新幹線+宿泊代補償をやってくれるバス会社の説明をしたのに、無一文で立て替えられるお金すらない、という想定外の答えを言われて詰め寄られたわけだけど😓

ちなみにこういう保険を用意している会社もある。 

これが標準になっていくんじゃないかな。

保険の説明をきちんとした上で、それでも出発時までに入らなかった人には補償がなくても仕方ない。

そういう流れになっていくとは思う。

これはバス会社として起こりうるトラブルをシミュレーションをした結果なんだよね。

ミルキーウェイエクスプレスはコンプライアンス上決して間違ったことをしたわけではないけれど、それでもシミュレーションをしていなかったためにお客様を困らせ社会的心象を悪化させたのは間違いない。

常に乗客本位でシミュレーションを重ねてこなかった結果であって、こういう時にその不足が降りかかってくるかたち。

もちろんこういうのは会社の規模が小さければ小さいほど困難が伴うので、業界全体でのバックアップ体制が取れるようにしていく必要がある。

こういうのこそ国交省が調査とガイドライン作成に動いてもいいと思うけどなぁ。

ミルキーウェイエクスプレスとしては今後、悲劇を繰り返さないよう会社として色々シミュレーションを重ねてほしい。

今回は擁護者がいたおかげで、風評被害はそこまで広がらなかっただけ命拾いだと思わなきゃ。

それじゃあバイバイナマステ💙🤍暑寒煮切でしたっ✨


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