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なにわ筋線はあらかたできてしまったのでは

こんばんナマステ💙🤍Kyoskéこと暑寒煮切(あっさむにるぎり)だよっ⭐️

昨夜Clubhouse『インドの衝撃(インド大学)』で話したアストロツーリズムのポッドキャストがさっそくできたよ✨(約23分)

テキスト版はこちら。

さてと。先日、大阪駅のうめきた地下ホームについて書いたんだけど、

この続きとして、いよいよなにわ筋線の整備が本格化してくることになる。

これもうめきた同様、関東の人にはあんまり知られてないけど、関西では政財界やメディアが盛んに喧伝しているので知名度はだいぶあるだろうと。

なにわ筋線をひとことでいうと、大阪一の業務地区かつ繁華街である梅田、それに新幹線の発着する新大阪と関空を直結する路線ということになる。

現在、大阪と関空の間はJRと南海電車が走っていて、前者は大阪環状線を経由して梅田や新大阪、さらには京都と関空を結び、後者は大阪第二の繁華街である難波と関空を結んでいる。

その両者をなにわ筋線に乗り入れさせて、JRからすれば梅田・新大阪・京都へのショートカット、南海からすれば梅田や新大阪へのアプローチができるようになる。

結局金と認可を出すのは行政なので、JRと南海のどちらかにえこひいきというのはしづらいため、両方が乗り入れるわけ。

なにわ筋線を建設する関西高速鉄道は、元々JR東西線を建設するために、大阪府、大阪市、JR西日本が主体となって設立された会社なんだけど、

これとは別に大阪府市と京阪で中之島高速鉄道という会社も設立して、京阪中之島線を建設した。

JR東西線と京阪中之島線はほとんど並行して走っていて、どっちかに統合平八郎にできなかったのかとものすごく思うのだけど、これも結局行政がどちらかにえこひいきできなかった結果。

JRと京阪電車の両方が乗り入れられる路線にならなかったのは線路の幅が違うから。その点、JRと南海電車は幅が同じだし、そもそも関西空港駅を共用している。

もっといえば、JR阪和線自体もとは南海が建設した路線だし、その南海自体が戦時中は国鉄に統合されていた。

再三書いてきてるように線路の幅が統一されてるというのはそういうことなんだよ。大手私鉄のなかでも東武、相鉄、名鉄あたりは国鉄〜JRとそれなりに直通運転を行ってきた経緯がある。

それはさておき、なにわ筋線を建設するにあたっては、南海が関西高速鉄道に資本参加をするに至った。

大阪では南北方向の道路を筋と呼び、南北方向の地下鉄も御堂筋線、堺筋線、今里筋線といったかたちで筋の通ったネーミングになっている。

谷町筋、四つ橋筋を通っていてもそれらは谷町線、四つ橋線と筋の通らないネーミングになっていて、それって発音の長短で決めてると思うんだけど、だったら今里筋線は何なの❓って話。思想に筋が通ってないんだよね。

なにわ筋線ももちろんなにわ筋の地下を走るのだけど、厳密にそうなのは中之島ー西本町間のみで、あとは大阪駅や両難波駅(後述)に接着するためになにわ筋からは離れる。

大阪駅のうめきた地下ホームからそのまま地下を走ってなにわ筋に接着、なにわ筋直下では中之島と西本町の2駅ができる。

中之島は前述の京阪中之島線とコネクトするため、京阪がものすごくなにわ筋線を欲している。中之島線が超閑散路線になってしまっているため。中之島線自体がこの先九条まで伸ばす予定のため、京阪より深いところを通す。

西本町は御堂筋線、四つ橋線、中央線本町の西、中央線、千日前線阿波座の東、長堀鶴見緑地線西大橋の北にできて、どの駅ともコネクトしない。これまで微妙な空白地帯だったところをあえて埋めるつもりらしい。

西大橋はなにわ筋直下にあり、なにわ筋線とのコネクトを狙って長堀鶴見緑地線に設置した駅だと思うのだけど、この先の線形を考えたときに駅を置けなかったものと思われる。

西本町の少し南、西大橋の手前でJRと南海電車は分岐してJRは既存のJR難波、南海電車は他の路線の難波の下にできる南海新難波という新駅に向かう。

南海新難波は地下鉄や近鉄の下にできるので地下40mにできる。これは大江戸線六本木やリニア品川駅と同様の深さになる。そのため西本町の先の分岐地点から35‰(1kmで35m高度が変わる)の急勾配で下っていく。

一方でJR難波は割と浅いため、逆に分岐地点から20‰の勾配で上がっていく。

JRルートと南海ルートは両難波駅のかなり手前まで平面上は同じところを通るのだけど、立体的に駅の深さが違いすぎるためにかなり手前で分岐する。そのために西大橋に駅を置けないわけ。

実のことをいえば、南海新難波駅はかなり最近になって後付けされたもの。

当初の南海ルートは汐見橋に接着して現在完全にローカル線になってしまっている南海汐見橋線を活用する予定だった。それならばJRと南海電車の分岐は西大橋にできたはず。

だけど、そんなオワコンなところに接着するよりどんだけ深くたって難波の方がいいよね、ということで計画が変わったわけ。

さて、なにわ筋線はこれで終わりじゃない。南海新難波から南海電車に接着しなければいけない。

ここから高架駅である新今宮に至るにあたり、本当はすぐにでも登りはじめたいのだけど、阪神高速道路との兼ね合いもあって緩やかな勾配にはできず44‰にもなる。

先ほどの35‰が平地の鉄道としては限界。南海電車は高野山で50‰の登り下りをしているけれど、それは特殊な車両を使っているからこそ。

だから南海にしてみたら44‰を乗り越えられる車両なんて開発するのは屁でもないけれど、それでも特殊な車両を要するため、現在の特急ラピートなどの関空車両は使えなくなってしまう。

いいのかそれで⁉️

なんにせよ新今宮接着をもってなにわ筋線の建設は終了となる。

それではなにわ筋線には一体どーゆー電車が走るだろうかというと、新大阪・梅田と関空を直結するという目的があるため、JRは関空特急はるかと関空快速、南海電車は特急ラピートと空港急行ということになるんだろう。

はるか、ラピートは日中30分に1本ずつ、関空快速と空港急行は日中15分に1本ずつなので、西本町以北では日中は1時間に12本の電車が走ることになる。はるか、ラピートは中之島と西本町には停車せず大阪ー両難波間はノンストップになるか。

南海電車が新大阪に乗り入れるかどうかはなんともいえない。阪急がうめきたー十三ー新大阪間に新線を建設し、そちらに南海電車を流すようなことが言われている。

だとすると西本町からJRと南海それぞれの難波へは15分に1本という過疎ダイヤになってしまう。

西本町はホームが1つしか置かれないし、引き上げ線もない。だから、例えば現在JR難波を発着している大和路線の普通電車が西本町に乗り入れて南海電車に乗り継がせるようなダイヤを組めない。

いいのかよそれで。

それなら大和路線も新大阪まで突っ込んじゃえばいい、ということも言えるけど、JRと南海電車の本数をイーヴンにすることを考えると、関空へ行かない電車の乗り入れにはケチがつくだろうし、大和路線どころか白浜・新宮行きの特急くろしおや日根野まで関空快速と連結する紀州路快速までダメになりそう。

紀州路快速は現在天王寺発着になっている阪和線の区間快速を置き換えるかたちで大阪環状線へ、くろしおも大阪環状線経由ということになるのだろうか。

くろしおくらいは南海も高野山特急を乗り入れさせる(50‰を乗り越えられるんだから南海新難波への乗り入れは余裕)のと引き換えでなにわ筋線を使わせてもらえるのかもだけど、どーも窮屈なものになりそう。

こーなってくるとなにわ筋線ができたら大阪環状線に余裕が生まれるので環状運転を増発する、という話も絵空事になってくる。

仮にはるか、くろしお、大和路快速、関空・紀州路快速がぜーんぶなにわ筋線にシフトしてくれるなら、環状運転を今の山手線と同じ5分間隔にできる。

環状運転の場合、1周の所要時間は運転間隔の整数倍にしなければいけない。現在は15分間隔なので1周はその3倍の45分をかけているけれど、以前は10分間隔で1周40分だった。5分間隔にしたら40分に戻せるどころか35分での周回は可能なんじゃないかと思ってる。

また、阪和線は天王寺で折り返せても、大和路線は天王寺で折り返せないのよ。あくまでJR難波が終着なのよ。だとすると天王寺ーJR難波間やJR難波の折り返しのキャパシティも心配になる。

なんかなにわ筋線を造ったせいで、かえって色んなところが過密になったり、不便になったりしないかなぁと。

ここでコスパを考えてみる。

なにわ筋線の建設費は3,300億円で、大阪駅と関空の間を67分から44分へ23分短縮するとしている。

これはかなり大きいけれど、実はトリックがある。

44分は大阪駅うめきた地下ホーム発着の特急はるかで、途中天王寺にしか停車しないのに対して、

67分は大阪駅環状線ホーム発着の関空快速で、13駅余計に停まるうえに日根野で紀州路快速との切り離しも行なう。上記リンク先では64分となっているのだけど、恐らく福島や大正に停まらなかった時代の所要時間だと推察される。

来年3月からは既報の通り、うめきた地下ホームが新設されて、大阪環状線経由のはるかが大阪駅に停まる。

するとどうだろう。

はるかは47分で大阪駅と関空を結ぶようになり、20分短縮するのだという。

これには異論も出るだろうね。

なぜなら、うめきた地下ホームは現在の大阪駅地上ホームから6分ほどかかると言われているから。

だけど、それはなにわ筋線でも同じなんだよ😜

そして、大阪環状線経由となにわ筋線経由では47分と44分で3分しか変わらない。

上記リンクでも新大阪ー関空は現行51分から49分と2分しか速くならないことがはっきりと謳われてしまっている。上記3分短縮との1分差は大阪駅の停車ロスだよね。

3分差に3,300億円ってどーなんだろ。しかも、大義のひとつだった大阪環状線の増発は大和路線や南海電車との兼ね合いを考えたら果たせそうにない😭

代案としてダイヤ上のネックになっているうめきた地下ホームー西九条間の複線化と、西九条の平面交差の解消、西九条の線路増設(3レーン→4レーン)をやってみたらどーかなぁ。福島駅近辺まではなにわ筋線と同ルートね。

なにわ筋線が7.2kmで3,300億円となっているので、こちらの改良は3.5kmで単純計算なら1,604億円になる。現実にはなにわ筋線と比較したら簡素なのでこんなにかからないと思うけど。

これによっておおさか東線とゆめ咲線の普通を一本化、関空・紀州路快速と大和路快速は野田にも追加停車したら利用の少ない芦原橋と今宮以外は環状線の全駅で15分間に3回の乗車が可能になる。

これで充分なんちゃいますの❓

ってとこなんだけど、南海は釈然としないよね。

代案として、難波地下駅案を出してみたい。

今のなにわ筋線に無理があるのは近鉄電車・阪神電車の下を通そうとするからで、そうではなく近鉄・阪神の大阪難波駅にT字で接続する終着駅にするのなら勾配は35‰以内にでき、それでいて近鉄電車・阪神電車のほか地下鉄に乗り換えやすくなる。

南海難波駅は西武新宿駅ほどでなくても、結構離れ小島感があるのがね。

南海本線系統と高野山特急を地下の大阪難波駅、高野山線の特急以外を高架の南海難波駅始発にしたらどうか。(近鉄の運用の真似)

これによって梅田・新大阪にはそれなりに行きやすくなり、競争力は上がるはず。

この整備に500億円かかったと仮定しても、なにわ筋線よりは1,000億円以上浮くし、双方の満足度はなにわ筋線より高まると考える。

大阪の地下鉄が東京みたいに不愉快な深さではないのは斜めに絡み合わないから。

それをしちゃったらダメなのよ、いやホントにさ。

それじゃあバイバイナマステ💙💙暑寒煮切でしたっ✨


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